今まで読んだ限り、大江さんの小説には「大柄でさほど美しくない女性」がよく登場すると思います。
森のフシギの物語のオシコメみたいな。
最初大江さんは女性が好きじゃないのかなあと思いました。同性愛者と言う感じもしないけど。
すごくきれいな人かわいい人って言う女性が出てこないんですよね。ある程度顔立ちのいい人も肌が汚いとか髪がぼうぼうとしてるとかどこかけなしている。
でも最近、この人はかえって大柄で美しくない女性が好きなのかなと思い始めました。
なんだか美しくなさを描写するのが楽しそうに思えてきました。
大柄で若くない女性。母親というかグレートマザーのイメージなのかなとふつうに思います。
不思議な事は、ものすごくたくましく、美しくない女性だからといって、モテないわけじゃないんですよね。ちゃんと旦那さんがいたり、共同体の女神様のような役割を果たしていたりして。
異性として好みなのかはわからないですけど、この方はそういうタイプの女性を描いて印象深く表現するのが好きなんだろうと思い始めています。