ピロリ菌(ヘリコバクターピロリ)は潰瘍の原因のみならず、胃癌の原因でもあり、除菌により胃癌のリスクを減らすことが分かっていました。
しかし、現在の保険適応は胃潰瘍と十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃がんのESD治療後にしかありません。
ドックなどでピロリ菌陽性と診断されて来院される方には自費で薬代と検査会社に支払う金額で1万円以上かかっていましたが、3月からは慢性胃炎にも保険が適応されるようです。
PPIと抗生物質を1週間飲むだけです。主な副作用は下痢、味覚障害、QT延長症候群(心電図異常)がある方は不整脈などがあります。1回で成功する確率は8割程度なので、除菌できなかった場合は薬を変えてもう1回行います。
除菌が成功すると慢性胃炎の症状も、内視鏡所見も改善しますが、1割程度の方が一時的に逆流性食道炎になります。
癌は予防、早期発見、早期治療が大切です。