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挿入曲入り連載小説『 フリードリンクカフェ 第4話 派遣社員 』


シンポジウムが始まると、会場の空気は一変した。

メインホールへ人が吸い込まれていく。

さっきまでざわついていたロビーは、嘘のように静まり返った。

各ブースの前に立つ者たちは、手持ち無沙汰な時間を、それぞれのやり方でやり過ごしていた。

そのときだった。

「さっきの、見せてもらってもいいですか?」

声がして顔を上げると、あのコンパニオンの女性が立っていた。

製薬会社のブースを離れて、こちらに来ている。

「どんなサイトなんですか?」

少し首を傾げながら、興味深そうに画面を覗き込む。

山田はうなずいた。

「ええ、あの…こんな感じで」

さっきまで来場者にしていた説明を、もう一度なぞる。

トップページからリンクを開き、トレーナー、医師、施設…順に見せていく。

「何かスポーツ、やってるんですか?」

山田は軽く尋ねた。

「それとも、お知り合いにトレーナーとかお医者さんが?」

彼女は首を振った。

「ううん」

そして、少し笑う。

「あたし、何でも知りたがりなんです」

その言い方が、妙に素直で。

山田は、なぜか少しだけ気を許した。

「あ、そうだ」

思い出したように、名刺を取り出す。

「さっきは助かりました。これ…」

差し出すと、彼女は少し驚いた顔をしてから、「あ、ありがとうございます」と受け取った。

そして、慌てたように、自分も名刺入れを取り出す。

スチール製の、少し使い慣れていない感じのそれ。

ぎこちない手つきで、一枚を差し出した。

 〈谷川麗子〉大手製薬会社のロゴ。広報部。

「あたし、この歳で…はじめて名刺、作ってもらったんです」

少し照れたように笑う。

「この歳って…いくつなんですか?」

言った瞬間、しまった、と思う。

「あ、すみません。女性に年齢なんて…」

一瞬の間。

彼女は、ほんの少し視線を逸らしてから言った。

「…もう、大台、乗っちゃいました」

「えっ」

思わず声が出た。

「全然見えないですよ。二十代後半くらいかと……」

余計なことを言ったかもしれない、と思いながらも続ける。

「でも、一流企業じゃないですか」

すると彼女は、少しだけ表情を変えた。

周囲を気にするように、声を落とす。

「…あたし、派遣なんです」

その一言で、空気が少しだけ変わる。

さっきまでの明るさの奥に、別の現実があることが見えた。

山田は、何と返していいか分からなかった。

彼女は、すぐに表情を戻した。

「よかったら、飲んでくださいね」

そう言って、隣のブースを指差す。

「スポーツドリンク。無料ですから」

その言い方が、少しだけおどけていて。

さっきの空気を、自分で打ち消したようにも見えた。

「ありがとうございます」

山田が言うと、彼女は軽く手を振って、自分のブースへ戻っていった。

山田は、しばらくその背中を目で追っていた。

手の中には、彼女の名刺。

 〈谷川麗子〉

その名前を、もう一度確かめる。

さっきまでと同じ場所に立っているはずなのに、景色が少しだけ違って見えた。

ブースの向こう側。

色とりどりのボトルが並ぶ中で、彼女が誰かに笑顔を向けている。

その光景を見ながら、山田は思った。

< また会えないかな >


                              つづく

Essayみたいなもの163( 3丁目に夕日を見た )


