都合のいい女 | Fuck and Shit

Fuck and Shit

朝起きて、顔をあらって、ご飯を食べて、仕事して、お風呂につかって、次の日のためにベッドで眠る。

そんな日常が、うれしかったり、さみしかったり、悲しかったり、退屈だったり、愛おしかったり。

合コンや、飲み会や、バーやカフェで偶然知り合った男女に、彼氏いるの?とよく聞かれる。


いないです と答えると、決まって、どのくらいいないの? と返ってくる。


3年くらいかな と答えると、決まって、けっこう長いね!どうして? と返ってくる。



うるせー! 

その質問には飽きあきしてんだよ!好きな人がいるんだよ!




と、心の声はぐっと抑えて、どうしてだろうね?と笑顔で答えるのにも、ほとほと疲れてきた。




2年前から、セックスがきっかけで恋に落ちた相手と、まだまだズルズル関係が続いているから と本音を言えば、そんなの幸せになれないから、やめなよ、と大抵の人々は言う。



彼とはよくあったりするの?



彼から連絡はくるの?



彼とはセックスするの?



彼にはほかの彼女はいないの?



だいたい、彼についての質問はこのあたりで、あたしはその質問に正直に答える。



タイミングを見計らったメールをしても、1ヶ月に1度ほどのペースでしか会ってもらえず、そのつどセックスをして帰るが、彼からの連絡はほとんど来ない。

たまに行った彼の冷蔵庫には、彼が絶対に頼まれても飲まないような、甘い甘いカクテルの缶が入っていることなどを。




すると、ほぼ99%の確立で、返ってくるのはこの返答。





「そんなのやめなよ!だって完全に、あんた、都合のいい女じゃん!」





都合のいい女。




けれど、それって誰にとって、都合がいいの?



ぽかん と聞き返すあたしに、それはもちろん、彼にとってだよ 口をそろえて人々は言う。


だって、あんたの気持ち知ってて、付き合うこともしないで、それでセックスだけして、責任がないじゃん。やりたいときにやりたい女なんて、超都合がいいじゃん。 というのが彼らの言い分だ。



都合のいい女 果たして彼にとって、あたしは都合がいいのだろうか。


都合がいい、というのは、惚れた腫れたの恋愛感情が皆無の肉体関係を持つ男女に当てはまる単語ではないのか。




だって、「告白」という形で、あたしの好きだ!というストレートな気持ちを伝えて、それで付き合えないって答えをもらっているのに、あたしがそれでも会いたいって言って会いにいくのなら、それはもうあたしの責任じゃないのか?


お互い、大人なのだ。


彼があたしとしたいのは、きっとセックスしかなくて、メールも、電話も、きっと不必要なのだ。





けれど、それでも、そう分かっていて好きな場合は、どうすればいいの?





それでも、会いたくて、会うのには、セックスしか方法がなくて、セックスしかすることがなければ、セックスをするではないか。




死ぬほど惚れぬいた相手に、抱かれて、それがやっぱり、女としては不幸せなのか?








だって、セックスしたって、しなくたって、ダメなものはダメなのだ。






それだったら、一度でも多く、好きな男に抱かれたほうが、女として幸せじゃないか?






そう思う。





けれど、そう思い続けには体力がいる。


最近はやっぱり息切れぎみだ。




寒い夜、肩を震わせながら、クリスマスイルミネーションに光るツリーを見たときなどに、特に。





メールが来ないのは、あたしに伝えたいことが特にないからで、


電話が来ないのは、あたしに話すことが特にないからで、


会いたいと言われないのは、あたしに会いたいと思うことが特にないからで、


しっかりと完璧に振ってもらえないのは、あたしのことを真剣に考えていないからだと思う。






あきらめたら そこで試合終了ですよ とは、あまりにも有名な漫画の名セリフだけど、



そこまで分かっていて、それでも諦められない恋ならば、心底突き通すのが根性であり、幸せを掴む一番の近道なのでは、ともんもんと思う。



満身創痍の片思い。




どうしようもないけど、彼にあえて良かった とまだ思えることは、救いかもしれないな。