宙組エリザから16年……
待ちに待ってた花ちゃんシシィ復活。
しかも帝国劇場で。

こんな日がくるなんてな~…くぅぅ(感涙)
数年前のワタシに教えてやりたい!

(ガラコンでは観ましたけど……)
2012年11月 宝塚OGエリザガラコン
ついでに、キャスト発表時の印象。
キャスト発表時の日記



『エリザベート』@帝国劇場
(2015.6.13(土) 13:00~)
1階U列上手 (FCにて)


FC申し込みで 初めてのA席でした。
競争率高かったんだろうなぁ。確保して頂いただけでもありがたい。

かなり後方席だけど、初見は全体が観やすい方が好きなので その点は良かった。
それに帝劇はステージ高くて前方席だと首が痛くなったりして集中力を欠くしね。

しかも今回はその高いステージ上に、更に160~170㎝はありそうな箱形の台 (棺のモチーフ) があり
キャストがその上で演じる場面も多かったので、もし前方席だったら首の疲れ方ハンパなさそう。


【キャスト】

エリザベート・・★花總まり/蘭乃はな

トート・・・・・城田優/★井上芳雄

フランツ・・・・★田代万里生/佐藤隆紀

ルドルフ・・・・★古川雄大/京本大我

ゾフィー・・・・★香寿たつき/剣幸

ルキーニ・・・・★山崎育三郎/尾上松也

ルドヴィカ/
マダム・ヴォルフ・・・未来優希
マックス公爵・・・・・大谷美智浩
エルマー・・・・・・・角川裕明
シュテファン・・・・・広瀬友祐
リヒテンシュタイン・・秋園美緒

少年ルドルフ・・★池田優斗/大内 天(ソラト)/松井月杜

〈アンサンブル〉
シュヴァルツェンベルク侯爵 他・・朝隈濯朗
ラウシャー大司教 他・・安部誠司
グリュンネ伯爵 他・・・石川剛
マデレーネ 他・・・・・・可知寛子
ヘレネ 他・・・・・・・・原宏美
ヴィンディッシュ 他・・・真瀬はるか
スターレイ伯爵夫人 他・・山田裕美子

裁判官〈声〉・・・・・・菅生隆之

奥山寛、上垣内平、川口大地、後藤晋彦、白山博基、
高橋卓士、田中秀哉、福永悠二、横沢健司

石原絵理、折井理子、七瀬りりこ、福田えり、
真記子、松田未莉亜、百千糸、安岡千夏

〈トートダンサー〉
乾直樹、五十嵐耕司、岡崎大樹、小南竜平、
鈴木明倫、田極翼、楢木和也、宮原由紀夫



新演出、新キャスト(一部続投)での 新生エリザベート。

若干ツッコミどころや 場面によって好みはあるけど、
歌・演技・ビジュアルにストレス無く、そもそも好きなヒトばっかり出てるー!って状態なので、ワタシ的には ほぼパーフェクト。
当日の日記でもupしたけど、ワタシ史上最高の『エリザベート』だった。



まずはとにかく、花ちゃん。


予想を遥かに超えた、素晴らしいエリザベート。

気高く冷ややかで人を寄せ付けない孤高の皇后というイメージだった宝塚版と違って
高貴で エゴイスティックで 人との関わりを嫌い自ら孤独を選んだ、人間くささのある皇后だった。

「私が踊る時」の自信に満ちあふれた高慢な表情 (でも ドヤ顔ではない)や
「安らぎのない年月」での、「サッサと歩きなさい」と言わんばかりの高飛車な仕草……
いろんな場面で高慢な表情が見え隠れしていて、その役作りの細やかさに圧倒されました。

もちろん義務や価値観の違いからくる理不尽な押し付けに耐えられなかった、切実な想いも伝わってくる。(←ヨメという立場なら大なり小なり共感できる部分でもあり…)
それでも、どこまでも気品と高貴さは失わない素晴らしい皇后陛下でした。

そして、歌。 メッチャ良かった。

ベスやナンネールとは全く違う歌唱で、かなり高い音域も地声でクリア。しかも キンキン響かず まろやかで、娘役時代のハイソプラノを思い出す。
ファルセットとの切り替えも滑らかだったし、声量も「こんなに凄かったっけ?」と驚くほど豊か。
そして心地よい自然なビブラートで、全くのストレス・フリーだった。

ファンになってから10年以上になるけど、花ちゃんの ここまでの歌を聴いたことない。(ぶっちゃけ花ちゃんは歌が弱いと思ってたし。)
歌ヤバイ!とビビった『モンテ・クリスト伯』(@制作発表会)のメルセデスから、たった1年半ぐらい?
『徹子の部屋』で言っていた、血のにじむような努力……その成果なのね。
ただ、喉を痛めないように気をつけてほしい。それだけが心配。

それにしても、花ちゃんは どこまで高みに昇っていくのだろう。

近くの席にいらしたご年配の男性は、花ちゃんのことはご存知ないご様子でしたが (連れの女性に「宝塚でやってたの?」とか尋ねていらしたので)
観終わった時に「良かった~~エリザベートは花總さんの為にある役だな!」と。
ワタシ、心の中で ヘッドバンギング並みに頷きました。


井上芳雄トート。
絶対 似合わないと思ってたんだけど……
これがまた意外にも全然OKで、ガッツリ獲物を狙ってる感じの とても自信にあふれたトート。
そして彼もまたエゴイスティックで、花ちゃんシシィと通じるものがあり、二人の関係性が なんとなく腑に落ちる。

