今、在京地上波局によるＴＰＰを取り上げた番組が、動画サイト等に拡散されております。
これらの番組の中で、特にＴＰＰ反対を主張する論者の放送に対して、盲目的に賛同する論調のブロガーが多数見受けられます。
本日は、始めから自らの筋書きが存在し、結論がいつも同じＴＰＰ反対論者への疑問を述べて見たいと思います。
★★★ ＴＰＰ反対論者への疑問 ★★★
◆『 日本は圧力を掛ければ、勝負を避ける 』 というメッセージを諸外国に与えることになる。
筆者の一番の懸念はこれに尽きます。
言うべきを言わず、戦うべきを戦わないことは、『 日本は圧力を掛ければ、勝負を避ける 』 と諸外国に思わせ、将来に渡り我が国外交への禍根を残します。
◆何故、韓国の特定産業優遇の『飢餓貿易』による屈服を、我が国に適用しなければならないのか。
開発途上国等が、特定産業育成のため不利を甘受することがありますが、それは 『 飢餓貿易 』 であり、あくまで当該国が選択した結果に過ぎません。
現在のところ批准はされてはいないものの米韓ＦＴＡがこれに当たります。
これに倣う必要は全く無く、我が国は独自の選択を行えば良いだけの話です。
特定国の選択と我が国を同一に論ずることは、極めて悪質な論調と言えます。
◆何故、負けを前提に語るのか。
国家主権にかかわることを、交渉に参加すれば相手国の要望とおりになると軽々しくも断言するのには、どういう論拠があるのでしょうか。
論者の背景に疑念を抱かずにはおられません。
◆何故、途中離脱は米国との関係を悪化させるとともに、国際常識にも反すると断言するのか。
外交の延長として、軍事力を行使するのは別格ではあるものの、国際機関への負担金支払い休止や、出先の本国一時召還等、様々な“対抗”方法とともに離脱もまた切り札の一つに過ぎません。
現に米国は古くは国際連盟不参加があり、最近では、京都議定書への不参加等があります。
あくまで、国益を盾に論議を尽くして戦った後の不参加であれば、お互い様と言うものです。
番組の中で不遜極まりない態度で、前述の断言をするその姿勢とともに、その論者が言う“常識”に驚きを禁じ得ませんでした。
◆何故、国際交渉で妥結に至らないのは、珍しくないのにも拘らず、米国の関係を悪化させると断言するのか。
交渉不参加、及び我が国の一方的譲歩以外は、米国との関係を悪化させる断言する論拠は何処にあるのでしょうか。
外交交渉において、妥結に至らないことは極めて通常のことに過ぎません。
このことについても、前述の論者の言う“常識”に驚きを禁じ得ませんでした。
◆何故、無礼を働いたのは演出であると庇うのか。
多くのブロガーが、前述の論者の不遜極まりない態度を“演出”として庇っております。
極めて、不思議な見解としか言い様がありません。
◆本当の敵は何処にあるのか。
今回のＴＰＰは国益を盾に、『尺進有るも、寸退無し』の気概で臨み、その結果妥結に至らずとも、論議を尽くすことに意義があります。
もとより、棒ほど願って針ほど叶うのが交渉と言えますので、双方の妥協により小さな進展でもあれば望外の成果となります。
外交交渉において、冷静さを忘れて“舞い上がり”、冷静かつ地道に粛々と対処することを忘れてはなりません。
譲れぬことは、『国家主権抵触事項』であり、これを譲れないことは『お互い様』なのです。
最後に、懸念されるのは、本来、粛々と行われるべき外交交渉を、ことさらセンセーショナルに取り上げ、本来目を向けなければならないことに目を向けないことです。
筆者には、政局となり得る“本来の重要案件”から、眼を逸らすことに手を貸しているとしか思えないのです。
◆本日の当ブログの記事に関連しまして、下記の過去記事もご覧いただければ幸いです。
★ 浮輪浮遊禄 ＴＰＰ関連記事 ★
◆2011年02月09日 ＴＰＰ ～賛成と反対,双方への違和感
http://ameblo.jp/ukhg2810/entry-10789190701.html
◆2011年05月11日 ＴＰＰに関する“暴論”について
http://ameblo.jp/ukhg2810/entry-10877995647.html
◆2011年10月05日 続ＴＰＰに関する“暴論”について
http://ameblo.jp/ukhg2810/entry-11039147254.html
◆2011年10月12日 何故、負けを前提に語るのか
http://ameblo.jp/ukhg2810/entry-11046058400.html
◆2010年10月30日 主権侵害条項は相互適用で対抗せよ
http://ameblo.jp/ukhg2810/entry-11063738871.html
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