Q. 豊臣秀吉の前で、家臣たちは、どんな座り方をしたのですか。
A. 日本人の座り方は、古来より、「あぐら座り」か「立て膝座り」が普通でした。
これは、身分の上下や男女に関係なく、皆同じです。
膝を折って正座に近い形を取ることは、「膝を屈する」と言って最大の屈辱とされて、身分の低い者でも、よほどの時でなければ取らない姿勢でした。
正式な場はもちろん、上司や親の前でも、「あぐら座り」か「立て膝座り」をしました。
畳敷きでない、木の床(ゆか)ですから、座布団がなければ、正座では、長くは座っていられません。正座は、罪人の拷問の手段として使われていた時代があったほどです。
それが、江戸時代に入り、徳川幕府の権威が絶頂期になった、三代将軍・家光の時代に、将軍に絶対服従の意味を込めて、膝を屈する正座をするようになりました。
江戸時代になって、城もようやく、オール畳敷きとなり、庶民の家にも、だんだん畳が普及していったこととも、関係がありそうです。
※ 「時代考証 おもしろ事典」(山田順子・著)参照
( 豊臣秀吉 by 柳 柊二 )