大学教員の採用面接ってあまり知られてないのではないでしょうか。
 
まず、職探しですが、イギリスの大学では、jobs.ac.ukといった採用情報ウェブサイトの
アラート機能を使って自分にふさわしい仕事を定期的に見る人が多いと思います。
准教授やその上にいくと、他大学から声がかかることも多いと思います。
日本もJREC-INといったウェブがありますが、大学から声がかかることも多々あります。
 
多くのイギリス大学では、教員の採用面接は、2つのパートに分かれています。
まずは、学部の人が自由に参加できる公開プレゼンで、
2つ目は、人事委員(教員)対象の非公開面接です。
 
今回は、最初の公開プレゼンについて書きたいと思います。
イギリスの大学で赴任して約2年ですが、
これまでの間、2、3回2つの学部の教員採用学部公開プレゼンに参加しました(2つの学部で教えていたため)。
ちなみに、これらすべてオンラインでした。
 
大体1名につき、20〜25分ぐらいの時間が与えられ、
プレゼン自体は約15分ぐらいです。
1日につき、約4、5名の候補がプレゼンします。
ちなみに、日本はだいたい2名が最終候補になり、
公開プレゼンはあまりありません(私は某国立大学の採用時にそのような面接がありましたが)。
 
私がいるイギリスの学部では、すべての面接が終わったあとに、
担当の先生から参加した教員に自分が考える候補者ランキングの打診があります。
ちなみに、私の知り合いの大学では、各教員に点数がついた採点フォームが渡され、
匿名で点数を担当の教員に提出するということもあるようです。
できるかぎり、公平で透明なインタビュー、ということを目標としているようです。
 
イギリスでは、Research & TeachingとTeaching二種類のルートが有り、
Researchが含まれている場合、研究がより重要視されます。
 
今回は、公開プレゼンであまり良い評価を得なかった候補者がなぜそうだったのか、
他教員からのフィードバックをもとに、リストアップしました:
  • Overqualified:候補者が求めるランクや仕事内容以上の条件をもつ際に使われる理由の一つ(例えば、助教募集なのに、教授レベルの人が応募)
  • Researchルート対象の候補者が自分の研究を話す際、あまり理論的な議論がない
  • 上記と同じ状況で、理論を明確に説明できていない候補者(実際この人が本当にリサーチできるのか判断基準がない)
  • パワポの情報が多すぎる:これ学生に言ってるフィードバックですね(正直、このプレゼンで学生に授業してるの?って思うような教員も多々…)
  • よくあるのが、Researchルートに行く教員の中で、あまり教育に時間をかけて伝えてないケース。例えば、pedagogyといった教育法についての説明があまりない(イギリス本当にpedagoy言うのすき…別の記事でpedagogy話します)
  • 大学内部候補者もよくいるのですが(ポスドクや博士後期卒業間近など)、それにも関わらず学部のことをわかっていない(例えば、授業の流れや種類など)
  • 自分がどのように当該学部に貢献できるのか説明できていない(実際にできるかどうかではなく、何を貢献できると考えているのか、伝えるのが必要)
すべての候補者が公開プレゼンをし終わった後に、
担当教員がプレゼンを聞いた教員にランク付けを聞くのですが、
その際、自分は「日本的」だな、と思ってしまいました。
私の前に発言した人が言ってることにつられてしまう、ということ。
なかなか、「いや、私はそう思わない」といえない。そう思ってても。
 
これを「日本的」というと、文化の多様性を否定しているようですが、
実際、文化に影響される行動っていうのはあると思うんですよね。
例えば、店員にやたらと『地球の歩き方』的な説明を求める(客が聞く前に準備してほしい)、
とか。こっちでは、聞かなければ教えてくれないことが多いですからね。
海外(特に非アジア圏)に来ると、なおさら自分は日本文化に影響されてきたな、
と思うことが多いです。