あまり“帝王”感は無いのだけど、妖艶さや不思議感を醸し出すよりは 芳雄くんに合ったキャラだなぁ。
やっぱ芳雄くんて、芝居ウマいんだ。センスがいいんだな。

それにスタイルが良いので、娘役でも身長高めだった花ちゃんシシィとの並びも とても麗しかった。

それに歌も、やっぱウマい。個人的に苦手な高い音域の声も ほとんど気にならず。とても良かった。
これならまだ見れるわー。てか見たいわ。


山崎育三郎ルキーニ。
『クンツェ&リーヴァイコンサート』の「ミルク」を聴いてから、ルキーニ イケるんじゃね?なんて思ったけど、まさか本当に実現するとは。と未だに思う。

で、育くんもホント良かったーーー!
特に歌、フェイクが上手いのでルキーニみたいなキャラが合う。
(高嶋兄なんて 常にフェイクだったもんなw)

印象に残ったのは、「皇帝の義務」で息子の死刑はヤメテと母親が懇願する場面……育ルキーニ、一緒になって懇願してる?
最初は 母親の真似してるだけかと思ったけど、皇帝の「却下!」の声に、おぉ!と両手を上げたあと帽子を床に投げつけて落胆して
一瞬、とてもツラそうな顔で その母親を見たのです (←私の見間違いでなければ)。
この時のルキーニ、どう捉えたらいいのか?

他の場面でも、時々とても憂いある表情をみせる育ルキーニ。
それが何だかハッキリわからないけど、とても切ない気持ちにさせられる。

小池センセイ曰く「裏主役」であるルキーニ。
何がどう違うか説明はできないのだけど、今までよりそのウエイトが高くなっているような……
ウィーン版クレジットでは エリザベートの次はトートではなくルキーニだから、それに近付いたのかもしれない。


余談だけど、私はずっと育くんのルドルフが観たかった。(with 花ちゃんシシィ)
何故キャスティングされないのだろう?と不思議なほどだったんだけど
パンフレットの小池センセイの話によると、しろたんと育くんと松也くんは若い頃ルドルフのオーディションを受けたのだとか。

え?落としたの、小池センセイ……( ̄□ ̄;)

ただ、今回のルキーニ見て思ったけど、育くんはルドルフのタイプじゃないんだなぁ~…と。
いや、ルドルフ演じれば絶対 問題なくこなせると思うけど、根本的にハジケる方向が違うと言うか。
小池センセイ、スゲェ。と思いました。


田代万里生フランツ・ヨーゼフ。
若き皇帝ならまだしも 年をとってからの皇帝はちょっと無理っぽい、とか思ってたのに全然OK。
品が良くて穏やかで、若き日のマザコン皇帝もハマッてたけど (ルドルフに見えたけどw)、年をとってからの演技も とても良かった。
芳雄くんにしても万里生くんにしても、良い意味で激しく裏切ってくれるわ。

歌は もちろん良かった。
昔はムショ~に気になった舌足らずも、ほとんど気にならず。
私の中のマリオ株が上がったから好意的に捉えてるのかもしれないけど。


古川雄大ルドルフ。
あぁ続投してくれて良かった!と思いながら観てました。
雄大くんの、セリフのひとつひとつ、仕草のひとつひとつ、表情のひとつひとつが本当に素晴らしくて。
例えば、「父上!」ではなく「父上……ッ!」な感じ ←伝わるかしら?

「マイヤーリンク」の死の場面では 2012年版と同じく目を開けていて、滅びゆくハプスブルクを最後まで見届けてやる、と言わんばかり。
どこまで繊細に演じるのだろう。

歌は、やはり くぐもった声質でモッタイナイのだけど (たぶんこれは どうしようもない)、それを補って余りある演技だと思いました。プラス、ダンスの美しさ。
そしてそのビジュアル……最強!


香寿たつきゾフィー皇太后。
強く、厳しく。冷静に、冷酷に。全くそのとおり、そう信じて生きてきたことがしっかり伝わる皇太后だった。
息子に責められた時の、少し驚きが混ざったような哀しい表情に 涙が噴出。
息子を愛しつつも、心を鬼にするしかなかった。どれほど国家のことを憂いていたのか。
タータンで聴きたいと思ってた「ベラリア」は、期待どおり素晴らしかった。


少年ルドルフは池田優斗くん。
小学校四年生で これが初舞台作品だそうですが、とても歌ウマさんでした。
そしてイケメンの兆し(笑)


ええと。

シングルキャストのこととか演出のこととか、まだまだ色々書きたいことはあるんだけど
そのへんは後日にするとして、ひとまず 初日Wキャストの感想のみupします。


あ、でも演出で強烈だったことをひとつ。


トートの「死の接吻」……ルドルフもエリザベートも自分からトートにキスをする。
トートが命を奪ったのではなく、自ら死を選んだということが顕著になっているのね。

しかしルドルフなんて トートの頭をガシッとつかんで ブチュ!ですよ!
いいんですかい?!トート閣下!!(誰)

これはもう、しろたん と雄大くんの組み合わせで萌え死にするわ……(腐)

ま、それはそれとしてw

ホントにホントに ストレスの無い素晴らしい舞台で、「悪夢」あたりでは もうすぐ終わっちゃう~と、どうしようもない焦燥感に駆られました。

そして、カテコで 最後に登場した花ちゃんの姿にまたまた感涙。
(観劇中、感極まって何度も泣いたw)


新生エリザベート、本当におめでとう。


そう言えば、カテコのご挨拶を育くんが仕切ってたことにビックリ。なんだか成長したなー。
芳雄くん、花ちゃん、そして小池センセイ、リーヴァイ氏のご挨拶がありました。
公式movie



2日目の感想も忘れないうちに書きます。