二 モスクワ経由でおよそ半日のフライトを経て、たかしとその両親の乗る飛行機はキエフ国際空港へ到着した。 たかしは自分の手荷物を受け取ると、到着ロビーを見回してみる。平日だからか、人影はまばらだった。 「お、あれだな。」 と、父は目を細めながら言った。 父の見つめる方角から、たかしにも見覚えのあるシルエットが近づいてくる。