2022年1月22日(土)
今年最初の読書は、宇沢弘文、内橋克人の対談を纏めた『始まっている未来』(岩波書店)。
副題が 新しい経済学は可能か、というちょっと固そうな本。
読み始めると、対談形式だからか読みやすい。
二人の経済学者が、資本主義、市場原理主義をどう打破するか、という事を話し合う。
人新世、の議論にも宇沢さんの影響はあると思う。
教育、自然、地球資源、、、人類の共通の資本を一部の人が独占して金儲けにすることへの疑義。
内容は深いが、なぜ日本や西洋、世界全体に貧富の格差が広がっているのか、わかりやすく説明している。
高校で資産運用を教える、なんて馬鹿馬鹿しいことをやめて、この本を読ませて議論すれば良いのに。と思う。
(補論1では梶井功さんとの鼎談)
錚々たる学者3人の講演を聴きながら、あれこれ考えさせられるような、いい本だった。
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目次
1 市場原理主義というゴスペル
2 日本の危機はなぜこうも深いのか
3 人間らしく生きるための経済学
4 新しい経済学の息吹
補論1 社会共通資本としての農の営み
補論2 社会的共通資本と21世紀的課題
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初版が2009年なので、その後の、オバマ政権や日本の民主党政権後の揺り戻し、情勢の更なる悪化については触れられないが、それでも、資本主義経済のどこが問題か、が、良くわかるお勧めの本である。