三島由紀夫曰く「映画は不思議な芸術で、私の場合、文学の中では決して人前に出すことのない、私の中にある滑稽さ、哀れさ、臆病さなどの秘密を白日の下に曝らしてしまいました」「この映画が、いわばフィルムによって書かれた私自身の私小説」とのこと。
三島が「三島」であることに驚くほど自覚的なのと、やはりボンボン育ち故の素直さが滲み出ていて好感持てた。もともと好きだけど。
この映画に写る筋肉の鎧を纏ったはいえ弱々しさは隠しきれない華奢な小男、三島由紀夫は本人の自覚通り滑稽だ。
「薔薇刑」とかの単体の写真集では気付かなかったが、周囲が船越英二とか平均的日本男子と並ぶと尚更際立つ貧弱さ。皮ジャンがブカブカで一層貧相。なのにやたら裸になりたがる。
若尾文子を背後から抱きしめるシーンでは、大ファンの若尾が相手であるせいか女性が不得手なのか、力強く抱きしめるはずの三島の腕と若尾の体の間に隙間が。遠慮してる。
腑に落ちることばかり。
さらに立体的に深まる三島由紀夫像
で、映画としては。
ここんとこ増村保造監督作品を立て続けに観てるので、この監督ならさほど酷いものは創りようがないと予想してたが、調べてみたら三島由紀夫をしごきにしごきぬいたみたいで、また、石原裕次郎を想定して書かれた脚本も三島由紀夫のイメージとスキルに合わせて書き換えられてて、それなりというよりちゃんとした作品になっていた。
三島由紀夫ファンとしてもホント観て良かったわ。









