(2018. 7.15(日) 12:30~) S席 2階4列
プレイガイド先行でGET。
舞台全体が見えて 登場人物の動きもセットの動きもよくわかるし、やはり俯瞰しているのは 良いなぁ~と思えた席でした。
【スタッフ】
脚本/歌詞: ミヒャエル・クンツェ
音楽/編曲: シルヴェスター・リーヴァイ
演出/訳詞: 小池修一郎
音楽監督: 甲斐正人
美術: 松井るみ
衣裳: 有村 淳
【キャスト】
山崎育三郎/★古川雄大
コンスタンツェ (モーツァルトの妻)
平野 綾/生田絵梨花/★木下晴香
ナンネール (モーツァルトの姉) 和音美桜
ヴァルトシュテッテン男爵夫人
涼風真世/★香寿たつき
コロレド大司教 山口祐一郎
レオポルト (モーツァルトの父) 市村正親
セシリア・ウェーバー 阿知波悟美
アルコ伯爵 武岡淳一
エマヌエル・シカネーダー 遠山裕介
アントン・メスマー 戸井勝海
アマデ ★大河原爽介/加藤憲史郎/小河原美空
朝隈濯朗 安部誠司 奥山 寛 後藤晋彦 後藤光葵
高橋卓士 高原紳輔 武内 耕 田中秀哉 福永悠二
港 幸樹 山名孝幸
秋園美緒 池谷祐子 石田佳名子 可知寛子 樺島麻美
河合篤子 福田えり 松田未莉亜 柳本奈都子 山田裕美子
約1ヶ月ぶりの『モーツァルト!』。
この回は「僕こそ音楽」の歌い出し(♪詩は書けない、感じたまま喋る~)で、マイク入らず。
居酒屋の場面でもアンサンブルの女性の歌い出しでマイク入らず。
タイミングからして うっかりマイク入れ忘れたっぽいのですが、係のヒト、何やってるんでしょうか。
今回は、新キャストの古川雄大くん、木下晴香ちゃんが初見。男爵夫人の タータン(香寿たつき)が 今期初となります。
まずは古川雄大ヴォルフガング。
出て来た瞬間、きゃー!足ながーーーい!顔ちっちゃーーい!カッコいーーい!と叫ぶ (心の中で)。
キャラは、ルドルフっぽいのを想像していたら、かなり子供っぽいと言うか本当に靴ヒモ結べなさそうだったw けど、エキセントリックな一面もあり、良く出来ていたなぁー。
そしてなんとなく、アマデと乖離していると言うか、なんだか距離があるようなヴォルフだった。具体的にどこがどうと言えるわけではないんだけど、育くんのヴォルフだとアマデはヴォルフ自身の一部だと思えるので、全然違うなぁ、と。
ただ そんなヴォルフがレクイエムを作曲する時、立ち上がってピアノの上で楽譜を書きなぐっている姿が、一幕ラストのアマデの姿を彷彿とさせる。(育くんは座ったまま作曲してたと思う)
そこから更に、腕に羽ペンを刺す流れが 一幕ラストとリンクして、ついに最後、羽ペンを心臓に突き刺して息絶える瞬間、乖離していたヴォルフとアマデが やっとひとつになった……
そんなふうに感じて、鳥肌がたった。
歌は、意外にも(失礼) しっかり歌えていて、ビブラートも自然だし、何より丁寧に歌っているようだった。
ただ、予想はしていたけど やはり高音域は苦手そうで、顔をしかめて腕を突っ張って めっちゃリキむし、音を伸ばさずブツ切り。
「影を逃れて」♪自分の、 影から、自由に、なりたい~♪の赤文字部分はリキみとブツ切りの最たるもので、私まで人知れずリキんだがなw
素に戻ってしまうほどのリキみ方、どうにかしないと せっかくの演技がもったいない。
「まともな家庭」では、歌い出し(♪一家団欒~) のタイミング図ってたのか 右手が軽くカウントとっていたようで、気になった。
全体的に、ブレスの入れ方も こちらが予測しているのとは違っていたりするので、何かと新鮮だったなぁ。
ま、そんな諸々も 許容範囲内で、トータルで とても好きなヴォルフガングでした。チケット増やそうかな、と思ったぐらい。
それにしても雄大くん、2010年の『ファントム』で "イケメン枠(シャンドン伯爵)は この程度 歌えてればOK " とハードル下げてヨシとしたことを考えると、ものすごい上達してる。
Wキャストだった海宝直人くんも ここ数年 破竹の勢いでご活躍だし、『ファントム』キャスティングしたヒト、けっこう先見の明。
木下晴香ちゃんのコンスタンツェ。
素晴らしい~~!あんな若い子がコンスタンツェを?と少々心配していたのに、"よく頑張ってる"レベルじゃなくて、しっかり出来上がってました。ホントに19才?
