5年間住んだ、1Kのアパートを引払ってきました。
予定の時間より早く入って、業者さんを待っていました。
部屋の隅に座ってみると、こんなに広かったっけと感じてみたり。
壁にもたれかかってフローリングの先にある、白い壁をすーっと遠い目で見ていると、音のない、色のない、自分の家なのに自分の家じゃない、そこはなんだか不思議な空間でした。

ほんのわずかな時間でしたが、心を無にする時間が持てて良かったのではないかと思います。
そして我に返って、もう一度忘れ物がないか確認していると、扉の開閉の音、電気のスイッチのオンオフの音、いちいち音が響いて、そこに物がないんだと言うことを実感しました。
そしてそれはもう私の家ではないんだということも実感させられるわけで。
ですが、この時点ではまだ私の家です。
そして業者さんが来て、手続きをして、ここで私の家でなくなるわけです。
鍵を渡すと「あとの戸締りは私がしてきますので」とのこと。
自分の家だった空間に見ず知らずの男性が一人残り、私に向かって室内から深々と頭を下げる。
その男性に私も玄関で頭を下げて、家をあとにする。
彼にとってはなんてことないのでしょうが、私にはとっても違和感がありました。
と同時に、何か出発する感じを覚えました。
「別れは出会いの始まり」とでも言いましょうか。
いやいや、そんなたいそうなものではありません。
ひとまず、一区切り。
1つ1つこなすしかないのです。
ありがとう、我が家。