つらいとき(編集バージョン) | Fuck and Shit

Fuck and Shit

朝起きて、顔をあらって、ご飯を食べて、仕事して、お風呂につかって、次の日のためにベッドで眠る。

そんな日常が、うれしかったり、さみしかったり、悲しかったり、退屈だったり、愛おしかったり。

本日は性病がちゃんと消失しているかどうかを確かめるべく、婦人科のクリニックへ再検査へ出かけた。



犬みたいな彼と、楽しいデートをして、性病にかかったことが発覚したあげく、勇気を出して彼に告げたのにも関わらず、平然とスルーされたあたし。


あぁ。

思い出してもはらわたが煮えくり返りそうなくらい腹が立つ…。くそくそくそ!むきーーーー!!という心境である。


…いや、腹をたててもいいことなんて一つもないわよ、U子。よけいにドーナツを食べたくなるだけじゃないの。MAKIDAIの顔を思い浮かべて心を落ち着けよう、ってそんなことしたらよけいに心が熱くなるじゃないのっ!やだ、どうしよう、MAKIDAIに抱かれたい、って抱かれるのは性病が確実に消失してるのが分かってからにしよう…、なんてしょうもないことを考えながら、待合室のソファで、自分の番を待っていた。



あーぁ しょうもないな、あのセック○、ほんとに。こんなに何度も病院に通うことになるなんて。しょうもない。あの人も。あたしも、みんなしょうもない。あーあたし、性病にかかってからってゆーか、犬みたいな彼と最後にセックチュしてから、もう2ヶ月くらいセック○してないんだ、あーぁ こりゃ処女を卒業してから、最長記録だなー


そんなことを思いながら、ふと周りを見ると、ケータイをカチカチしながらソファに座っている女性も、診察室から出てくる女性も、受付をしている女性も、歳の頃はあたしと変わらないのに、みんなフラットシューズを履いていて、おなかが少し大きく、母子手帳を受付に出したりかばんにしまったりしている。




そうか。妊婦さんか。いいなぁ



正直な感想だった。


あまりにも正直に、そして自然に心からそう思ったので、自分でも少し驚いた。





Jpopが流れるクリニックは清潔で、おとなっぽくって、座り心地がいいソファがおいてある。


雑誌のラックには、当然のように女性自身やオレンジページのほかに、たまごクラブやら、ひよこクラブやらの雑誌がぎゅうぎゅうに詰め込まれていて、ここは妊婦がくる場所なんだ、と思った。


あたしは、いつか、こんな場所に、性病にかかって、恋人でもない男のことをなんて憎らしいのなんて考えながらもんもんとソファに座るんじゃなくて、おなかが張ることや、吐き気があることを気にしながら、自分ではない、自分の中の誰かの体調を心配しながら、少しわくわくした気持ちで、来ることがあるのだろうか。


性病が治癒していたことを、帰ってきて友人に嬉々として電話で報告することの変わりに、自分のなかの誰かの成長を、その誰かの元となった自分の夫に、嬉々として報告することがあるのだろうか。


母子手帳というものを、いつのタイミングでどこでもらい、そして何が記載しているのか知らないけれど、あたしが去年の夏、彼と頻回に会っていた証拠を確かめる気持ちで引き出しからひっぱりだしてくる手帳のように、楽しい気分で眺めるような日が、あたしにもいつかくるのだろうか。



母子手帳をだしたりしまったり、大きくなったおなかをゆっくりと撫でながら、少し反ったような姿勢で歩く妊婦を見て、この人たちは、おなかに赤ちゃんがいる。


おなかに赤ちゃんがいるということは、たぶん、だいたい、結婚しているのだろう。


結婚しているということは、たぶん、誰か、少なくとも、一人の男には愛された経験があり、愛でられたセックチュをしたはずで、そして、たぶんゼクシィなんて雑誌を読みながら、自分のドレスを決めたはずで、夢のように、誰かに、とくにあたしみたいな女性に、えいえいと自慢したくなるほど幸せな日があったの違いない。


誰かにプロポーズされ、一緒にくらす日が訪れ、ままさか、なんて妊娠検査薬で検査をし、プラスが出て、報告をし、母子手帳をもらった日が、あったのだ。



うらやましいな と正直に思った。


ねたみや、ひがみはたぶん、そこにはなくって、ただ純粋に、うらやましかった。




本当に好きなれる人と、次に出会うことなんてあるのだろうか。


本当に好きだと思える人に、もし出会えたとしても、またしてもあたしのことが好きではなくて、しかも好きになる可能性もドンと低くて、俺はお前のことが好きではないんよね、といわれたりしたらどうしよう。


誰かのことを好きになって、また、この気持ちがうまく伝わらなかったり、おまけに他のものが見えなくなってしまったり、そうなってしまったらどうしよう。




ぼけっとからっぽな時間に、そんなひどく重い考えをめぐらせていたら、「○○さん(あたしの苗字)、おはいりください」と診察室に呼ばれた。



またしてもボタンひとつで勝手に股間があけっぴろげになるマシンに座り、硬い器具をぐいぐいとつっこまれた。痛かった。くすん。


結果はまた来週!


ちくしょー いいところはいっつも、「また来週」だな!なんて思いながら帰宅。なんだかつらい一日になってしまった。




帰りにミスター・ドーナッツを買って、入院している友人のお見舞いに行った。彼女の好きなエンゼルクリームふたつ。


彼女の部屋のカーテンを開けると、男がお見舞いに来ていて、あたしを見て「どうも」とすこしだけ照れたように言った。

並んでベッドに座っている彼は、あたしの友人のことを好きらしく、彼女は「まだそんなんじゃないやい!」と言っているけど、少し話すと彼があまりにもあたしの友人を「こいつ」と自然に呼ぶものだから、うむ、そうか、と思ってドーナッツを置いて帰ってきた。



どんなに好きな人に出会おうが、けっきょく叶わないんだったら、想ってる意味なんてない。



そう思いたくないけれど、あたしの3年弱の片思いを否定することになるんだけど、けれど、やっぱり、身体を崩したときにはお見舞いに来てくれて、一緒にバカな話でふはははと笑える相手って、空気や水のように、必要なものだと思う。



今日は弱気?あたし。


弱気にもなるわよ、そりゃ。



あーぁ なんだかなぁ。



って昨日かいた同じ記事の内容だけど、セックスをセックチュに変えたら見れるみたいなので、再度アップしました。