食事を摂るためにお皿やお箸があるように
風を食らう道具がある。

でも
テーブルマナーはとても簡単だ。

誰にも聞こえちゃいないんだから~と
大きな口をあけて
あ~!っと
め~いっぱい叫びながら
坂を駆け下りるんです。

鼻の穴を大きく開いて
スゥ~っと
め~いっぱいに吸い込むんです。

あ、そうそう
シェフに感謝も忘れずに!

あまい!ここの風、良いニオイ!
うまい!ここの空気うまい!


生まれたての空気に会いに
山の中や、草の中を走るんです。


春の日のには花の味がします。

夏には熱気と草の味がします。

秋にはやっぱり香ばしい切ない味がします。

冬は冷たく透き通った味がします。

街は人が生きている味がします。

海では塩と海草とブルーの味がします。

山では土と木と水の味がします。


気の合う仲間がいるときや
大好きな子の隣にいるときは
いっしょに風を食うときもありますが

風を食らうときは一人がいい。

風を食らうときには一人が良い。