薫り高い ☕︎ 貴女だけの物語りを一杯一杯、丁寧に抽出します。
魅力抽出マイスター・純喫茶〜洞穴〜の主人(あるじ)です。
本日は、もともと女神という確立されたブランドイメージから、もっと人間味溢れる力強い母のような存在へ転身された、魅力溢れるお客さまのお話です。
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彼女が初めてやってきたのは、まだわたしが、魅力抽出マイスターとして歩きはじめたばかりの頃でした。
突然の訪問客
ある日、いつもの習慣で カウンターをせっせと磨いていたときのこと。
突然、店のドアがパッと開き 女性が一人、入ってきました。
この世界では、皆が一様に動物の被り物を被って生きています。
そんな世界では、とても珍しい、眼差しの美しい女性です。
勢いよく店に入った彼女は、急いでいるのかキョロキョロと落ち着かない様子。
待ち合わせ..でもなさそうな..。コーヒーを頼む様子でもないし..と小首を傾げるわたしを 見つけた彼女は、嬉しそうに
紹介文を書いてください。おいくらですか?
と言うと、そのままカウンターの席に迷うことなく、座りました。
びっくりしているわたしに、
「ボリュームのあるものをお願いします。こんな感じで..」
と持参した資料をパラパラと見せつつ。
「このくらいのボリュームでおいくらになるのか、見積もりいただけますか?」
と、呆気にとられているわたしに視線を向けました。
耳の下で切り揃えられた髪が、利発そうな彼女にとても似合っています。
「あ、ありがとうございます!」
「ええ..と、ご案内しますね」
そんなやり取りをしつつ、わたしは、初めてのご依頼を受けることになるのです。 そして、深い愛に溢れる想いと、その人生を覗くことになるのです。