2021年3月京都南座『三月花形歌舞伎』に出演いたします!
演目は義経千本桜『吉野山』と同じく義経千本桜より『川連法眼館』(四の切)。
Aプロで勤めさせて頂きますのは両演目ともに佐藤忠信実は源九郎狐。
Bプロでは源義経と御園座に引き続きまして歌舞伎の魅力、を伝える人!
いや、、、
本当に、、、
気合入っています!!
歌舞伎本興行で古典の舞踊劇ではない『お芝居で主演』をつとめるのは今回が人生で初めてです。
このご時世に歌舞伎をやらせて頂ける喜びに加え、この大役を勤めさせて頂ける!
武者震い?血湧き肉躍る?ふつふつと湧き上がる何かが体を駆け巡っています。
第一回研の會でやらせて頂いたのが『鏡獅子』、そして今回勤めさせていただく
『吉野山』でした。今思うとあれが歌舞伎役者としての第二ステージだったかもしれません。自分で決意し、自分のやりたい役を必死で、猿之助のお兄さんを筆頭に色々な方の助けを借りながら、勤めました。
あの時感じたもの、経験、決意したこと、あの時受け取った先輩からの想い。
鮮烈な記憶として残っています。
狐忠信は僕にとって、色々な意味でとても大きな役なのです。
見比べて欲しくはないけどDVDがあるから是非とも見比べてください笑
客観的に見たら昔の自分が可哀想になるけど、、、
あの時の自分よりもっとお客様を楽しませられる、、、はず!もっと楽しんでいただける、、はず!!
物理的な違いとしてもございます。
第一回研の會の際はルーツである清元の全曲でやらせていただきました。優しい雰囲気が色濃い色っぽい狐忠信。
今回は義太夫での演奏なります。より男性的に骨太な表現に。衣裳もより黒っぽく変わってきます。
立役の経験が少ない当時の僕ではできなかったであろう、挑戦という形になります。
そして、藤間の御宗家のご提案により、音羽屋、猿之助のお兄さんのご理解いただき、澤瀉屋型のぶっかえりで花道の引っ込みをさせていたくことになりました。
(こういったところでBプロと変化が!両方見て違いを楽しんでいただければ嬉しいです)
そして付き添わせて頂く静御前をお勤めになるのは、僕の『想い人』の壱太郎さん! ありがたや!
第一回研の會の時、菊十郎さんに「吉野山をやるなら、まずは四の切をやんなきゃダメですよ(その役の心はわからないよ)」と言われました。
当時僕は(そんなこと言われたって、僕だってやりたいけど、色々あってこの形なんだよ!)と思っていました。
やっとこの機会に恵まれました。そんなときに菊十郎さんはいない。時間がかかってしまった。
ちゃんと劇場にきてくれるかな、観てくれるかな。
その『四の切』!
昨年の1月号eclatでは四の切について書きました!(もちろん読んでますよね?)
源義経をめぐる人々の人間ドラマを描いた『義経千本桜』は歌舞伎を代表する超大作。『川連法眼館』と『吉野山』はその一部で、義経の家来・佐藤忠信に化けた狐が主人公です。
『川連法眼館』は四段目の切にあたることから通称『四の切』と呼ばれ、戦乱の世の中で人々が忘れていた"肉親の恩愛“の大切さを観客に訴える
僕も大好きなお役です。
さまざまな型がありますが、今回僕のやらせて頂くのは音羽屋型!
十代の頃、菊五郎のおじさまがお勤めになっている時、舞台袖や裏に入らせていただき、忠信から狐忠信に変わる姿を拝見していた記憶が鮮烈にございます。
菊五郎のおじさまのテンポ感、リズム感が心地良くて魅入っていました。
eclatでは『狐の哀しみや惜別の思いを役者が舞踊的な要素で見せていき、義太夫さんがそれを代弁します。演者と演奏家の息がぴったりと合い、心の交換が生まれたとき、言葉では尽くしがたい感動が生まれます』なんて書いてました。
感動させる側になる、僕が!
去年の今頃はまだ観る側の気持ちだったんです、、、
でも本当はずうっと、、、やりたかった、、、
これから音羽屋型の四の切を菊五郎のおじさまに教えていただきます。教えを守りながら若さを大切に、今の自分にしかできない狐忠信をつとめさせていただきたいと思っています!
僕も今年で29歳になります。若手ではありますが世の中で言えばもう立派な大人。やりたかったお役をやり、なりたかったポジションになって公演に参加できることを、欲しかったおもちゃが手に入った子供のような心で受け止め、大いにはしゃぎ、ある一面では多くの人を巻き込むという立場で今回の公演で歌舞伎の魅力をお客様に伝えられるかどうかが自分にかかっているという自負と責任を感じ、
しっかりと、、、
カブきたいなぁと思っております!!
皆様絶対、でもできるだけ、でも無理せずに、、、観に来て下さいませ。
もちろん色々なご都合、様々なご状況にあるかと思います。
でもこの想いをどうか受け取っていただければ、
遠くでも、今でなくても、構いません、どこかで歌舞伎を応援していただければ、、、
不躾なお願いではございますが、どうぞよろしくお願いいたします!!