プライベートでとてもショックなことがあり、下書きが進まず放置していた東京遠征日記。
既に1週間もすぎちゃったけど…


遠征2日目(4/29)はレミゼ休演日だったので、コレを観劇。




『二都物語』@東急シアターオーブ
(2013.4.29(月・祝)12:00~)1階28列上手


席はどこでも良かったので、てきとーにGETした最後列。段差があるので視界は良好、もちろんオペラグラスはいるけど。


原作の『二都物語』はイギリスの文豪チャールズ・ディケンズの小説で、フランス革命に翻弄された3人の男女と彼らを取り巻く人々の愛とか葛藤とか因縁とかが描かれた、ひたすら暗くてジメジメした物語。
(って文豪の名作になんてことを(>_<))


以前、宝塚で舞台化されたのを観たことがあるけど('03花組バウ…瀬奈じゅん、彩吹真央、桜乃彩音)

シドニー(瀬奈)とチャールズ(彩吹)が「瓜二つ」だとか(^-^;、シドニーがルーシー(桜乃)を唐突に愛しちゃったりとか…
なんだかやたら安易な展開だったんよね。

で、思わず原作を確認してみたら、概ね宝塚の展開で間違いはなかったという驚き。←それどころか うまくまとめていたと思う@宝塚。
まぁ翻訳がまどろっこしくてナナメ読みだったので、かなりてきとーな感想なんだけど(^-^;


ちなみに原作は(チョ~省略)

ロンドンでの裁判で、弁護士シドニー、被告人チャールズ、証人ルーシーという立場で顔を合わせる3人。
シドニーは、チャールズと自分が「瓜二つ」であることを主張し、彼を無罪にする。
その後チャールズとルーシーは結婚したが、シドニーはルーシーに片思いしていた。

数年が経ち、チャールズが実はフランスの貴族だった為に 革命により処刑が決定。
シドニーは、ルーシーの幸せを守る為、チャールズと「瓜二つ」であることを利用し、彼の身代わりになる。

。。。という話に、ルーシーの父やらチャールズの父(叔父だったか?)やら昔の使用人やらの因縁が絡み合う。でもシドニーとチャールズの「瓜二つ」は偶然(←生き別れた双子などではない・笑)。
とにかく暗くてメンドくさいけど、この因縁が解かれる過程がドラマチックではある。


で、


この度この物語が、舞台を古代の日本に置き換えて 草なぎ剛くん・堀北真希ちゃん・小澤征悦さんなどミーハー心をくすぐる顔ぶれで上演、
更に7月には東宝でBW版ミュージカルの上演が決定していることもあり(行く気)…


せっかくだから制覇しちゃおっかな~♪みたいな軽~いノリで観劇決定した次第です。


って、前置き長ッ!
本題いきます。


【脚本】土田英生
【演出】板垣恭一
【音楽】岩代太郎

【主なキャスト】
スクネ……………草なぎ剛

サクヤ/ミミ……堀北真希

マナコ(ミクニ)…小澤征悦

サイシ………大杉漣
クメ…………高橋恵子

トヨ…………須藤理彩
イゼリ………三浦貴大

クコチヒコ…橋本じゅん
ヌカテ………皆川猿時

ナシメ………壤晴彦
セッポコ……市川しんぺー

ヨシノ………岩橋道子
シツゴリ……永野宗典



舞台は、古代の日本(の架空の国)。

ヤマタイから隣国クナに逃げようとするスクネ(草なぎ)と 幼馴染みのミミ(堀北)。
2人は追手に見つかり、ミミの犠牲によりスクネは逃げ延びる。

ヤマタイでは、女王ヒミコが暗殺され、その弟ナシメ(壤)が政権を握る。その暴君ぶりに苦しむヤマタイの民。
ナシメの息子ミクニ(小澤)は父に反発して隣国クナに逃れ、マナコと名乗って新たな生活を始めるが、ナシメの手下セッポコ(市川)によりスパイ容疑をかけられる。

その裁判では、クナへの道中で知り合ったサクヤ(堀北・2役)の証言も空しく、マナコに有罪判決が下りそうになるが、クナで弁護士となっていたスクネの策で救われる。


その後は原作小説と ほぼ同じ展開だった(と思う)。もちろん省略されてるところや変更は色々あったけど。

確実に違う設定として、
怒れるヤマタイの民は暴君ナシメの血族を断絶をしようと息子マナコの処刑を決めるが、実はマナコは養子で ナシメとの血の繋がりはなく
そしてマナコの身代わりとなったスクネは、実はヤマタイの民が崇めていた女王ヒミコの息子だった。
というオチ(?)がありました。ドラマチック!



