加藤シゲアキさんの『なれのはて』読みました
第170回直木賞候補作です。
加藤シゲアキさんは、青春小説のイメージがあって、
今まで読んだことがなかったのです
2回目の直木賞ノミネートってことで
気になって読んでみました
てか、シゲって大阪出身だったのか
小さい頃だけで、ほぼ関東にいたみたいだけど
作者不明のたった1枚の絵
その作者を探す過程で
秋田のとある一族に起きた謎にせまる
というお話です。
主人公はテレビ局の元報道局の男性。
とある事件をきっかけにイベント事業部に移動していて
同じ部署の若い女性が所有する1枚の絵に出会います。
その1枚の絵だけで展覧会を開く事を思いつくのですが
著作権を明らかにしないと何もできないわけです
で、色々取材を重ねて、その絵に纏わる事実をひとつずつ
解き明かしていくのです
ミステリーなのですが、
秋田の石油の話や、戦争のこと、終戦前日の土崎空襲、
現在の報道の在り方や、仕事に家族。
かなり色んなこと盛り盛りで
すごく面白かったです
こういう、取材しながら真相にせまる
というお話が大好きでして、
大変楽しませていただきました
恥ずかしながら、秋田に採掘可能な油田があること
知りませんでした
無知というのは怖いものでもありますが、
新たなことを知る楽しみがある、
とポジティブな感じで捉えることにします
他にも読後に絵具のこと調べてみたり、
戦争のことを調べてみたりと、
私にとっては勉強になることが多くありました
(調べてもすぐに忘れてしまうけど)
あと、読みやすい
内容は重いし、実際分厚くて重いし
なんだけど、サクサク読み進めました。
最後はちょっと上手くまとめすぎ感はあったものの
(個人の感想です)
感動的でした
つらい過去の中に希望もある
良い小説でした
とても面白かったです
次回作も期待
こういう骨太な感じのものをまた読みたいです
では、読んでいただき、ありがとうございます