今日は月組『Eternal Voice』ライビュに行く予定だったけど、バテバテの為、ドタキャン。
東京楽(7/7(日))も行けそうにないので、最後のれいこ海を見届けること叶わず、残念です。
ぶっちゃけ、海ちゃんの任期の長さは予想外で(学年からして早く退団するものと)
正直なところ、海以外の娘役と組むれいこちゃんを観てみたかったな〜と思ったりしてるけど
何はともあれ、ラストデイまで無事に完走できますように。
そしてまだ4月の記録。
(やるやる言いながら出来てない星組『RRR』ライビュや花組『アルカンシェル』ライビュの日記、
『浅草歌舞伎』の配信や『カラー・パープル』『鬼滅の刃』など映画数本の記録はもう諦めた)
不思議な舞台。
花ちゃんファンの友人2人と同行し、みんな揃って不思議な気持ちになってきた。
『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』
@wwホール
(2024.4.21(日)12:00〜)B列センター(FC)
【上演時間】2時間10分(55/休20/55)
【料金】11,800円
【スタッフ】
原作:アンドリュー・カウフマン
脚本・演出:G2
【キャスト】
ステイシー:花總まり
夫:谷原章介
銀行強盗:平埜生成
ドーン・マイケルズ:入山法子
ウィリアム・フィリップス(刑事):栗原英雄
デイビッド/ジョージ他:中山祐一朗
ジェニファー/ウェンディ他:吉本菜穂子
ジェナ/グレイス他:幸田尚子
ティモシー/サム他:楢木和也(梅棒)
サンドラ/ジャスパー他:西山友貴
神/ダイアンの夫他:吉崎裕哉
ダニエル/バンの運転手他:山口将太朗
ジェナの息子/銀行員他:山崎眞結※
ナンシー/ジェニファー他:黒田勇
ダイアン/バスの乗客他:須崎汐理
※山根海音(ケガの為、休演)→山崎眞結に交代
【ストーリー】
その日その銀行には、13人の人々がいた。突如現れた風変わりな強盗(平埜生成)は天井に向けて一発の銃弾を放つと、こう言った。
「今持っている物の中で最も思い入れのある物を差し出せ」
先頭に立っていた男が100ドル札を出すと、強盗はそれを破らせ再び口を開いた。
「言葉の意味をよく考えろ。最も大切な物を差し出すんだ」
13人それぞれが思い出の品を渡すと、強盗はこう告げ、姿を消した。
「私はあなた達の魂の51%を手にした。それによりあなた達の身に奇妙な出来事が起きる。自ら魂の51%を回復しない限り、命を落とすことになるだろう」
かくして13人の被害者達に信じられないような出来事が起きる。デイビッドの年老いた母親は98人に分裂し、ドーン(入山法子)は足首に彫ったライオンのタトゥーが体から抜け出し、24時間追い回されるハメになり、ジェニファーは自宅の居間で神と遭遇し……。
自らも被害にあった刑事(栗原英雄)は被害者達を集めるが、解決の糸口は見つからず、新たな“不思議”が起き続ける。
目に見えた被害に見舞われていなかったステイシー(花總まり)だったが、ある晩、自分が少しずつ縮み始めていることに気づく。夫(谷原章介)は気のせいだと笑うが、縮んでいくペースを計算し、彼女は知る。八日後には自分が消えてしまうことを――。
それにより、すれ違いの続いていた夫婦関係が変化、やがて奇跡が訪れる――。
(公式より)
観劇前に、原作小説(アンドリュー・カウフマン著)読了。
ジャンルとしてはファンタジーだけど、ちょっと何言ってるかわからない、と言いたくなるほど不思議な物語。
読み進めるうちに段々と腑に落ち、理解が追い付く………と思っていたが、甘かった。
シュールな展開の連続で、それが登場人物の関係性や感情の暗喩なワケだけど、その明確な意味は最後までわからず💧むむ、私の理解力と感性の問題か?
ただ、そんな状態でありながら何故かスッキリするような読後感なのだった。
もしかしたら、舞台を観ればスッと入ってくるものがあるかも?………と思っていたが、甘かった(2回目)。
不思議は不思議のままだった。
どれだけ不思議か?
