義父の施設の申し込みやら介護認定やら忙しくしていたら

実母が血圧急上昇し、緊急入院💦💦今はもう落ち着いたので、ひと安心だけど


慌ただしい毎日でございます。





ミュージカル『この世界の片隅に』

@呉信用金庫ホール

(2024.7.27(土)16:00)S席2階2B列(プレガ先行)


【上演時間】3時間05分(75/休25/85)

【料金】S:13,500円、A:10,000円


【スタッフ】

原作:こうの史代「この世界の片隅に」

音楽:アンジェラ・アキ

脚本・演出:上田一豪

美術:二村周作


【キャスト】

浦野すず:★昆夏美/大原櫻子

北條周作:★海宝直人/村井良大

白木リン:★平野綾/桜井玲香

水原哲:小野塚勇人/★小林唯


浦野すみ:小向なる

黒村径子:音月桂


すず(幼少期)(子役):★桑原広佳/澤田杏菜/嶋瀬 晴

黒村晴美(子役):大村つばき/鞆 琉那/★増田梨沙


白木美貴子/川口竜也/加藤潤一

飯野めぐみ、家塚敦子、伽藍 琳、小林遼介、小林諒音、

鈴木結加里、高瀬雄史、丹宗立峰、中山 昇、般若愛実、

東 倫太朗、舩山智香子、古川隼大、麦嶋真帆




【ストーリー】

1944(昭和19)年2月、18歳のすずは呉で海軍に勤務する北條周作のもとへ嫁ぐ。

周作の両親、義姉の径子とその娘・晴美と共に暮らし、時には好きな絵を書き、ご近所さんとも仲良くなってささやかな幸せを積み重ねていく、すず。

そんな暮らしの中、すずが偶然出会った遊郭の遊女リンや、すずを訪ねてきた同級生で重巡洋艦「青葉」の水兵となった水原哲により、すずと周作は複雑な思いを抱える。

1945(昭和20)年3月。軍港である呉は激しい空襲にさらされ、すずが大切にしていたものが失われていくーーー



第二次世界大戦の戦前から戦後にかけて、市井の人々の普通の暮らしを描く物語。


ワタクシゴトですが、祖父を戦争で亡くしています。なので、私は祖父に会ったことがない。

4人の子供を抱えて苦労したであろう祖母や、好きだった学校を辞めて定時制に移り働いて家計を支えた長男である父のことを思うと

戦争を扱った映画やドラマで、「涙と感動」を押し付けられると うんざりする。

戦争に「感動」なんか無いんだよ。



『この世界の片隅に』は、アニメ映画(‘16)公開時、観に行った。(自ブログに感想を残してなくて残念←よくあること😅)

おっとりした主人公、戦時中の恐さをチラつかせつつも ほんわかした日々の生活、そしてほんのり漂う色気(←これ想定外でちょっと驚いた)。

その後、お決まりの“不幸のドン底”………となるワケだけど、、、


どんなに辛くても、日々の生活は続く。

行きつ戻りつしながら、ゆっくりと、再生していく心。


なんとなく、祖母が当時の苦労ではなく亡くなった祖父のことを愛しげに話していたことや(かなりご自慢の夫だったらしいw)

働きながら勉強を続けて一流と言われる商社に勤めた父が、その苦労話を殆ど語らず「いろんな縁に恵まれた」と話していたことを思い出し

この物語に描かれているのはそういうことなんだなと、ストンと気持ちに収まった。


もしかして、それまで否定的に観ていた“戦争モノ”も、私の見方、感じ方が間違っていたのかもしれない。

てか、どっちかっつーと、「泣ける」「感動する」と売り込む制作側と、「泣けた」「感動した」とはしゃぐ世間に対しての反発だったのかも、と。


『この世界の片隅に』は、そんなことを考えるきっかけになったアニメだった。


その後、TBSの実写ドラマ版(‘18)も観た。

現代の場面を挿入するなど変更しつつ、よく出来ていた。ヒロインの松本穂香ちゃんに、榮倉奈々ちゃん、尾野真千子ちゃん、伊藤沙莉ちゃん、土村芳ちゃんなど、朝ドラ出演者が多くて朝ドラファンとしても楽しめたが

映像で表現される戦争は、やはり恐怖だった。



で。


ここまで、前置きでした。(余談とも言う)

長いてwww



『この世界の片隅に』、初のミュージカル化。

音楽は、アンジェラ・アキさん。10年ぶりの再始動とのこと。

「ミュージカル音楽を作りたい」と渡米されたのを覚えているけど、あれからもう10年も経ったん?

