東京遠征日記、第1弾。


『ゴースト』@シアタークリエ
(2018. 8. 9(木) 14:00~) 10列目

1週間ほど前に突然 遠征決定し、譲渡サイトでチケット物色したら定価以下で出品されていたのでGET。
実は『ゴースト』観ないつもりで大阪公演もスルー予定だったのだけど、定価以下、しかもなかなかの良席で、とてもラッキーだった。

そうそう、舞台セットが3階構造になっていて、少々見上げる感じ。10列目だから あまり無理せず観れたけど、前方席は首が疲れるだろうなぁ~。
そういうとこも含めて、ホント、ラッキーでした。


【スタッフ】
脚本・歌詞:ブルース・ジョエル・ルービン
音楽・歌詞:デイヴ・スチュワート
                        &グレン・バラード
演出:ダレン・ヤップ
翻訳・演出補:寺﨑秀臣(東宝)
訳詞:高橋知伽江
装置・衣裳:ジェームズ・ブラウン

【キャスト】
サム                               浦井健治

モリー(Wキャスト)    咲妃みゆ / ★秋元才加

カール                            平間壮一

オダ・メイ                    森公美子

松原凜子   松田 岳   栗山絵美    ひのあらた

大津裕哉    岡本悠紀    小川善太郎    木南清香
コリ伽路    島田 彩    丹宗立峰    千葉直生
土倉有貴    西川大貴    湊 陽奈      (五十音順)

【ストーリー】省略。


1990年に公開された大ヒット映画『ゴースト ~ニューヨークの幻~』。私もハマりました。
今は恋愛映画など全然興味ないけれど、独身で恋愛現役だった80年代後半~90年代前半は やはり恋愛モノ好きだったんだよねー。可愛かったワタシ…(遠い目) (あと極道モノが好きだった←極妻シリーズとか "ネオヤクザ" とか流行ってた)
主題歌の「アンチェインド・メロディ」も、たまたまオールディーズのライブハウスに通ってた頃だったのでツボでした。

陳腐なラブストーリーが多い中、『ゴースト』はファンタジー、サスペンス、ちょっとホラー?、コミカルなところなど いろいろな要素があって、ラストは悲しいのに清々しいような温かいような不思議な気持ちになり、他のラブストーリーとは別格だった。
"愛する人を失うこと" "愛する人を遺して死ぬこと"に感情移入するので、恋愛現役のヒトじゃなくても、今、自分が大切に思う人がいれば何か胸に残る映画なのではないかな、と思ってる。
映画を観たことない方は、ぜひ一度 ご覧ください。(当時のチープな特撮も温かみが感じられて良いよ)

で。

そんなに映画好きなのに今回のミュージカルにそそられなかったのは、単刀直入に言うと キャストが猛烈に観たい感じではなかったから。
皆ハマりそうとは思ったけど、なんか、意外性が無かったって言うか。オダ・メイ、やっぱり森クミさんなのか…みたいな。←濱田めぐみさんとかだったら「うわぁ!」てなるのに。(しかし めぐさん豊洲なう)

でも実際 観に行ったら、やっぱキャストがハマってるってのは最強だな、と思った。


浦井くんのサム。映画版のサム (今は亡きパトリック・スウェイジ、『ダーティ・ダンシング』も好きだった(涙))が わりと男らしくアグレッシブなタイプだったので
浦井くんの ちょっとふわふわした感じに最初のうちこそ違和感あったけど、ゴーストとなってからモリーを包み込むような ふんわり感が良いな、と。特に、ろくろ回すモリーをバックハグする場面。
エジプトの王でもなく新世界の神でもなく、恋人を思う男性というナチュラルさが スッと入ってきて、こういう等身大の役、良いです。 (っつっても幽霊だけど)
街で人々と交差するような場面、なんだか『デスノート』思い出したw
歌は、喉で調整する感じがやっぱり好みではないけど、そこに込められた気持ちと言うか、その表現力にヤラレる。
お顔が ちょっとまぁるく見えたけど、ま、いっか。


モリー役はWキャストで、この回は秋元才加ちゃん。
才加ちゃん観るのは『ロックオペラ モーツァルト』以来かなぁ?
これまた等身大の女性がハマッてた。コスプレより良いね。恋人を失って、喪失感や戸惑いはあれどナヨナヨしない真っ直ぐさ。崩れ落ちてしまわないように踏ん張っているような一生懸命さがあった。
歌も、少々音程がブレることはあったけど上手いと思う。地声とファルセットの切り替えがスムーズで、声がまっすぐ出ていて気持ちいい。

