夢20
デパート屋上のゲームコーナー。
子供の頃によく行った記憶がある。
ラムネをクレーンで掴み取るゲーム、口を開けたカエルにボールを投げ込むゲーム、そしてテレビゲーム、色々ある。
ここ青い星のデパートの屋上にも見慣れたゲーム機がずらりと並べられている。
ここの屋上は広大で、野球場ほどの広さもあり、私が今まで見たことがあるゲームのほとんどが並んでいる。
その中で、子供たちがゲームをして遊んでいた。
それは、もぐらたたきに似ているが、叩くのはモグラではなくタコのような宇宙人だ。
古典的なタコのような火星人がこちらに向って飛んでくる。
それをハンマーで叩き落すという、もぐらたたきと野球が合わさったようなゲームだ。
そして、タコには電流が流れていて、触るとしびれる。
だからプレイヤーもー一生懸命叩き落そうとする。
しかし、こんなゲームを金を払ってまでしたいとは私は思わないし、地球では禁止されそうである。
それでも、このゲームは人気があるらしく、子供たちが並んで順番を待っている。
このゲームは一定以上の得点を上げると、景品が出るらしい。
景品を見てみると、紫のボールに手足が生えた様な人形である。
今この星ではそのキャラクターが流行っているそうである。
名前を「ボーロ」という。
ボーロは、さすらいの勇者で、行く先々で何事件を解決する。
銀河の様々な星で怪物を退治したり、伝説の秘宝を見つけたりする。
よくある冒険ものだが、そういうスタンダードな物はどこの星でも人気がある。
奇をてらった物は結局すぐに飽きられてしまう。
屋上のゲームも、私が子供の頃に遇ったゲームが今でも活躍しているのは、結局人間の本当の好みは個人ごとでそれほど変わり無いということだろうか。
もし何かを作るとしたら、新しさだけではなく、スタンダードなものもぜひ見て参考にして取り入れたほうがよい。
スタンダードなゲーム、クレーンでラムネを取るゲームをやってみる。
コインを入れてスターとボタンを押す。
すると単調な電子音で懐かしい音楽が流れ出す。
そして移動ボタン、掴み取るボタンを押す。
ラムネがいくつか取れた。
地球のラムネとよく似ているが、やはりと言うべきか、真っ青である。
一粒食べてみる。
青い味、青いものの味がする。
たとえば青りんご、そして海のような味もする。
ラムネのほかに、金平糖のような星型の小さな飴のようなものも取れた。
これの色は黄色で、味はレモンのような味がした。
しかしこれはただの飴ではないようで、なめている間は口の中から光が溢れる。
口を開けるとその飴から発せられた光がまるで宇宙船のハッチが開いたときのように口から外を照らし出す。
体に害が無いのだろうか、少し不安にも思ったが、子供の菓子だからまあ問題は無いだろう。
次にビデオゲームをやってみる。
ブロックがテレビ画面の上部から落ちてきて、それを横一列揃えると消える、そんなルールのゲームだ。
しかし私の知っているものとは少し違っていて、ブロックが立体的に見える。
やはり既に3次元の立体的な映像が簡単に実現されている。
2次元のゲームもこれはこれで楽しいものだが、3次元のもは始めて見るので目新しくて楽しいものだ。
そのゲームでしばらく遊んだが、結局少し進んだところでゲームオーバーになった。
これは景品などは出ないが、こういうゲームはたまに何だかやりたくなる。
きっとこのような何かを達成できるゲームと言うのは精神的な面でよい影響を及ぼすに違いない。
ゲームコーナーには、体感ゲームも数多くある。
その中でも目を引いたのは、宇宙船操縦ゲームである。
これは、UFOを操縦して、ある惑星を攻撃するというものだ。
実際にUFOそっくりの乗り物があり、その中で人工重力や3次元映像を駆使してゲームが進んでいく。
ゲームをやってみると、攻撃目標の惑星が、見覚えのある星だ。
まさに地球、見慣れた地球である。
そして近づいていくと、そこは私の住んでたまち、住んでいたアパートである。
その上空数百メートルに静止している。
その光景を見たとき、ふと思い出したことがあった。
それは、昔、当時住んでいたアパートの上空に無数の空飛ぶ円盤を目撃した事を。
時刻は真夜中、なぜか目が覚め外に出たい気分になったので外に出てみた。
家の近くの道路でふと空を見上げると、やけに大きな星が見える。
しかしそれは星ではなく、空飛ぶ円盤だったのだ。
円盤と言っても、円形のものだけではなく、三角形のものも何機か飛んでいた。
その時の光景がふと脳裏をよぎった。
もしかしたらあの時見たものは、今私が操縦しているこのUFOなのではないだろうか。
あの時の時空とこのUFOは繋がっていて、ゲームといいつつも実際には本物の星を使ってゲームにしているのではないか。
そう考えるとあの時のUFOがどうなったかを思い出せばこのゲームの結末も予想できるのだが、どうしてもあの時のUFOを見たその後が思い出せない。
しかし今の私が存在しているのだから、滅ばされてはいないはずだ。
案の定、攻撃を仕掛ける前に操作ミスでブラックホールに飛び込んでしまってゲームオーバーになってしまった。
ひょっとして私の操作ミスが地球を救ったのか、そんな事を考えると、ゲームオーバーも悪い気はしない。
ゲームの中には、どこか他の本物の宇宙と繋がっていて、実際にそこで冒険をしていることもあるかもしれない。
そう考えると、ゲームオーバーになりまくったあの難しいゲームの主人公は、一体何度輪廻転生させられたのだろうか、少し気の毒に思えた。
もしかしたら、私自身も誰かがやっているゲームの主人公だったりするのかもしれない。
それとも、これは誰かの空想、誰かの夢の中の出来事なのかもしれない。
人生は夢のようだと昔の人は言ったが、私もそんな気がしてならない。
そろそろゲームコーナーを後にして、銀河の旅を、宇宙の果てを目指そう。