夢33
恐竜に飲み込まれてしまい、どうやって外に出たらよいのか思案していると、書庫にいるアンドロイドが出口を教えてくれた。
書庫の奥の扉が外に通じているという。
早速そこを通って恐竜の外に出ることに成功した。
恐竜を人間の造る施設に近づけない良い方法は無いものかとしばらく考えていたが、恐竜と話し合ってみてはどうかと思いついた。
ここにいる恐竜は知能が発達しているというので、もしかしたら会話が成立するかもしれない。
そこでためしに話しかけてみる。
潜水艇のスピーカーのスイッチを入れて、恐竜に呼びかけてみる。
当然恐竜の言語などわからないが、とにかく自分が使っている言葉で話しかけてみた。
すると一匹の恐竜が潜水艇の前に現れた。
そして、突然話し出した。
「お前は人間だな、何のようだ。」
私は人間が海底に住みたいと言う事、攻撃をしないで欲しいということをはなした。
しかし、恐竜は言った。
「海底は人間の住みかではない、われわれの場所だ。
それとも、地上を我々に提供してくれるとでも言うのかね。」
たしかに、地上だけではなく、海底までも人類で埋め尽くされてしまったら、恐竜の住処が無くなってしまう。
「天の星のひとつを我々にくれるのならば、そこへ移り住むことも考えよう。」
人間の住んでいない、恐竜の住める惑星を探し出せば恐竜がそこに移り住んで、人間が海底を利用する事も可能になるかもしれない。
しかしそれならばそこに人間が住めば海底に住む必要も無い気もする。
どちらにしろ、交渉は簡単ではないことは確かだ。
「もうひとつ、我々恐竜の楽園が地上のどこかにあると言う。その場所を見つけ出してくれれば我々はそこへ移住しよう。」
恐竜の間で、太古の昔から伝えられている伝承があって、それによると、地上の山の洞窟の奥に恐竜の楽園があると言う。
恐竜が地上から海底へ移り住む時に入り口をふさいでいつの日にか戻るのを夢見ているという。
その入り口を探し出せば恐竜にとっても人間にとっても良い結果に繋がるというわけで、早速そのことを海底に住む博士に伝えることにした。
私がされを探しても良かったが、それには何年もかかるということなので、私は旅を続けることにした。
恐竜の楽園が見つかったら、もしかして人間が住み着いてしまうのではないか、そんな気もしたが、今の私に出来ることは良い結果になることを願うだけだ。
ここで書庫にアクセスしてみる。
コンピュータをネットワークに接続して、書庫へアクセスする。
もしかしたら楽園のことも書かれているかもしれない。
「恐竜 楽園」で検索してみる。
結果「恐竜の神話」と言う本が見つかった。
「まだ恐竜が地上にすむころ、一番高い山の奥に恐竜たちの楽園があった。
ある日、天から火の玉が降り注ぎ、地上は火の海となり、その後氷に覆われた。
そこで恐竜たちは地上が再び住みやすい環境になるまでの間海底に移住することにした。
それまでの間、他の生物に楽園が荒らされないようにその入り口を封印した。
その印は丸い岩である。・・・・」
恐竜の神話には他にもさまざまなことが書かれていて、恐竜の進化の過程が細かく書かれている。
それらをしばらく読んでいたが、やがて時間も過ぎてそろそろ旅をする時間となった。
携帯端末を持ち歩けばこの書庫へはいつでもアクセスできる。
今後はこれで調べつつ宇宙を旅しよう。