かつての時代を振り返ると、戦後の高度経済成長を背景にした、あの頃の空気を思い出します。

映画 ALWAYS 三丁目の夕日 に描かれていたように、貧しくても、人と人との距離が近く、どこか同じ方向を向いて生きていた時代。

団塊の世代を中心とした中高年層は、会社への帰属意識が強く、自由な発想に乏しい…かつてはそんなふうに言われていました。

一方で、若い世代には、既存の枠を飛び越え、新しいことに挑戦する力が期待されていました。

しかし、あれから20年。

時代は大きく変わりました。

終身雇用という前提は崩れ、会社に身を委ねれば安定が約束される時代は、すでに過去のものです。

起業、副業、フリーランス。

働き方は多様になり、自由度は増しました。

けれどその自由は、「自分で選び、自分で責任を取る自由」でもあります。

かつてのように、“ついていけば何とかなる”という道は、もうありません。

そして今、厳しいのは特定の世代だけではなく、どの世代にとっても未来は不透明です。

正解のない時代。

何を目指せばいいのか、分からないまま立ち尽くす人も少なくありません。

あの頃は、豊かさという目標がありました。

量的な豊かさから、やがて質的な豊かさへ。

少なくとも、「どこへ向かうか」は、見えていたのです。

今はどうでしょう。

自由であるがゆえに、「何を目指すか」を自分で決めなければならない時代です。

組織に縛られる息苦しさから解放され、自由を感じる瞬間もあるでしょう。

しかし同時に、拠り所を失い、自分の価値が分からなくなる不安に襲われることもあります。

それでも、あの夕日の時代を知っている私の世代には、伝えられるものがあるのではないでしょうか。

正解ではなく、迷いながら、それでも前に進んできた“過程”を。

豊かではなかったけれど、確かにそこにあった温もりや、人とのつながり。

3丁目に沈む夕日を見上げながら、人はそれぞれに、明日を信じていた。

その感覚は、時代が変わっても、きっと消えてはいないはずです。

中高年の一人として今の時代を生きる私だからこそ、あの夕日の意味を、もう一度見つめ直してみたい。

そんなことを、ふと思いました。

SunoTakeshis『半島を出よ』


村上龍著『半島を出よ』上下巻を読了し、以下のような感想文を既にSNSに投稿しています。

(ここから)
2005年に3月に第1刷が発行されていますから、冒頭で出てくる派遣村を想像させる状況を、著者は見越していたことになります。

ここに登場する失業者達のテント村は2011年のものであり、東日本大震災は勿論想定外です。

それでも、リーマンショックの影響で派遣切り等がおき、いわゆる派遣村ができたのが2008の年の瀬でしたから、随分先を想定していたとはいえ著者には先見の明があります(@@;

日本経済は極度の苦境に陥り、失業者が巷に溢れかえっている状況で、突然福岡に北朝鮮の反乱軍が侵入し、あっという間に制圧してしまいます。

ブックオフの100円コーナーで買い溜めした本を上から順番に読んでるのに、ウクライナ危機のこのタイミングで読むことになるとは…シンクロニシティーを感じてしまいました。

福岡市民を人質に取られた日本政府は福岡を封鎖し、反乱軍のテロが日本の他の地域に及ぶのを防ぐことしかできません。

反乱軍は北朝鮮政府に対する反乱軍であるというのが建前で、これをもって北朝鮮が戦争を仕掛けてきたという構図にはなっていません。その辺が複雑で、国際社会も手をこまねいて観ているしかないのです。

一方で、不景気で使われなくなった倉庫に棲みつく若者たちと、彼らの面倒を見ているイシハラという中年の男が登場します。

彼らは社会に順応できないアウトローたちで、特殊な技能や趣味嗜好は持っていますが、未成年の頃に凶悪な犯罪を犯した過去のある者ばかりです。

そんな彼らが物語の終盤、北朝鮮の反乱軍に対して、とんでもないことをしでかします。

驚天動地の展開に、下巻の後半は普段はスマホを見ている電車の中でも読んでしまいました。
(ここまで)


この本と、私の感想を元に歌を創ってみました。


ということで…


歌:SunoTakeshis

企画・制作:KenChan
作詞:チャットGPT
作・編曲:SUNO


でお届けします。


オリジナル曲 再生リスト
https://www.youtube.com/playlist?list=PLns3m1Wg6WlTZd7qrDdxSBVRo6eJ79NKM