歌が上手いのはわかっていたけど、上手いから無理なく感情を乗せることができるのね。
本当に これからの活躍が楽しみな子です。こんな子を見つけ出してくれた事務所の社長さんと小池センセイに感謝。
いつかエリザベートを演じる日がくるでしょう、と予言してみる。
雄大ヴォルフと晴香ちゃんコンスの並びは、二人ともスラッとして小顔で、ホントお似合いだった。
ただ、なんだろう? またしても二人の間に距離を感じるような……これもアマデと同じく具体的にどこがどうと言えるわけではありません。
「愛していれば 分かり合える」も、分かり合えればいいな、もしくは分かり合えてると思っているだけで、実際わかり合っているわけじゃないのかな、という感じ。
わかり合ってないんだから、うまくいくはずないよな~と妙に腑に落ちる二人だった。二人のクールなビジュアルのせいかも?
そう言えば、プラター公園でヴォルフが胴切りの箱に入る時、コンスが「勝手に入らないで!」と言ったのだけど、いつも言ってたっけ?
初めて聞いたような気がして、やけに耳に残ってる。
ヴァルトシュテッテン男爵夫人、タータン。
癖のない、柔らかく包み込むような歌声が好き。「星から降る金」はホント耳福。
穏やかで優しくて、凛としていて包容力がある。男爵夫人は ぶっちゃけタータンの方が好き。ただ、コロレド大司教と対等の存在としては、涼風さんの方がバランス良い気がする。
「ここはウィーン」の振り付けが変わったので、そんちゃん(秋園美緒)と並ぶ姿が見れない…?と思っていたら、最後のあたりで並んでいた←どうでもいいのだけど、無性に嬉しい。
この度の新演出、以前にも増してコロレド大司教がカッコよく見えるわぁ~と思っていたけれど、とにかく常に高い位置から 威風堂々と命令を下しているのね。(マントばっさー!がステキ過ぎる)
高い位置にいること、それは人々の頂点であり、高貴な身分であり神聖な場所であり傲慢な姿であり…
そんなコロレドが、ヴォルフと「破滅への道」を歌う時だけ、下に降りてくるんだよね (「謎解きゲーム」とかは別として)。
自分は理解者である、という歩み寄りにも見える。
ヴォルフと同じ高さで目線を合わせていることは、それが対立であったとしても すごく意味がある、と思ったりする。
ラストの「影を逃れて(リプライズ)」、育くんはコーラスにフェイクを被せるけど、雄大くんは歌ってた。歌い終わりはファルセットではなく、そのまま伸ばす感じ。
うんうん。あそこでヘタなことしたら全て台無しになっちゃうので、安全策が正解だと思います。
カテコ、今更だけど
シカネーダー(遠山裕介くん)、ドクトルメスマー(戸井勝海さん)、アルコ伯爵(武岡淳一さん)が3人並んで出て来て、お辞儀する順番が シカネーダー→アルコ伯爵→メスマーなのね。
出番はアルコ伯爵やシカネーダーの方が多いけど、メスマーの方が扱いは上、ということなのかな? 戸井さんがモッタイナイと思っていたので、なんか嬉しい。
カテコ後、カーテンの端っこから出て来た古川雄大くんと大河原爽介くん。
しゃがんだ雄大くんのマイクで爽介くんがご挨拶。
「ありがとうございました。おおきに!」←癒された(笑)
この日は朝からすごく眠くて、2階席だし寝るかも~なんて思いながら行ったんだけど、新鮮な雄大ヴォルフと晴香ちゃんコンスにハッとさせられることも多く、眠かったのがウソみたいに集中して観れました。
やはり『モーツァルト!』は面白い。
新演出も好きだ。