がんばれ保育士

がんばれ保育士

40過ぎて保育業界に入った素人園長が感じたあれこれを書いていきます。

 

乳児期の英語教育

 

 

近年、保育園における「教育」の

 

 

必要性が言われるようになっています。

 

 

 

 

2018年に改訂された保育所保育指針

 

 

でも、

 

 

 「児童福祉施設

 

 

から、幼稚園と同じ

 

 

 「教育施設

 

 

に変更されました。

 

 

 

 

中でも英語教育は保護者からの

 

 

要望も多く、保育園を選ぶ基準に

 

 

している人もいるようです。

 

 

 

英語に関しては、小学校から始まる

 

 

英語教育の影響もあり、2018年度の

 

 

調査では

 

 

 ・私営の保育所の40%以上

 

 ・私営の認定こども園の60%以上

 

 

で通常保育時間内に英語活動を

 

 

実施しているそうです。

 

 

 

また、幼いころから英語に触れることで、

 

 

 ・リスニング力が鍛えられる

 

 ・英語への抵抗感を持ちにくくなる

 

 ・異文化への理解が高まり多様性が身につく

 

 

と言われています。

 

 

 

正に良いことずくめ言える

 

 

乳幼児期の英語教育ですが、実際は

 

 

どうなのでしょう。

 

 

 

 

日本語の理解

 

 

以前、1歳児の子でブロックの色を

 

 

ほとんど英語で言える子がいました。

 

 

 

ただし、その子は「赤」「青」といった

 

 

日本語では言えず、保育士が「これは

 

 

赤だよ」などと話しかけても、

 

 

「何のことを言っているの」

 

 

といった様子で、ピンときていない

 

 

ようでした。

 

 

 

また、自分の名前は言えず、もっと

 

 

言うと、名前というものが何か

 

 

ということかもよく理解して

 

 

いない感じでした。

 

 

 

保護者の方に、家でどの様に過ごして

 

 

いるか聞くと、

 

 

・ディズニーなどの映画を英語音声

 にして見せる

 

・日本語の歌ではなく英語の

 音楽を聞かせる

 

 

など、日本語の会話よりも

 

 

なるべく英語を聞かせる時間を

 

 

多くとるようにしていたそうです。

 

 

 

 

クレーム

 

 

また、別の保護者には、英語教室を

 

 

行っていないことでクレームを

 

 

受けたこともあります。

 

 

 

そこの保育園は、系列の園で

 

 

英語教室を行っている園も

 

 

あったので、保護者としては

 

 

どの園も英語を行うと思って

 

 

いたようでした。

 

 

 

そのため、最初は

 

 

 「他の園が行っているのに

  何故この園はやらないんだ」

 

 

 「英語があると思ってこの園を

  選んだのに」

 

 

といったクレームを言ってきました。

 

 

 

最終的には、

 

 

 「今どき、園で英語をやらないのは

  おかしい

 

 

 「時代に合っていない

 

 

というクレームにまで

 

 

なっていました。

 

 

 

しなければいけない

 

 

以上は、極端な例かも

 

 

しれませんが、英語に関しては

 

 

 ・保育園には英語教室がある

 

 ・英語を始めるのは小さいうちから

 

 

と思っている保護者が

 

 

多くなっているのは事実です。

 

 

 

ただし、今までは

 

 

 ・小さいうちから英語を始めるとより良い

 

 

という考え方の保護者が

 

 

多かったのですが、最近では

 

 

 ・英語は小さいうちから始めないといけない

 

 

という考え方に変わって

 

 

きているように感じられます。

 

 

 

その要因の一つとして

 

 

考えられるのが、

 

 

 ・「保育園の教育施設化

 

 ・「小学校からの英語教育の必須化

 

 

ではないでしょうか。                  

 

 

 

小学校で英語が必須に

 

 

なれば

 

 

 「小学校に入ってほかの子より

  英語の勉強が遅れていたら

  どうしよう」

 

 

と考えるのは当然だと思います。

 

 

 

また、保育園が教育施設に

 

 

変わったと聞けば、

 

 

 「保育園も教育施設なんだから

  英語をやるのが当たり前だろう」

 

 

という意見が出るのも

 

 

当然だと思います。

 

 

 

しかし、保育園での教育は

 

 

少し意味合いが違います。

 

 

 

 

保育園の教育

 

 

保育園で行う教育と、

 

 

保護者のイメージする

 

 

教育とでは、元から

 

 

違いはありました。

 

 

 

一般的に「教育」と聞くと、

 

 

数や言葉などの

 

 「勉強」

 

や、英語や体操などの

 

 「習い事」

 

などをイメージすると思います。

 

 

 

しかし、保育でいう所の

 

 

「教育」とは

 

 

 「心身が健全に発達するよう

  言葉や生活に必要な事を

  教えていく

 

 

ということになります。

 

 

 

そのため、保育園ではいわゆる

 

 

勉強や習い事などではなく、

 

 

 「集団の中で遊びや生活を通し

  様々な事柄を吸収していくこと

 

 

を教育と捉えてています。

 

 

 

近年、保育園が「教育施設」に変更

 

 

されるなどで、独自に読み書きや

 

 

英語・体操などの勉強を行って

 

 

いる園も増えてきていますが、

 

 

基本的な考え方は変わってはいない

 

 

はずです。

 

 

 

そもそも、保育園は幼稚園のような

 

 

教育施設とは管轄省庁が違うのですから、

 

 

同じ内容にすること自体無理があるのでは

 

 

ないでしょうか。

 

 

 

厳密に「教育施設」にしたいのならば、

 

 

「認定保育園」のように違った施設を

 

 

作るべきではないでしょうか。

 

 

 

 

まとめ

 

 

子どもが小さいうちから英語を

 

 

学ばせることは様々なメリットも

 

 

あり、むしろ良いことだと思い

 

 

ます。

 

 

 

ただし、それは

 

 

 「始めた方がより良い

 

 

と言うことであって、

 

 

 「始めなければいけない

 

 

と言うことではないと思います。

 

 

 

特に、乳児期(0~2歳ころ)は

 

 

人格形成の基礎を培うような時期

 

 

になるので、特定のものにこだわる

 

 

よりも、様々な経験や気付きを

 

 

与えてあげる方が良いのかもしれません。