挿入曲入り連載小説『 フリードリンクカフェ 第3話 イベント・コンパニオン 』


六本木。

ガラス張りのオフィスの窓からは、出来たばかりのヒルズが見えた。まだ新しいその街は、どこか現実味がなく、模型のように整っていた。

< 同じ東京とは思えないな… >

山田は、ほんの少し前までいた現場の空気を思い出していた。埃と油の匂い。重い機材。無言の作業。

ここには、そのどれもがない。

綿引の会社は、イベントや商品の企画を手がけていた。そして、日本スポーツ振興財団のイベントにも関わっている。

財団は資金に余裕があるわけではなかった。

そこで綿引は、ある提案をした。

公認トレーナーやリハビリ専門医のポータルサイトをつくる。それを財団の公式ページとして運営し、収益につなげる。

すでにサイトは立ち上がっていた。

だが、収益はまだ思うように上がっていない。

原因は明確だった。

人手が足りない。

「泥臭い営業も必要です。でも、それだけじゃ限界がある」

綿引はそう言って、山田を見た。

「メールを使えば、もっと効率的に広げられる。そこを一緒にやってほしいんです」

山田は社員ではない。

フルコミッションの代理店。

成果がすべての立場だった。

夏の終わり。

綿引から、大阪出張の話が持ち込まれた。

財団主催のシンポジウム。会場にPRブースを出すという。

泊まりは難しい。だが日帰りなら…。

山田は、少しだけ迷ってから引き受けた。

当日。

コンベンションセンターに足を踏み入れた瞬間、空気が変わった。

広い会場。整然と並ぶブース。明るい照明と、軽快な音楽。

その中でも一際目を引いたのは、大手製薬会社のブースだった。

新しいスポーツドリンクのPR。

大きな看板。洗練されたデザイン。そして統一されたユニフォームを着た、コンパニオンたち。

「山田さん!」

顔見知りの財団職員が、笑顔で近づいてきた。

「こちらです」

案内されたのは、会場の一角に設けられた小さなブースだった。

長テーブルの上に、段ボールがひとつ。

送っておいた自分のノートパソコンと、パンフレットがそのまま入っている。

山田は箱を開けた。

資料を並べ、ノートパソコンを取り出す。

電源を入れ、ケーブルを接続する。

準備は、順調に進んでいるはずだった。

 「随分、薄いパソコンですね」

声の方へ顔を上げると、コンパニオンの女性が立っていた。

隣の製薬会社のブースの一人だ。

 「そうでしょ。今はどうかわからないけど、買ったときは世界一薄いって言われてたんですよ」

少し自慢げに言う。

誰かに見られているだけで、仕事が少し違って見える。

だが…画面は、つながらなかった。

インターネットに、接続できない。

 「…あれ?」

もう一度、確認する。

ケーブル。設定。電源。

どれも間違っていないはずだった。

 「おかしいな…」

背中に、じわりと汗が滲む。

 「配線やってた人、分かりますよ」

女性が言った。

 「呼んできましょうか?」

 「え、あ、はい…お願いします」

しばらくして、作業服の男が現れた。

手際よく確認し、数分で接続は復旧した。

何事もなかったかのように、画面にサイトが表示される。

 「助かりました……」

山田は深く頭を下げた。

女性は、少し笑って言った。

 「あとで、見せてくださいね」

そう言って、自分のブースへ戻っていった。

五人ほどいるコンパニオンの中で、彼女は少しだけ落ち着いて見えた。

それでも年は、山田より一回りは下だろう。

その笑顔が、なぜか頭に残った。

やがて、開場の時間になる。

人が、流れ込んでくる。

ざわめきが広がり、会場が一気に“仕事の場”へと変わる。

山田は、自分のブースの前に立った。

ノートパソコンの画面には、サイトのトップページ。

用意した言葉を、頭の中でなぞる。

ここからだ。

だがその視線は、無意識のうちに隣のブースへと向いていた。


                              つづく

Essayみたいなもの162( 誰かのために… )