Wキャストの ゆうみちゃんは観る予定はないのだけど、宝塚現役の頃から 歌も演技もそこそこ上手い子だったので、今回もきっとイケてると想像する。
ただ個人的な好みで言うと、スカステのトークなどで やたら息を漏らしながら 殊更おっとり喋ってクネクネしていたのが胡散臭くて、いわゆる嫌いなタイプ。おっと余談ですね。
(スカステ、素に近いジェンヌさんが見れて楽しいけど、時々「コイツ無理」と思う場面に出くわすことがあるのよねー)

映画でモリーやってたデミ・ムーア。あのうるんだ黒い瞳とショートカットの黒髪が とてもキュートで、あやうく私もショートにしそうになった記憶 ←美容師さんに絶対後悔するって言われたwww


オダ・メイの森クミさん。とにかく歌が圧巻だった。すんごい声量だなぁ。ゴスペルやR&Bでもイケる、日本人離れした貴重な歌声。
キャラも ハマり過ぎてて ツッコミどころがない。
ま、ちょっと余分な笑いが多過ぎた気はするけれど、もうこれは森クミさんだから仕方ないんだろうな(笑)

映画のオダ・メイはウーピー・ゴールドバーグ。最初観た時はキャラ強烈過ぎてビビったw
そう言えば『シスター・アクト』もウーピー・ゴールドバーグで、日本では森クミさんだったな。ご縁?


カールの平間壮一くん。あんまりちゃんと観たことなかったけど (ベスとロミジュリぐらい?)お芝居も歌も けっこう上手いのね。
サムとモリーの親友、からの~悪役への変貌っぷり、メリハリありました。小賢しい感じがハマッてた。
服を脱いだ場面の細マッチョな筋肉が見事だったけど、いかんせん等身バランス悪いのが残念。

カール、映画では割れた窓ガラスが落ちてきて刺さるという けっこう残酷な死に方だったけど、さすがに舞台では転落死 (見えないところで)に変えてありました。


映画では無かった(と思う) ひのあらたさん演じるゴーストの役どころがよくわからなかったんだけど、サム(と観客)に状況説明する為の役なのかな?
ダブルのスーツにソフト帽というダンディなゴースト、ひのあらたさんにピッタリで、病院で妻が来るのを待ってる、って それだけで泣けちゃったんですけど。


地下鉄のゴーストが、たしか映画では浮浪者風だったのが、舞台ではパンク野郎になっていてえらいエコー効いたタップを踏むのは、なんなんだ(笑)


ストーリー、細かい違いはあれど、かなり映画に忠実に作ってあったと思う。
ワタシ的には、サムとモリーがイチャイチャと指を絡ませながら ろくろ を回すシーンが無くなっていたのと (なんだかやけにセクシーなんです、これが)
1セント硬貨の場面が無くなっていたのは ちょっと残念だったけど (映画冒頭で1セント硬貨を「お守り」と言っていて、その後ゴーストとなったサムがモリーの目の前で硬貨を持ち上げ「お守り」と伝える)
まぁ舞台上で ムダにイチャイチャするとか1セント硬貨をちまちま動かすとか、不要か。

あと、主題歌の「アンチェインド・メロディ」。
主役が歌うのもいいけど、 やはりBGMとしての効果が秀逸だったと思う。
ミュージカルだから歌わないわけにはいかないのだろうけど、劇中1回でいいから (できれば二人が触れ合っている場面で)「アンチェインド・メロディ」をフルに流してほしかった。あの盛り上がりがたまらんのよ。

映画のシーンを採り込んだ和訳付きの動画があったので貼っとく。

悪人が死んで 闇から地獄の使者が現れて連れ去る場面、どんなふうになってるのかな~と思っていたら、ホントに黒い人影が布を巻き付けて引っ張り込んでて、ちゃんと怖い感じが出ていたのがスゴいな。
映画で初めて あの場面を観た時、ファンタスティックなラブストーリーだと思って油断しきってたから突然のホラーチックな展開にビビりまくった。懐かしい…

あっ。"人影" で思い出したけど、セットの転換するのにフツーに人が出てきて動かしていたけど、あれはどういう意図なんだろう?


ゆる~いノリで観たけど、ナンダカンダ言いつつも
映画を観終わった時と同じく、じわっときて、切ないのに何故か清々しいような不思議な気持ち、そのままで。
好きな人を大切にしたいと思える、優しい作品だったなぁと思います。


そう言えば、余談。

『ゴースト』ミュージカルはこれが日本初演だけど
初の舞台化は↓コレ↓です。
当時のパンフレット探そうと思ったけど かなりの大捜索になりそうだったので、画像お借りした。
ポスター写真、絶対こっちの方が雰囲気あるよねー(登場人物 並べるだけとかセンス無い…)

今ではすっかりオバチャンなタモさん(愛華みれ)も、透明感ある素敵なモリーでした。
(タモさん現在『宝塚BOYS』出演中。東京公演のみのteam SEAに行きたかったけどチケット無くて(涙) DVDでガマンする…)