【・銀行強盗に渡した物 →起こったこと】
自分の劣等感や後悔を、皆も経験してきたことと認識し、許すことができたのだ、とか
心臓が爆発しそうになって「みんな逃げて!!」と叫ぶが何も起こらなかったサンドラ。
自分が思っているほど他人は気にしてないんだろうな、とか
デイビットは、母親が分裂して小さくなった。
母親は「心配しなくていいよ」と言いながら、最後には風に飛ばされていなくなってしまった。
何故だろう、涙が出た。
演出そのものも色々と不思議感が満載。G2さんってこんな舞台も作るんですね。
完全なストプレではなく、セリフ劇にコンテンポラリーダンスを採り入れ、少し歌もあり。
冒頭の銀行の場面では、ハンディカメラを使って表情のアップを背景に映し出したりもするが
全てリアルタイムではなく、強盗に物を渡すところは録画したものを流してたり(←実際は何も持っていないのに映像では物品が映っている)
セットの転換も、舞台上の役者さんが移動させてるし、クルマが走る場面も皆で押すし。←しかもけっこうなスピードなので皆さん押しながら走るw
(見てるだけで腰が痛くなりそう)
ステイシーが縮んでいく場面は、遠近感で表現したり、周りやセットが大きい物になったり。
息子ジャスパーが人形なのは可愛くもあるがなんとな〜く無機質な感じにも見えて、この夫婦の関係性を表すのに一役かってる感。
原作の世界観を忠実に再現する、という確固たる意志を感じた。
花ちゃん(花總まり)のステイシー。衣装は、けっこう濃いめなピンクの花柄ワンピース。黄色じゃないんだ今回は。
けっこうガンガン踊るダンスあり、美しい声の歌あり。ストプレだと思ってたから、何か得した気分。
そしてヒロイン自ら舞台セット転換してるし←こんな花ちゃん初めて見たよwww
妻であり、母であるステイシー。年齢的に相応の役どころと思ったけど、設定がブッ飛び過ぎだわ笑
夫との関係性が、、、仲が悪いとか冷めきっているというワケではなくて
愛情は残っているけど何か徹底的にスレ違っている感じ。カウンセリングに通うものの二人とも自分のことばかり、、、という。
何とも微妙な距離感。そこんとこの表現力、さすが花ちゃん。
谷原章介さん演じる夫は、「妻から聞いた話」を淡々と語るストーリーテラーでもある。
妻の訴えに危機感を持たず、無意識に本質から目をそらしている。そんな感じ。
背が高くてスラッとしたええ男、花ちゃんとの並びは目の保養だった。
ステイシーと夫が、彼女のサイズについて話していたのに、いつの間にか全然関係ないベッドや段差や色んな物のサイズを測りだすあたり
真剣に話し合ったり、きちんと考えたりすることから無意識に目を逸らしている夫婦なのだな、と。
その独創的な表現、スゴいよね。
刑事役の栗原英雄さん。自分で自分を責めちゃうようなクソ真面目さがダダ漏れ。
観劇直前に「虎に翼」に裁判官役で出てらして、やっぱ良きお声…とホレボレしたので、生で聞けてデレデレした。良き声無双。
銀行強盗は平埜生成くん。観劇当時、「カムカムエヴリバディ」再放送を視聴中だったこともあり(映画村の榊原さん)、一方的に親しみがw
ドラマの脇役でたまにお見かけするが、舞台で拝見するのは初めて。声が通り、滑舌も良く、激しい振付のダンスも難なくこなしていた。
銀行強盗の役と言っても不思議ちゃん全開の“変な人”なのだけど、しっかり成立。
ずーーっと覆面してて、せっかくの良いお顔立ちが見えなくてちょっと残念。
もうすぐ「虎に翼」にも出ますね。楽しみ。
入山法子ちゃん演じるドーンは、キーパーソン。
これまたワケわからん状況(=自分の足からタトゥのライオンが抜け出して追い掛け回される)(←は?…としかw)だけど。
テレビで見る以上に、細かった。そして綺麗だった。