友人の家に遊びに行った。
玄関のところに
「空母飛龍」のプラモデルが飾られていた。
「うちの息子が中学生の時に作ったんだ」と友人は言った。

空母飛龍か。

山口多聞少将だな。
映画では阿部寛さんが好演してたな。

類稀な有能な将でありながら
海軍の年功序列の壁に阻まれて
悲劇の最後を遂げた。

沈着冷静でありながら
戦場での闘志溢れる采配。
多くの部下に慕われた。

真珠湾では、年功序列で第一航空艦隊の指揮官になっていた先輩南雲忠一中将に


様々な意見具申をおこなったが、無能で臆病な南雲は却下した。


山口が意見具申したように

真珠湾基地に、2次3次の攻撃をおこない

オアフ島の石油基地と

艦船修理ドックを破壊していれば

アメリカに深刻な打撃を与えることができた。にもかかわらず、南雲は所在が不明だった米機動部隊の影に怯え、第一次の攻撃をおこなっただけで引き上げた。


山口多聞は

ミッドウェー攻略に関しても


「準備が十分ではない」として
GF長官山本五十六に
作戦の中止か、せめて延期を
と意見具申したが、これも無視された。

ミッドウェー海戦では
米機動部隊の来襲を彼だけが事前に予測。
兵装転換を急ぐよう南雲に具申したが
南雲は聞き入れず
日本海軍は空前の大敗を喫した。

惨敗した日本艦隊の中で


山口の指揮する、第二航空戦隊は
奮戦し、米空母ヨークタウン、レキシントンに致命傷を与える。

しかし、米軍急降下爆撃機の集中攻撃を受けた山口座乗の空母飛龍と僚艦空母蒼龍は撃沈。
山口多聞は飛龍と運命をともにした。

米海軍が、将官の中では若手だったニミッツを大抜擢して司令官にしたのとは雲泥の差。



老害が有能な若手を潰す。
今もその構図は変わらない。


日本人は何十年経ってもバカのまま。