気付けば、今月は10本も配信を観た。
(それとWOWOWで『アリージャンス』視聴)

楽天TVならダイヤモンド会員割引やらポイント使用やらでお安く観ることができるし
イープラスStreaming+もGotoイベント適用価格だったりするので
実際のチケット代と比べたら相当お安く済んでいる。

そして交通費もかからないから、
配信10本観たって、たぶん実際に観劇する場合の10分の1ぐらいでおさまってるなー

って、実際に観劇費用(交通費・宿泊費含む)として年間いくら遣ってたか計算したことないのですが。
(こわくて計算できなかった汗




『ほんものの魔法使』@宝塚バウホール
(配信日:2021.5.30(日)13:00~)



【上演時間】2時間20分(55/休25/60)
【配信】楽天TV
【視聴料】3,500円(税込)※ダイヤモンド会員20%引き

【スタッフ】
原作/ポール・ギャリコ
脚本・演出/木村 信司

【主な配役】
アダム……朝美 絢
ジェイン……野々花 ひまり

ジョゼフィン(ジェインの母)……千風 カレン
アレキサンダー教授(魔術師)……透真 かずき
ロバート(ジェインの父)……久城 あす
ベアトリーチェ(ジェインの友達)……愛 すみれ
マルヴォーリオ(魔術師)……桜路 薫
ワン・フー(魔術師)……天月 翼
ワン・メイ(ワン・フーの娘、ジェインの親友)……彩 みちる
ファーティマ(ジェインの友達)……羽織 夕夏
メフィスト(魔術師)……星加 梨杏
モプシー(アダムの犬)……縣 千
ダンテ(魔術師)……日和 春磨
ファスマー(マジェイアの門番)……麻斗 海伶
アブドゥール・ハミル(魔術師)……真友月 れあ
サティー(魔術師)……涼花 美雨
ロクサネ(ジェインの友達)……花束 ゆめ
ピーター(ジェインの兄)……壮海 はるま
ゼルボ(魔術師)……紗蘭 令愛
ラージャ・パンジャブ(魔術師)……蒼波 黎也
ニニアン(魔術師)……華世 京

【あらすじ】
魔術の都マジェイアに、アダムという青年が言葉を喋る犬モプシーと共にやって来る。
街で出会った娘ジェインをアシスタントに迎え、手品師試験の予選会に出場したアダムはパフォーマンスを披露するが、そのトリックは審査員の誰にも分からないものだった。
もしかして彼は、ほんものの魔法使いなのか…。
他の誰とも異なるアダムの存在が、マジェイア全体を揺るがす大騒動を巻き起こしていく。
「ただの」魔法を通して最後にアダムの伝えたかったこととは─
(公式より)



アメリカの作家ポール・ギャリコが1966年に発表したファンタジー傑作小説「The Man who was Magic」のミュージカル化。
(余談だけど、ポール・ギャリコさん検索してみたら
パニック映画の金字塔『ポセイドン・アドベンチャー』の原作者だった)


↓原作小説↓ 



誰もが憧れを持つ“魔法”を題材とした、ユーモラスで心温まるファンタジー。

ということで、


魔術、魔術と言うけれど、実はマジェイアの魔術師がやっているのは"手品"。
そこへ、ほんものの魔法使いであるアダムが自分自身の向上の為にやってきて、タネも仕掛けも無い魔術(魔法)をみせる(←悪気はない)。

魔術師たちはアダムの仕掛けを探ろうと躍起になるが、わからない。このままでは自分たちの立場が危ない。
己れの保身の為に、アダムを排除しようとする魔術師たち。

兄ばかりを可愛がる両親から「何も出来ない子」と言われて育ち、自分を卑下している娘ジェインは、アダムと知り合い、助手として接するうちにだんだんと自分自身を認めるようになる。

そんなジェインや周りの大人たちを通して

「本当の自分とは?」
「ありのままの自分とは?」

と私たちに問いかけてくる。


…という構図であることは、なんとなくわかったような。
でも、なんだかいろいろ腑に落ちないまま終わってしまったぞ?

グッとくるものが無いわけじゃなさそうなのに
手探りしているうちにつかみ損なって終わってしまったと言うか…
これって私の理解力不足だけが原因ではないだろう(たぶん)


キムシンに言いたい。


ムダな歌で長々と時間をとるぐらいなら(歯磨きヒゲ剃りソングやら、ハチ刺されソングやら、ピクニックのごちそうソングやら)
そんなの短縮して(てか無くてもいい)、物語をもっときちんと描いてくれ~~~
(ハチ刺されソングの 音譜ちくちくちくちく、ハチハチハチハチ音譜 あたりが キムシンらしくて別に嬉しくない)



アーサ(朝美絢)は、「ただのアダム」という魔法使い。
偉大でもない、全能でもない、「ただの」アダム。それ以外の何者でもない。本当の自分。
うん、可愛かったです。純粋で、優しくて、真っ直ぐで。癒される。
歌も無理せず伸びやかに声が出ていて、ほどよい自然なビブラートが心地よい。上手かった。

でも、なぜ今のアーサにこの役なの?って思ってしまった…
こういう役が出来るのもそろそろ最後だろうから楽しめばいいのだけど、特にフェアリータイプでも無い(しかも次期2番手の)アーサに、今更…と。
先日、宙組『夢千鳥』で1期下の和希そらくんが凄まじい芝居してるのを観てしまったから、余計に比べちゃうのかもね。


野々花ひまりちゃん、メッチャ自己否定してる16歳の女の子ジェイン。
キャラ的には良いけれども、どちらかと言うと大人っぽい顔立ちの子なので、むむむ……と。(ポスターもあんまり可愛く見えなくて残念だなと思っていた)
フィナーレのデュエダンの時のほうが断然綺麗に見えた。

あがたくん(縣千)、喋る犬モプシー。めっちゃくそ可愛かった!!!!そして歌も上手かった!
ワン!がるるる、、、って犬の鳴き声もウマかったwwwこれも「オイシイ役」って言うのかな(笑)
唯一気になったのは、モフモフの衣装←暑そうだなぁと心配だった(老婆心)

そして、華世京(かせ・きょう)くん。
「比類なきニニアン」という子供相手の手品を得意とし、大人の前では緊張して失敗してしまう、ちょっと情けない魔術師。
キャストの1番下に書いてあるからチョイ役かと思ったら、セリフも多いし、歌もソロがあって、しかも上手かった。
メッチャ抜擢じゃね?と思って検索したら、106期の首席入団だそうで。今後が楽しみ。

マジェイアの魔術師の皆さんも個性たっぷりで、嫌なキャラでも憎めない。
その他大勢で終わりそうなところ、しっかりそれぞれのキャラが立っていたのは良かった(キムシンよく頑張った)(てか原作あるからか)


作品が伝えたいことは

理解できないものを排除しようとする世の中で
人と違う自分に気付き、孤独を感じる。
でもそれを認めることから始めればいい。
ありのままの自分、本当の自分。

……そんな感じかな?(自信なし)

ファンタジーでありながら、メッセージ性の強い作品なのだと思う。
でもなんだかイマイチ、そのメッセージが伝わってこなかった気がする。もっとしっかり、グッとくるものが欲しかった。
それが残念。

ってか、私の理解力不足だったらすみません。



明日までバウホール公演、来週8日(火)からはKAATです。
まだまだ緊急事態宣言下での公演となります。

どうか無事に千秋楽を迎えられますように。

【公演期間】
宝塚バウホール:5月21日(金)〜6月1日(火)
KAAT神奈川芸術劇場:6月8日(火)〜6月16日(水)