先日医師会主催認知症対応力向上研修で市内の介護専門職34人と勉強会を行いました。皆さんお仕事でお疲れの所ご参加ありがとうございました。 (^o^)/
認知症介護で一番難しいケアって何だと思いますか?
それは・・・「入浴」介助です。 ( ..)φメモメモ
食事・排泄は生理現象なので、促さなくてもとりあえず何とかなるものですが、
入浴はそうはいきません。
「今日は入浴日!何人入れなきゃ!<(`⌒´)>」 となると・・・入浴はその瞬間、ケアから「保清(清潔を保つ)」という介護スタッフにとって作業に変わります。 /(-.-;)\
作業であれば、居室から風呂場に「運ぶ人」、「脱がせる人」、「洗う人」、「拭いて着せる人」 、居室に「運ぶ人」が分業することが一番効率的ですし、入浴させることが目的化し、強要されることになります。
当日グループワークの題材より(認知症介護実践者研修標準テキストより抜粋)
日本人にとっての入浴は、体を清潔に保つだけではなく、体を温め、一日の締めくくりにホッと一息ついたり、親しい人と語らうなど豊かな生活行為です。さらに、お湯の温度や入浴時間、入る順番や体を洗う順序、歌を歌う、銭湯などで大勢と語りあうなどそのスタイルは千差万別でとても個別性の高い豊かな生活の一コマ、
いわば「体だけでなく心も温まる行為」のはずです。 (´◇`;)
しかし認知症の方は、先の予測(記憶・見当識の障害があるため、これからお風呂だ、とか裸になってこれから洗って・・・ という)、見当がつきません。
モチロン、この一連の作業の初めに、「さー! お風呂にいきますよ~!」と、やる気満々のスタッフより、高らかに宣言されているでしょうが・・・。
次々と違う人が現れては、知らない所へ車いすで運ばれ、服を脱がせ、・・・なんのためにされているのか理解ができなければ、こんなに心細い (+o+)ことはありません。
なぜこんな明るく肌寒くざわついた所で、裸にされて、ジロジロ見られて、相手は服をきているの?・・・
ご利用者様は「?」や「不安」で一杯のはずです。\(>_<)/
浴室の明るさや室温は、スタッフの都合の良い状態で、ご利用者様には明るすぎで肌寒いことでしょう。また音の反響、ざわついた雰囲気、機械浴・リフト浴など、不安で緊張を強いられるという、心も凍り付く行為かもしれません。 \(+д+;)/
入れる側は「日常業務」、入れられる側は「非日常」のアンバランス、なじみのない環境で、スタッフのかかわりも途切れ途切れ、「裸の付き合い」ではない、特別な状況・・・
こんな状況では、不安の余り拒否する人がいても不思議ではありませんよね。
しかし作業する側は、入浴させることが目的ですから・・・
嫌がる人をどうやって入れるか。どうやって服を脱がすか?
《騙して連れて行って無理やり脱がす。》
などという間違った方向に進みかねません。 (;□;)!!
そのためには、
今はできないことが多くても、以前の生活の様子、好み、人柄を知り、その人格を受け入れ、寄り添うこと。 (* ^_^)人(^_^* )
認知症の介護で大切なことは、
「今を見て、過去にさかのぼって、未来につなげる」 ことです。
ご本人が難しいなら、ご家族や介護者に、聞いて見ましょう。、そこから過去にあたることで、今の姿の意味を知り、その生き生きとした過去の姿に出会うことができます。
その好みをクセを、人柄から沢山のヒントを得て今後のケアに活かすこと。
入浴ケアには、生理現象でないため、入浴の意味付けが求められます。
入浴を安らぎの場にするには?
風呂上がりの一杯を用意するのか・ゆず湯など、季節や香を楽しむか・・・
ケアする人のクリエイティブなセンスや温かい気持ちがご利用者様の心を温めるのです。(*^◇^*)
入浴の意味、入浴ケアの素晴らしさ、難しさ、大切さに気づいたひと時でした。 (^-^)\
皆さん!介護スタッフの活躍にご期待くださいね。 (^▽^)v