桜の散り際は一瞬感傷的に、色々な思いに囚われましたが、、、
すぐに切り替わりです。
 
現在『青天を衝け』は素晴らしいスタッフさんに囲まれ撮影中です。
時代の騒乱の中で描かれた色々な愛の形を僕も体現できるように。
ただ一つ一つのシーンに集中し取り組んでいます。
そしてめざまし8では僕がやりたかった特集が今度の出演でonairです。
素晴らしい機会をいただけて感謝です。
日々色々なニュースにダイレクトに意識する機会が増えましたが、
僕は、僕でしかなく、歌舞伎に携わるものとしての目線しか持っていないのだな、と改めて痛感します。
できることは一個一個、目の前のお役目を果たすのみ。
 
 
そして僕はこれから悪に染まる予定です!
 
三月の花形歌舞伎はお客様のおかげでコロナ禍にも関わらず
盛況のうちに幕が閉まりました。
改めて、本当に感謝です。
色々な制約があるにもかかわらず、お客様がお芝居を楽しむ気持ちが劇場内に溢れていて、
演者、地方、スタッフが一体となって皆様と一緒にあの空間を共有できたことを、きっと生涯忘れないだろうと思っています。
 
そして、これは本当に劇場に来てくださったお客様のおかげだと思いますが、
現在準備中である、『五月大歌舞伎』『三人吉三』のお嬢吉三!!
これが決まったときは、心がうおーってなりました!
 
歌舞伎座で、お嬢。
お話を聞いた時、
三月の時も書きましたが、また菊十郎さんのことを思い出しました。
ある娘のお役の拵えをして楽屋を出た時、菊十郎さんに
「お嬢もいけますね!」と。
当時17才だった僕には、やらせてもらえるならやりたいけど、憧れはあっても想像がつかないお役で、なんだかその言葉に微妙な返事を返した覚えがあります。
 
色々な制約の中、お客様が背中を押してくださって巡ってきたこのお役。
これから菊五郎のおじさまに稽古をつけていただきます。
おじさまにこうして直接お稽古をつけて頂ける機会が最近増えて、喜びもひとしおです。
 
そして、この機会が今後も常になるように、誠心誠意、皆様が楽しんでいただけるような、綺麗な悪を勤めたいと思っております。
 
菊十郎さん、今回は東京ですし、歌舞伎座は換気の徹底がされております。
するっと入りやすいのでは?
観てもらって「やっぱりお嬢はニンでしたね」といわれるように。
 
そしてもう一つの悪役、こっちは少し汚い?悪!7月8月は、新作ミュージカルに出演いたします。その名も「ミュージカル『衛生』リズム&バキューム」尊敬する俳優さんである古田新太さんとダブル主演での出演。困った人の弱みに漬け込むだけ漬け込み、極悪非道の限りを尽くす汲み取り業者の御曹司というお役!登場人物みんな悪人!善人不在の舞台!鶴屋南北や河竹黙阿弥といった歌舞伎の脚本家が作ったお芝居の中には、悪人が活躍して、観る人の心をもてあそぶような作品が多く存在します。なんて酷い話!と思わせる内容でありながら、ついうっかり共感してしまう。どこか世間の代弁をしているようなパンクスの精神を持つのが、歌舞伎の面白さでもあると感じています。
今回はまさに歌舞伎の精神にも通じる新作ミュージカル!個人的に「歌」の修行もしていた中でのミュージカルということで、こちらもめちゃくちゃ楽しみにしています。
 
劇場に来てください!と声高らかには言えないご時世かもしれません。
でもたくさん、たくさん観ていただきたい!!
 
きっと皆様がコロナとか日常とかをどっかに忘れてしまうような、興奮して楽しめるようなエンターテイメントをこれからも作っていけるように、全てに対して正面で、真っ直ぐに、僕自身が興奮しながら取り組んでいこうと思っています。
 
目の前にいるお客さんやスタッフさんを愛して、興奮して、奉仕する。
役者ってそういうことかなと最近思います。