両親をデイサービスに送り出した後、またしても映画を観てきました。
最近このパターン多い。

『望み』も観たかったので迷ったんだけど
先月、第77回ヴェネチア国際映画祭にて銀獅子賞(監督賞)を受賞したということで
公開を楽しみにしていた↓こちら↓






【上映時間】115分

【スタッフ】
監督:黒沢清
脚本:黒沢清、濱口竜介、野原位

【出演】
蒼井 優(福原聡子)
高橋 一生(福原優作)
坂東 龍汰(竹下文雄)
恒松 祐里(駒子)
みのすけ(金村)
玄理(草壁弘子)
東出 昌大(津森泰治)
笹野 高史(野崎医師)

【あらすじ】
太平洋戦争の足音が近づく1940年。
聡子(蒼井優)は貿易会社を営む福原優作(高橋一生)とともに、神戸で瀟洒な洋館で駒子(恒松祐里)と執事の金村(みのすけ)に身の回りの世話を任せ、何不自由なく暮らしていた。

ある日、優作は物資を求めて満州へ渡航するが、野崎医師(笹野高史)から依頼された薬品を入手する為に赴いた先で衝撃的な国家機密を知ってしまう。
優作は甥・竹下文雄(坂東龍汰)と共に、正義の為にその事実を世界に知らしめる準備を秘密裏に進める。

一方、何も知らない聡子は幼馴染でもある神戸憲兵分隊本部の分隊長・津森泰治(東出昌大)に呼び出される。
「優作さんが満州から連れ帰った草壁弘子(玄理)という女性が先日亡くなりました。ご存知ですか?」

穏やかで幸福な生活が崩れていく。夫が隠していることとは?
聡子はある決意を胸に、行動に出るーー
(公式をちょっと加工)


ミステリーに惹き込まれちゃって、観賞ってか、もはや凝視。(思わず目をそらしちゃう場面もあったけど)

正義を貫こうとする夫・優作の秘密を知って、協力しようとする妻・聡子の、微妙にテンション上がっていく感じ。
自分だけが夫の運命共同体という事実に陶酔すら感じられて、だけどとことん純粋で。
「愛」や「絆」って言うより「情念」だな、これは。

聡子の感情がどういうものであるか、どういう感情からこんな行動をとるのか、
自分自身に落とし込んでいくような状態で観ていたせいか、観終わって思わず「はぁ…」とため息が漏れちゃった。
息を止めてたわけじゃないんだけど、若干の疲労感で。

ちなみに、優作は別にスパイじゃないのだけど
聡子は「夫がスパイであるなら自分はスパイの妻でいい」のです。

公開直後だから【ネタバレなし】のほうがいいと思うので詳しくは書かないけど
序盤の映画撮影の場面が、ただの金持ちの道楽にしては意味ありげだなぁと思ったらやはり伏線だった。

最後の最後、明確ではないけれど、あぁそうなったのか、と。


それにしても、蒼井優ちゃん、高橋一生くん、スゴいです。
愛し合う夫婦ではあれど夫が優位であった関係が、妻の夫に対する疑惑からどんどん変化していく。
立場逆転したようにさえ見えるけど、妻にとって一番大切なのはあくまでも夫と一緒にいること。
でも、夫にとって一番大切なのは何?ってのは語られてなくて、だからこそ観客はラストまでグイグイ引っ張られていくんだよね。無意識に。

それにしても聡子のあのウザいほどの一途さ。
ドラマ『タイガー&ドラゴン』で蒼井優ちゃん演じるリサが「ウザくなきゃ恋愛じゃない」とか言ってたの思い出したわw


東出昌大くんは、優作たちと相反する立場である憲兵。
東出くんて朝ドラ『あまちゃん』で初めて見た時から「ド下手くそ」な印象で、その後の他のドラマでも「ド下手くそ」だったので、ぶっちゃけ避けたいキャストでした。
ずっと、何故あんな「ド下手くそ」が映画やドラマに重宝されるのかわからん!と思っていたのだけど
奇しくも例の不倫騒動で、何年も周囲の目を欺き続けるなんて実は演技派なのでは?と思ってしまった←
で、憲兵さん、良かったです。っつってもやっぱり棒読みに聞こえる気もするんだけど、けっこう雰囲気を作れる人なんだなぁ、と。
今後は出演作を観てもいいかなと思いました。不倫したことは許さんけどね。

キャストに名前があるのになかなか出てこなくて気付かず見逃したのかと心配になってしまったけどちゃんと出てた笹野高史さんw
もしかしたら編集の段階でカットされた場面があるのかなぁと余計な詮索。

女中の駒子の恒松祐里ちゃん、良い演技でした。


なんだかどうでもいいネタ多めで変な感想になってしまったけど、
ストーリーも面白くて、映像もこだわりありそうで(←なんとなくそう感じる)、とても見応えある映画でした。



知らなかったけど、6月にNHKのBS8Kでドラマ版が放送されたんですね。(知ってても8K観れないけど)
そのうち地上波でも放送してくれるかな?
再放送情報を要チェックです。

映画では自分なりに脳内補完したことも、小説を読んだらいろいろわかるかも。
「首都感染」(高嶋哲夫著)を読み終わったら読んでみようかな←先は長いけど。