皆様、お疲れ様です!


29日から今日までの3日間
高知へ行って参りました。


今回、普段からお世話になっている高知の「ごふく美馬」さんが、ご自身のお店の創業20周年の記念公演として「伝統芸能の夕べ 特別公演」を開催。


演目は
「三番叟」、「二人椀久」、「連獅子」。


「三番叟」では、尾上菊之丞先生と茂山逸平先生による日本舞踊とお狂言の気迫溢れる素敵なコラボレーションをご披露。「二人椀久」では、尾上流の振付にて市川染五郎お兄さんの「椀久」をお相手に僕が初役で「松山」を勤めさせていただき、そして「連獅子」では染五郎お兄さんと金太郎さん親子による初「連獅子」のお披露目と、内容も盛り沢山。
お客様も大入り満員。「連獅子」の幕が下りたときには拍手が鳴り止まず、スタンディングオベーションのカーテンコールになるほど、大盛況の誠に素晴らしい記念公演でした。


さて。
わたくし初役で勤めさせていただいた「二人椀久」の「松山」。
このお役は、皆様ご存知の通り先代雀右衛門のおじ様の代表的なお役のおひとつで、天王寺屋のおじ様の「椀久」と名コンビで演じられたこの「二人椀久」は、名舞台として幾度にもわたって上演された伝説的な演目です。
僕も雀右衛門のおじ様の「松山」に強く感銘を受けた人間の一人で、いつか演じさせていただきたいと思っていた憧れのお役でした。
まさかこんなに早くその夢が実現するとは思っておらず、その上初役のお相手が染五郎お兄さん。
嬉しい反面、恐れ多いような思いを抱きながらお役に取り組ませていただきました。


当日もその恐れ多いと思う心から生まれた不安のような気持ちは消えることはありませんでしたが、染五郎お兄さんが開演前のトークで仰った「天王寺屋のおじ様と京屋のおじ様のお二人による『二人椀久』のスピリッツを、現代の僕達で受け継いでいきたいと思っています」という熱いお言葉と、菊之丞先生が連獅子の幕が開く前のトークで仰って下さった「右近くんは今後伸び代のある役者。どうぞ応援してあげて下さい」という心強い温かなお言葉、このお二人のお言葉に僕の心は本当に救われ、思い切って今出来ることを精一杯勤めさせていただくことが出来ました。


勤め終えた瞬間は手の届かなかったことが多すぎた悔しさと、終わってしまった寂しさとで胸が一杯なのか空っぽなのか分からない状態に陥りました。ですが時間が経った今は、山のようにある課題と今後じっくり向き合って、出来ることならば今後何度も何度も勤めてさせていただき、スピリッツを受け継いでいかれるようになりたいという気持ちが込み上げております。


「やりたいお役『松山』という夢」が、「またやりたいお役『松山』という夢」になったことは本当に幸せな出来事であり、その夢に向かってまた走らなければと思います。


そして、今回参加させていただいた意義を感じたのが、染五郎お兄さんと金太郎さん親子の初「連獅子」。
染五郎お兄さんご自身も「今後何百回も演じていきたい演目であり、今回はその第一歩!」と仰っていたその意気込み通り、舞台も客席もかなりの熱気がこもった熱いお舞台でした。
仔獅子を勤められた金太郎さんのハートにも胸が熱くなりました。若干十一歳!人の心を動かすのに年齢は関係ないと改めて感じさせていただいた次第です。


僕自身も「宗論」を中村鷹之資氏と勤めさせていただき、この記念すべき連獅子の熱を冷まさないようにと鷹之資氏と二人で力一杯勤めました。
「研の會」にも出ていただき、ご縁の深い鷹之資氏ですが、二人がしっかり絡むのは実は今回がほとんど初めてだったので、ついにこの二人でやらせていただけるという喜びもひとしおでした。
この「連獅子」は、染五郎お兄さんと金太郎さん親子にとって大切な第一歩であったことはもちろんですが、僕ら二人にとっても大切な第一歩であったと自負しております。
またご一緒に出来る日が本当に楽しみです。


僕一人のことを申し上げるだけでもこれだけの思いが詰まっているわけですから、関わった方お一人お一人の思いがひとつになり実現したこの公演は、本当に思いの密度が高い公演だったように思います。


これからもそういった人々の思いが詰まった公演や作品に多く関われるよう、そして自分の周りにもそういう熱い思いや気持ちを持った人々が集まってきてくれるような人間を目指して、やっていきたいと思っています。


思い出の写真たち、、、


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大切な経験を、有難うございました。
楽しかった!!


皆様、最後までお読みくださり
有難うございました。


十二月に入り、今年ももう終わりますね。
何かとお忙しい日々が続くと思いますが、皆様どうぞお体にはお気をつけ下さい!


ではでは、おやすみなさい。