脚本・演出で 良かったのは、

ミュージカルではないのに、場面転換の度にアンサンブルの歌やダンスが入ってたとこ。
これが意外にも違和感なく、雰囲気もあってスムーズに見えた。

スクネがサクヤに惹かれるきっかけ(=幼馴染みのミミに似ている)と、スクネが酒浸りでヤサグレている理由(=ミミを見殺しにしてしまったトラウマ)が分かりやすい。
原作には描かれていないこのあたり、明瞭になることで感情移入しやすかったな~と。

セットがシンプルなのも良かった。八百屋舞台で見やすかったし。
衣装もオリエンタルでステキ(*^^*) 殺陣もカッコいい♪


ツッコミどころは、

原作でのキーポイント「瓜二つ」は完全スルーだったわけだけど (そりゃそーだよね~草なぎくんと小澤さんじゃサイズからして無理だし)

じゃ、裁判の勝因はどうするか?

なんとスクネが 原告側のセッポコに「なんでも言うことを聞いてしまう薬」を飲ませ、都合良く解決してしまう。

いくらなんでも、これはちょっと子供騙しじゃね?(^-^;
その後も薬の効力が続いてるという設定でセッポコを利用してて、都合良すぎ。
ナニゲに2~3度「薬に詳しいスクネ」を印象づけようとしてたとこに、脚本の強引さが見え隠れ(笑)

そして処刑される場面は?

唐突に、スクネが仮面を着けて登場する。
いやいや、顔を隠しても明らかに体の大きさが違うでしょうよ(^-^;それに仮面なんか着けてたらヤマタイのヒトたちが外すだろうし。
不自然 不自然!


ただ、ナンダカンダ理屈っぽい設定を後付けするより、その単純さが娯楽度を増してたかもしれないなぁ…と思わないでもない。
ツッコミどころではあるけど、矛盾はないと言うことで良しとしよう。って感じかな。


キャスト豪華だし ストーリーも分かりやすいし、音楽も壮大で とにかく娯楽大作といった感じ。
寝不足状態で行ったのに寝ずに観たし。まぁまぁ面白かったと思います。




主なキャストの印象は、



スクネ、草なぎ剛くん。(原作ではシドニー)
酒浸りで世を捨てたようなヤサグレ弁護士だけど……ヤサグレ演技がイマイチ?
なんだか流して演じてるようで、とりあえず声を荒げてるようにしか見えなかった。しかも、ちょっと滑舌悪かったし……忙しい中、約1ヶ月の公演の終盤で お疲れだったのか?
ただ、マナコを助けると決めた時にサクヤに対して言う「信じて」というセリフは 優しくて切なくて哀しくて、思いがけずジ~~ン……ワタシ的にはラストシーンより印象的でした。
草なぎくん、やっぱり優しげな役の方が似合うんじゃないかなぁ…
カテコでは、舞台上で草なぎくんが手を振ると客席もみんな手を振って応えてて、「ファンに愛されてるんだなぁ~」って感じ。
やっぱアイドルってええな(*^^*)


サクヤ/ミミ、堀北真希ちゃん。(原作ではルーシー)
以前BSで観た主演舞台『ジャンヌ・ダルク』がメチャ良かったので、もし今度 舞台やるなら観たいなぁ~と思ってました。
で、やっぱ上手かった~!自然に惹きこまれる。姫系サクヤはもちろん、武闘派(?)ミミもバッチリで殺陣もキマッてたわー。
細い体なのに声もよく出ていて、ラスト近くでスクネの名を叫ぶ時なんか素晴らしい絶叫だった!←宝塚のロザリー(@ベルばら)に見習わせたい。
で、とにかく超絶かわゆい!お人形みたい!そこはかとなく漂う「お嬢さん」な感じがいい!女の私でもメロメロo(≧ω≦)o
この子がコゼット(@レミゼ)だったら、新演出でも文句ナシに観れそうなんだけど…