音楽、良かった。耳に残る「この世界のあちこちに」(だっけ?)。

優しい曲調が多くて、物語の世界観がピッタリ。恐ろしい場面もあえて綺麗なメロディーなの、逆にしんどい。



アニメ&ドラマと違って、時系列が前後していた。

プロローグのあとに、本来は起承転結の「転」部分である負傷したすずさんの姿と語りが差し込まれていた。

その後も何度か、ほんわかした場面に、負傷したすずさんが差し込まれる。

いきなりの「転」部分でショックを受けることを思えば、やさしい展開だと思う。(少なくとも私はアニメを初めて観た時は、かなりの衝撃だったから)


ステージは八百屋で斜めに張り出していて、観やすい作り。

天井が高いので、2階席からでもステージ奥までしっかり観ることができた。

舞台セットはシンプルで、暗転の無い流れるような演出。気持ちが途切れることなく観ることができた。


キャストは好きな人ばかり。


昆夏美ちゃん、海宝直人くん。歌が上手くて、芝居が上手い。言うことなし。って言うか、この組み合わせが観たくて呉に行ったのよ。(大阪、海宝くん出ないんだもん💧)

二人が醸し出す雰囲気が優しくて、そこはかとなく漂う朴訥さ、不器用さが何とも言えずハマッてて。

昆ちゃんって、『シークレット・ガーデン』の時も思ったけど素朴なキャラがメッチャ良いね。


平野綾ちゃん演じるリンの、ほどよい“あざとさ”。

ピッタリだったな。歌も上手。無理に揺らすビブラートがちょっと苦手だけど。


小林唯くん。キャスト発表時、知らない子だったので調べたら四季でアラジンやビーストした子というので楽しみにしていた。

そしたらレミゼのアンジョにもキャスティングされたので、更に楽しみに。

“水原哲”という役はほとんど歌が無くて残念だったけど(最初のころに少し歌っただけだった?)、お芝居は上手かった。

どんなアンジョになるのかな〜、隊列の先頭が似合うといいな。(既に脳内はレミゼ)


久しぶりに観た、キムちゃん(音月桂)

ハマッてました。歌は、高音域がちょっとふらついた?けど、上手かった。


あと、すずさんの妹すみちゃん役の、小向なるちゃん、上手かったーー!

24歳。次回出演作は『next to normal』だそう。


加藤潤一くんの“鬼いちゃん”もピッタリで。



子役ちゃんは二人ともメッチャ上手だった!

お名前に見覚えがあり、自ブログ検索してみたら


桑原広佳ちゃん(11)、2019年『レ・ミゼラブル』にお姉さんの愛佳(まなか)ちゃんと共に、子役(リトルコゼット、リトルエポ)で出演していた。

けど私、子役6人のうち広佳ちゃんだけ観れてなかった💧

その後は、2021年に劇団四季『アナと雪の女王』ヤングアナ、昨年の『スクール・オブ・ロック』など実績を積んでるようなので、今後の活躍が楽しみ。


増田梨沙ちゃん(10)は、昨年の『SPY✕FAMILY』のアーニャ役4人のうちのひとり。そしてやはり観れてないのだった💧

可愛らしい声で、アニメの晴美がそのまま出てきたのかと思うぐらい違和感なかった。



クライマックスは、「泣けた」←私がキライな感想だけど

泣かそうとした制作側に「まんまと泣かされた」んじゃなくて、私の自然な気持ち。


ラスト、戦争孤児の女の子を連れて、すずさんと周作さんは呉へ。

女の子のエピソードは削られていたけど、舞台で観るにはややキツいと思うので、削って正解。

(たしか、、、原爆で亡くなった母親の右腕が欠損し、同じように右腕を負傷していたすずさんに母の姿を重ねた、、、というような展開だったかと)



思い出したように戦争が語られるこの時期、

物語の舞台である呉でこの作品を観ることができて良かった。



カーテンコール、この回が楽となるキャストのご挨拶と、アンジェラ・アキさん登場してご挨拶。

湧きました。


脚本、演出、音楽、キャスト。

すべての要素がバランスよく整っていて、とにかく丁寧に作られていると感じる。

そして、原作者や制作に携わる人たちにだけでなく、あの時代を生きたすべての人々へのリスペクトがあるのだと思う。

良き作品。



この公演回(前楽)と、翌日の大千秋楽のライブ配信があり、アーカイブ配信中。https://www.tohostage.com/konosekai/stream.html


大原櫻子ちゃん村井良大くん桜井玲香ちゃんも観たかったけど、配信視聴する時間がない💧




原作者、こうの史代さんからのお花↓


呉駅の前には、さすが!
こーんな↓大きなスクリューのモニュメント。




呉へ行ったのは初めて。港のあたりとか観光したかったのだけど、
なにせ酷暑で外に出てるだけでブッ倒れそうだったのでホールの往復のみ。

またゆっくり行きたい。気候のよい時にね。



明日はこの酷暑の中、東京行ってきます。

無事を祈ってやってください。