夢24
光の注ぐ星。
そこは砂糖の結晶のレンズから送られてくる光で植物が繁栄していた。
そのところどころに都市らしき物が見える。
まだ生物が暮らしているようだ。
空を飛ぶ乗り物が街の上空を行き交っている。
どんな人たちが住んでいるのだろうか、降りてみることにした。
町外れに公園のような物が見える。
そこに降り立つことにした。
船を草原に泊めると、早速街の中に行ってみる事にした。
公園には、この星に住む住人が何人か遊んでいた。
人間によく似ているが、白目が無い。
たとえるならば、チンパンジーやゴリラのような目をしている。
白目は人間だけの特徴だというのを聞いたことがあるが、宇宙には白目をもつ知的生命体は多い。
しかしここの住人は真っ黒な眼をしている。
だからどこを見ているのかがよくわからない。
顔の方向を見ればどちらを向いているのかは分かるが、目線は全くわからない。
そして、声による会話ではなく、一種のテレパシーのようなもので会話している。
そのおかげで私にも容易に会話が理解できる。
脳に直接話かけられている感じだ。
「宇宙の果てには壁があって、その壁は鏡で出来ているんだ。」
この星の人の間では、宇宙の果ては鏡になっており、宇宙の光がそこで反射していて宇宙が無限に広がって見えるという。
ちょうど鏡同士を合わせたような感じだという。
鏡を合わせると、その中に悪魔が見えるというが、宇宙の果てにある鏡の中には何が見えるのか。
宇宙の果てよりも、ブラックホールの向こうにある別の宇宙に行くことを勧めるといわれた。
宇宙の果てはただの鏡だが、ブラックホールの向こうは、見たことも無いような世界が広がっているという。
どのような世界化はよく分かっていないが、ある程度予測は出来ているらしい。
この星の人は、高度なコンピュータテクノロジーを有していて、光よりも早く計算が出来るという。
その計算機で計算をした結果、ブラックホールの向こうには「あの世」があるらしいことが判った。
あの世は一般的に人間の空想だと思われているが、実際には別の宇宙の事で、人間の情報、つまり「魂」はそこへ行くという。
人間の魂も実際にはある種の情報の事で、別の宇宙にはその情報が集まるという。
宇宙にあるあらゆるものには情報がある。
原子の配列の情報等、突き詰めると全ては情報である。
その情報は消えることは無く、たとえば人が死んでもその情報が消え去ることは無く、それは別の宇宙へと移ってそこでまたその宇宙の原子の配列を変えて、つ
まり「存在」する。
あの世とはフワフワとした魂が漂う場所ではなくて、この宇宙での情報が転送されてその情報を元に別の実体に再編成される場所だという。
そこは別の宇宙なので、今私たちが住んでいる宇宙とは別の法則が働いており、それがこの世とあの世の違いと言うわけだ。
情報には質量が無いので、ブラックホールを無限の速度で通過できる。
この星の人は物質を使わない通信方法を確立しており、それによって別の宇宙との通信を可能にしているという。
テレパシーとかひらめきとか言ったものは、情報そのものを送受信して起きる現象だという。
この星の人はそれを使って音声に頼らない会話を実現している。
この星にある図書館に行って見た。
この星へと光を供給している巨大な砂糖の結晶のことを調べてみた。
あの結晶は1000年かけて作られたという。
砂糖を通した光は、この星の植物に最もよい影響を与えるという。
当初ガラスやダイヤモンドなどの様々な素材のレンズを試したが、今の砂糖のレンズが一番この星にあっているという。
副作用として、長期間光を浴び続けると甘くなるという。
何百年もこの光を浴びつづけた岩はやがて砂糖菓子のようになり、それを採掘しておやつとて売られているという。
また、海も徐々に甘くなっており、新種の生物が生まれているという。
地球では砂糖を食べる生き物といえば蟻がまず思い浮かぶが、この星にも地球で言う蟻に当たる生物がいて、それが大繁栄している。
ただ、意外と害はなく、適度に甘いところを食べてくれるおかげで、地上が砂糖漬けのようになるのを防いでくれているという。
海の中にも、水の中の糖分を栄養として生きる魚が生まれており、それがこの星の名産物にもなっている。
その魚を食べに定食屋へ行ってみる事にした。
「甘魚定食」それを注文してみた。
パンのような固形物の横に地球のイワシによく似た魚が置かれていて、あとは茶色い汁がセットになっている。
パンのようなモノはパンよりもモチに近い感じで、茶色い汁は何かのだしと塩の味がする。
魚は蒸されているようで、イワシよりも甘みが少しあるが、べつに菓子のような甘さではない。
程よい甘みとうまみを持っていて、これならば十分名物になると感じた。
甘魚の缶詰とか干物を幾らか船に積み込むことにする。
この魚は銀河でも人気が高く、おみやげ物として人気が高い。
食料として、ギフトとして、もっていても損は無い。
船は私一人しか乗ってい無いので、山ほど魚を詰め込むスペースがある。
とりあえず一部屋分の魚を積み込んでおいた。
これでしばらく食べ物には困らないだろう。
この星に1週間ほど滞在し、そしてまた銀河の旅へと出発した。