勇者の末裔 第2章 <32> | 味噌汁かっぱがす

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妄想から実体験まで。そしてタロット占いもしちゃうブログ。
たまに小説っぽいものも掲載してます。


まだ結界には足は踏み入れていない。


杉作にも、なぜかそれは解った。


ここが半島で、地形的に外側になってしまったのか、


それとも敵をおびき寄せるための罠なのかは解らないが、


どちらにしても、


ここにたどり着いてしまったのだから仕方がない。


ここは草原だが、目の前には月明かりに照らされた森が見える。


潜入するなら闇夜に紛れるのがセオリーだというイメージがあるが、


結界の中に入るのであれば、いつだって同じだ。


むしろ深夜の方が警戒されているかもしれない。


少しだけ森へ近づいて歩いてみると、


50メートルほど進んだところで、


まとっていた黒装束の繊維が、チリチリとほつれ宙に舞った。


このすぐ先に結界があるようだ。


海岸まで戻り、ここで日の出を待つことにした。


長時間、船に揺られて身体も疲れている。


近くにあった大きな石に腰を下ろし、ここで座ったまま眠ることにした。


足元を見ると、いつか誰かもここで休んでいたのか、


ちょうど両の足が来るところだけ、土がむき出しになっていた。


なんとなくその土に足を合わせると、今度は、


頭の真下にくぼみがあることに気が付いた。


これは剣を立てるのにちょうど良さそうだ。


くぼみに剣を突き刺すと、額を乗せるにちょうど良い高さになった。


これで、座ったまま眠ることができる。


誰かもここでこうして夜を明かしたのだろう。


そう思いながら、頭の重さを剣に預けると、


ガコンッと音がして、


気が付くと斜面を転げ落ちていた。





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