ヘルター・スケルター | Fuck and Shit

Fuck and Shit

朝起きて、顔をあらって、ご飯を食べて、仕事して、お風呂につかって、次の日のためにベッドで眠る。

そんな日常が、うれしかったり、さみしかったり、悲しかったり、退屈だったり、愛おしかったり。

先日高校の友人から、夫が結婚式で夜帰ってこないから暇、みたいな暇つぶしの電話がきて、

ヘルタースケルターの話になった。

岡崎京子の漫画、いま映画化されてますね、みなさんみました?


けっこう前に読んだから、かなり内容は忘れてたんだけど、

「こずえ役は水原希子だった」とか、「窪塚は何の役だ」みたいな話をしてほとんど忘れてた内容をやんわりと思い出し、しかしやんわり止まりで、ちゃんと思い出せなかったので気持ち悪くなって今日パンティを買う帰りにたちよった本屋で購入した。

ちなみに「パンティ」は英語らしい。
英語では「ショーツ」だと思ってたけど、調べたら一般的には「パンツ」もしくは「パンティ」となっていました。「パンティ」は、「パンツ」に「ちゃん」をつける愛称的な呼び方、とインターネットで検索して初めてしりました。どーでもいいようで、よくない知識ですよ。

久しぶりに読んだヘルタースケルター「いい漫画だった」という印象は強かったんだけど、さきほど読み直して思う。

「いや、これは良い漫画だわ……」(けっこうな余韻で)


めんどくさい言い回しになったんだけど、めんどくさく強調したくなるくらいこれは良い漫画です。

もっとずっと若いときに読んだんだけど、あたし、ほんとになんつーか、「老いることへの恐怖」みたいのは実感してなかったと思う。


多くの同年代の友人どうしで、「シワが」「シミが」「シラガが」「髪がうすく」「タルミが」などなど、多くの老化ワードが飛び交う中、

今年29歳の自分はあまりその実感がなくて、シラガも生えてなければてっぺんが薄くなってもいないし、シミも今のところ出現してないし、まぁ、いつかくるんだろうとは思ってたけど、今のとこ、大丈夫そう、なんて思っていた矢先だった。


この前化粧してるとき、初めてほうれい線というものを確認しました。



女は化粧をしているとき、まじまじと日々自分の肌を観察する。

それはもう、忙しいときもそうでないときも、疲れているときも絶好調のときも、昔からの習慣で、時間は人によって違うにせよ、日々の習慣の中でもはや意識されないくらい、注意深く意識されている。

起きて肌の調子を確認し、顔を洗って化粧水をつけるときに確認し、化粧をするときに確認し、トイレに行って鏡を見るたびに確認し、風呂の洗顔時に確認し、そして寝る前、化粧水をつけるときに確認している。

肌荒れに気づかないことなんてよっぽどのことがない限りありえないし、肌の状態について何かを見逃すことはほぼありえない。

ほうれい線が出現したその記念すべき日、その日も何気なしにシャワーあびて、下地塗って、ファンデーションを塗るときにふと気づいた。


んー?ん!? あれ!?これ?なんか… シワできてない…?


そう思ったときの驚きと恐怖は、ほんと、今まで感じたことないような衝撃。

「え!つ、ついに、このときが来たか!!」ガチでそう思ったし、3面鏡でいろんな方向から何度も確認し、光を当て、口をあーとかうーとかのばしてみたりして、消えないかを確認したけど、

うっすらと、ほんとにうっすらと残るその線は、雑誌で見たことのある「ほうれい線」
間違いなくあたしの顔に。

もうすぐ30歳になるんだからシミやシワやシラガのひとつやふたつ、出現して当たり前のことだし、この先はそんな衝撃の繰り返しなんだろうけど、とにかく、それが怖いと思った。


いくら取り繕っても努力しても、あがいても、老いるものは老いる。地球上に生きるすべての生き物が老いていく。老いると生きることは同じ意味だ。

だけど、「老いる」というのことは「価値が下がる」ことであることを、やっぱり自分のどっか、いや、心のど真ん中で認識せざるを得ない。
そんなことないって思いたい。だけどある限局した、だけどとても大事な意味で、やっぱり「老いる」ことは「価値が下がる」ことで間違いないのだ。

「若いこと」と「きれい」「美しい」というがイコールじゃないことはあたしだって大人だし、そんなこと十分に知ってるけど、

「若い」ほうが「価値あるもの」ということは、やっぱりどう考えても、とても広い意味で正論だ。2度と取り戻せない。そういう意味でも尊い。


ヘルタースケルターの中で、
「化粧品はシャブみたいなものよ 使えば使うほど強いやつが必要になってくる 強いやつが欲しくなる」

みたいなセリフがあるんだけど、ほんとうに、心からそうだと思った。

使えば使うほど、キレイになればなるほど、自分のピークを知れば知るほど、
時間はどんどん「老化」に向かって過ぎていくから、強いやつを、いいやつを、高いやつを使わなくっちゃ「維持」できない。天井知らずで底なし沼。

イプサのカウンターで勧められた化粧品は、数年前に比べると明らかに数が増えた。

一番高いメタボライザー・肌をストレスから守る美容液・5回分で1万円のシートパック・肌をつるつるぴかぴかに磨き上げる石けん・シミを根本から消す働きをもつ美白美容液・シワやたるみをなくし肌そのものをリフトアップする効果があるクリーム


どこまでいってもキリがなくて、ピークが過ぎて、何を求めてもまだ足りない。

女って、すごい流れの中で生きてるよなぁ。すごいよね、ほんと。


男の人の髪の毛が抜けていく恐怖も同じようなものか?男の気持ちはわからんけど。



年相応の体でいたいし、顔でいたいと思うけど、やっぱりシミやシワができる恐怖って、ほんと、切ないものがあるんですよ。

まぁコラーゲン注入して、一生ツルツルのぴかぴかだったら注入するけど、だけど、ずーっとずーーーっとその繰り返しのいたちごっこってことを考えたら、それも恐怖。


老いることはすばらしい、と多くのものや人が語るけど、

老いることがすばらしいと言える人たちも、若さを少しずつ、だけど唐突に失っていくときは、恐怖を感じたのか?



ということで、みなさん、美の喪失に恐怖を感じてる人は、ヘルタースケルター、おすすめです。いい漫画。

りりこのイメージは、実はえりか様じゃなくって、全盛期の神田うのちゃんなんだけど、どう思います?作者はうのちゃんをイメージして描いたんじゃないってくらい。


さて、今日も風呂で泥パックして、寝る前にリフトアップのパック、おやすみヨガでもしようかな。

キレイの秘訣について雑誌のインタビューで質問されてるけど、そんなん「自分なりの毎日の努力」以外に回答ないよね。