マナコ(ミクニ)、小澤征悦さん。(原作ではチャールズ)
NHK朝ドラ『さくら』の頃から好きなんだけど、やっぱ上手いわ~。安心して観れた。
マジメで誠実で、そこがちょっと可笑しくて。見た目ゴツイけど とても優しい雰囲気を持ってるので、自然に包容力とか醸し出してるし。
リアルにこんな人おったらええなー(感想ではなく妄想になってしまった)。


サクヤの父・サイシ、大杉漣さん。(原作ではドクトル・マネット)
上手くて、時々 笑いをとって、あぁ役者やなぁ~といった存在感。でも決して強いキャラではくなく、心が折れるあたりは絶妙な弱りっぷり。
唯一 気になったのは、中腰で杖をついてヨタヨタしてるわりに、驚いたりするとメチャ大股で機敏な動きになっちゃったこと←もちろん中腰で杖をついたまま。
あれはどうにかならんかったんでしょうか。


サクヤの乳母・クメ、高橋恵子さん。(原作では…名前忘れた。ルーシーの乳母)
品が良くて綺麗だった~(*^^*)笑わせる場面があったりして、意外にも可愛らしさを感じさせる乳母でした。


ヤマタイの民・トヨ、須藤理彩さん。(マダム・ドファルジュ)
革命の主導者がどんどん暴走し、狂気じみていく過程がスゴ過ぎ。メッチャ迫力。
正直、こんなに上手い女優さんだとは思ってなかった…絶対 舞台向き。


トヨの夫・イゼリ、三浦貴大くん。(ドファルジュ)
キャスト知らずに観てて、最初のうちは桐谷健太くんかと思ってた。ごめんなさい<(_ _*)>
若さゆえか 妻(須藤理彩さん)の貫禄ゆえか、最初から尻に敷かれてるっぽく見えてしまったけど(笑)、暴走していく妻を抑えきれなくなるあたりの焦燥感が痛々しくてメッチャ感情移入した。
これが初舞台だそうだけど、上出来。真面目にキッチリ演じる感じが お父さんに似てるかも。


スクネの弁護士仲間・クコチヒコ、橋本じゅんさん。(弁護士ストライバー)
まさかの劇団☆新感線(爆)。深刻になりがちなストーリーに、一服のお笑い。
ちょっと無理に笑わせる感じで 客席が若干引き気味?と思えることもあったけど、私はじゅんさん観れて嬉しかったよ!(〃▽〃)


サクヤの付き人?ヌカテ、皆川猿時さん。(えっ?ミスター・ロリー??)
まさかの大人計画(爆)。とにかく声デカイ(笑)うるさい(笑) この方も笑わせどころ。そしてやはり観れて嬉しいワタシ(〃▽〃)
乳母のクメに けちょんけちょんに言われながらも、なぜかいい仲になっててウケました。
猿時さん、今は朝ドラ『あまちゃん』でも潜水科の先生役でギャーギャーうるさい(笑)←朝のお茶の間に受け入れられてると良いのですが(^-^;


その他、


ヤマタイの王・ナシメ、壤晴彦さん。(チャールズの父だか叔父だか…サン・テヴレモント公爵)
ナシメの手下・セッポコ、市川しんぺーさん。(バーサッド的な?)
お二人とも初めて拝見しましたが、悪役ながら若い主役たちをガッチリ固めてる感じで、芸達者感がアリアリと伝わってくる役者さんでした。



草なぎくんが若干微妙だったけど悪くはないし、他の方も皆さん適材適所という感じで、違和感なく楽しめました。
ストーリーも面白かったし、ミーハー心 満たされたし(←これがかなりポイント高かったりする)、まぁ満足です。リピはしないけど。



7~8月の東宝『二都物語』@帝劇もミュージカル的ミーハー心をくすぐるキャスティングなので、ヒジョ~に楽しみです♪