「ひと花咲かせる」という言葉があるように、花はよく“成功”の象徴として語られます。

夏目幸明氏の著書『掟破りの成功法則』には、こんな言葉があるそうです。

「いかに器用であろうと、技術があろうと、愛情がなければ遂に花を知る人とはなれない」

私はメールマガジンを配信していますが、情報を探せば、恋愛からビジネスまで、メールマガジンからも、あらゆるノウハウが手に入る時代です。

知識を集め、技術を磨けば、お金や恋人を手に入れることもできるでしょう。

しかし、そこに“愛情”がなければ、それは本当の意味での成功とは言えない…そんなふうにも、この言葉は受け取れます。

では、その“愛情”とは何なのでしょうか。

「可愛さ余って憎さ百倍」や、極端な例では「子どものため」と言いながらの悲しい出来事もあります。

そこには、エゴと表裏一体の“愛”も存在します。

一方で、ボランティア活動のように血のつながりがなくても、困っている人を放っておけず、自分の時間を削ってでも手を差し伸べる人たちがいます。

そうした行動も、やはり愛情の一つなのでしょう。

少し極端な話をしてみます。

お金を心から愛し、その対象に徹底的に向き合い、大金を手にする人。美しさを愛し、それに価値を見出して手に入れる人。

周囲からどう見られるかは別として、その人にとっては、それもまた一つの“愛の形”なのかもしれません。

ただ、私たちは一つだけを望んで生きているわけではありません。

あれも欲しい、これも欲しい…そう願ったとして、すべてが叶うわけではないでしょう。

昔話でも、願いごとの数には限りがあります。

そして振り返ってみると、失敗の多くは「選択の誤り」ではないでしょうか。

だからこそ、夢や目標を選ぶときに、「誰かに喜ばれるかどうか」という視点を加えてみてはどうでしょう。

どんな成功であっても、そこに咲く“花”には、誰かへの想いが込められているものです。

人は、自分のためだけに、それほど長く強く頑張り続けられるものではないのかもしれません。

断捨離8( 2026.04.01 PC部屋カセット棚 1 )


コレ、ほんの一部です。

音源はネットで

いくらでも拾えるので、

既存の曲の入ったものは

捨てることにしました。

売れそうなものは

売りますけどね。

フリーBGM

おかたづけ
https://dova-s.jp/bgm/detail/7116/download

素のトリオ『 鋼の光(Steel Light)』


池井戸潤著『 下町ロケット2 』を読了し、以下のような感想文を既にSNSに投稿しています。

(ここから)
ヒットにあやかって続編が出るのは世の常。

でも、これは前作以上に面白かったと言わせてください。
バルブに関する特許を武器に大手企業との対等の契約を勝ち取っていた佃製作所に、またまたピンチが訪れます。

NASAの研究員をしていたという社長率いるライバル企業が現れたのです。

その会社に、佃製作所の中堅エンジニアが引き抜かれます。

勧善懲悪(「善を勧め、悪を懲らしめる」ことを主題とする物語の類型の一つ)のストーリー展開は著者の真骨頂ですが、序盤は自身の出世意欲だけが原動力のような人物達が登場しイライラさせられました。

恐らく、彼らは懲らしめられるのだろうなとは思いましたが…。

ロケットの部品と並行して佃製作所に医療機器の部品の開発をというオファーが飛び込んでくるのですが、今回はこちらの方がメインになってきます。

正義は勝つ!そうは問屋が卸さないのが世の常ではありますが、こういう話は後味がいいですよね(^^♪
(ここまで)


この本と、私の感想を元に歌を創ってみました。


ということで…


歌:素のトリオ

企画・制作:KenChan
作詞:チャットGPT
作・編曲:SUNO


でお届けします。


オリジナル曲 再生リスト
https://www.youtube.com/playlist?list=PLns3m1Wg6WlTZd7qrDdxSBVRo6eJ79NKM

墓参りに来る猫67( 2026.04.01 配膳前からのゴル )


配膳前から忍び寄る影はゴルでした(^^


BGM
春のキッチン
https://www.youtube.com/watch?v=jM1q8ekc9JQ


再生リスト「墓参りに来る猫」
https://www.youtube.com/playlist?list=PLns3m1Wg6WlT0FbOgm_RTs_1TmAiPf2oq

墓参りに来る●●●●( 2026.04.01 ナメゴンJr )


珍客の登場です(^^;


BGM
_42ぬめぬめななめくじ
https://booth.pm/ja/items/5918216?registration=1


再生リスト「墓参りに来る猫」
https://www.youtube.com/playlist?list=PLns3m1Wg6WlT0FbOgm_RTs_1TmAiPf2oq

Q&A 歌に関する質問をチャットGPTにしてみた156( 裏声が出せない )


今回は、次の質問に答えてもらいました。


Q.変声期が終わったと思ったら裏声が全く出なくなってしまいました。

 高い声は少しずつ出るようになってきたのですが裏声だけがどうしても出ません。

 どんな練習をしたら出るようになりますか?

※チャットGPTに私の回答の評価もしてもらっています。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
レッスンを無料体験できるとしたら…

見学はいつでも歓迎していますが、やはり実際にレッスンを受けてみるというのが一番ではないでしょうか?

そもそも、合う合わないということはよくあることです。

あのイチローですら、入団当時の球団の指導は合わなかったらしいです。

そこで、初回限定ですが、無料体験レッスン希望者を募ります。

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