私は精神と肉体のバランスが
極めて悪い幼少期を過ごしていた
その精神は哲学的思考を好み
普遍的真理を求めていた
一言で表現すれば
可愛いげのない大人子ども
常識外な思考のほうが府に落ちる
感覚的に理解する感じである
だから
違和感を感じる常識的理論には
ことごとく抗う天の邪鬼な子どもであった
この性質は看護学生時代に
無自覚かつ最大限の効力を発揮し
常に落ちこぼれ３位以内にいた
この精神に虚弱な肉体という器
このアンバランスのなかで
子どもの頃に夢でみた
閃光と調和という言霊を道しるべに
普遍的真理の探求の旅が始まった
虚弱な肉体は
命や健康、老いることや病といった
生物や人体への探究へと導いた
そして現代医療や
科学の矛盾に向き合うことになった
現代医療は病名こそ診断出来ても
細分化され過ぎて人体の本質を見失っている
人体に眠る自然治癒力を
最大限に発揮する術は持ち合わせていない
極めて苦手な数学の方程式のように
人体の自然治癒力を最大限にする方程式
これこそ私が求めてきたもの
森羅万象はシンプルな法則の上にある
落ちこぼれ看護学生が
花粉症で思考力ゼロで受けた国家試験
鉛筆を転がして運のみで合格
無我夢中で過ごす手術室看護師時代
その過程で垣間見た医療現場の矛盾
府に落ちる解を渇望し
好奇心の赴くままに
その時々で可能な探究を続けた
看護師としての経験も
患者としての激痛に耐え忍んだ日々も
あらゆる点が
今は逆ベクトルで線になっていく
なかでも皮膚専門医のもとで
乳幼児から高齢者まであらゆる年齢の人々の
１０年にわたる皮膚と人体造形の観察が
方程式の糸口になったことは大きい
人が美しく輝く
肌理細かな肌を切望するのは
自然治癒力を最大限にする
方程式の鍵だからである