■まちづくりにおける挑戦と悟り(2/3) | ◎ 浮輪浮遊録 ◎

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★「では、どうするか」が、視点のブログです。/ ★ 更新:【 第2 水曜 】、他・随時更新。(2010年9月15日 開設)

【会社員様のご提言の各論】の



① 人が優先の町作りについて


このことは、人口規模の如何にかかわらず全ての街が取り組んで欲しいものです。


現在地方の街において、特に商業施設は車で来ることを前提に作っているものが多く見受けられます。

特に大手流通業者にその傾向が強く見受けられます。その一方で地場流通業者が廃業に追い込まれることも少なからず見受けられます。


その影響を一番受けるのが、歩行困難な障害者や高齢により車の運転を止めた老人達です。彼らが身近に食料や雑貨等の買い物をする店が無くなり、「買い物難民化」しています。

そこで大手流通業者は、店舗への無料巡回バスを運行したり、宅配を行ったりしておりますが、現状において他に妙手が無いとはいえ一抹の寂しさを感じます。



さて、あらためて人が優先の町づくりを考えますと、良い街は歩くのが楽しい街でもあります。


◆最近は市街地の生活道路の自動車交通量はバイパスの整備により減少しました。
その中で、生活道路の内、実施可能な範囲での2車線路線の一方通行化による1車線車線化により、歩道拡幅の上で街路樹植樹や緑地帯形成、あるいは路側帯拡幅による自転車ゾーン化等を試行の上、実現をしたいものです。


◆車優先から人優先を図るには都市内部の公共交通機関の充実が必須でありますが、その継続した運営を維持するとなりますと、特例市程度の人口規模は欲しいところです。


◆全国で地方の要として、中核市や特例市の規模の都市に集約化が進んだ場合は、現在赤字に悩む地方の都市間交通の再生が見込まれると思われます。


◆快適な街づくりを目指す中で、公共施設等の目的外使用の厳しい制限を図らねばなりません。

具体的にいえば、ホームレス等の公園等の野営地化を厳しく取り締まった上、別の場に強制移動させることを日常的に行わなければなりません。
私益が公共益に優先することがあってはならないのです。



②マチ時間に活用できる施設の存在について


その交通機関の利用者数に合わせた効果的で適正な取り組みを図ることが望まれます。


会社員様のご提言のとおり、地方の公共交通機関を利用した場合、運行時刻までの待ち時間をどう過ごすかは悩みの種であります。


人口が5万から10万の地方都市ということで考えてみたいと思います。

中核市クラスですとまだしもなのですが、このくらいの街ですと、商業施設が郊外やバイパス沿いに移転したことにより、駅等の交通施設と繁華街が一致しない所も多く、暇つぶしには苦労いたします。



さて、ここで全国的に少なからず見受ける例を挙げます。
駅前再開発の一環として大手流通業者を誘致して飲食店街や無料のギャラリーや書店等を配置しました。
その後より大きな大手流通業者が郊外に出店したことにより、駅前再開発を担うはずだったその大手流通業者は撤退してしまいました。
このように駅前の商業施設併設型の場合は他に競合する施設が近隣に出来た場合、存立が難しくなります。


では、どうすればよいのでしょうか。


新規需要の増加が見込めない限り、継続した取り組みが出来るかが鍵となりますので、その交通機関の利用者数に合わせた規模で行うことが基本となります。

地方の小都市の場合は、駅と併設するか直近に公設民営の図書館の分館と、それに併設した無料のギャラリーが欲しいところですが、昨今は官が箱を作ること自体に厳しい眼が向けられており困難なことではあります。


実際のところ、駅前に「時間消費型施設」が何もない小都市は多々あります。

そのようなところに公共交通機関を利用していく場合は、事前に駅と図書館等の交通機関とその運行時間を十分調べておくか、駅で文庫本を読む等しかないのが残念ながら現状です。


③スローフードについて


散歩したくなる街で、ついでに一杯というのも含めて、好ましく思えます。


日常とは日々の繰り返しですので、会社員様ご提言の趣旨のとおり、家計の負担にならない「普通の食べ物」を提供する店が望まれます。

一定の昼間人口が見込まれる場合、街づくりの一環として、行政や商店街が空き店舗対策として格安に場所を提供することにより、特徴ある飲食店街を目指す等の案は出るのですが、必ずしも良い立地に恵まれないため、実際に軌道に乗せるのは難しいのが現実ではあります。


④子供による地場産品の消費、例えば部活帰りの中高生が無理なく購入できる地元産品を用いた(ここがポイントですね)軽食を提供する店舗であったり、所謂駄菓子やの存在かと思います。


歩きたくなる街と、その道すがらの“茶屋”ともいえましょうか、その中で地産地消、一村一品に沿ったものが提供出来れば望ましいと思います。


小さな町にはそもそも飲食街や商店街は無く、ある程度大きな町は商業施設内の飲食街に客を奪われております。

その結果、飲食街もある商店街は地方の町ではほぼ絶滅し、立ち寄ることも憚られる雰囲気のところも少なからず見受けます。


③スローフードでも述べましたが、ここでも再生の試みは厳しいものがあります。



>実際にそのような条件に合致している街として思える場所を私がこれまで訪れた中から幾つか挙げてみます。 
・高知市(①③に合致)
・砂町銀座(東京にある商店街) (①③④に合致)
・青砥・立石 (①③④に合致)


早速、ネットで見た感想で恐縮ですが、

・高知市(①③に合致)

全国の特に観光地では地産地消や一村一品と合わせて屋台村が出来ております。

観光地は特に、気分良く散策できることが大切ですので、人優先のまちづくりとともに、屋台村やその他の施設が、各地においてどのように発展していくか注目されます。


・砂町銀座(東京にある商店街) (①③④に合致)

東京のような激戦区で生き残ることは、大変な努力が必要なことと思われます。
あわせて、地域の方がお馴染みさんになっているんでしょうね。
地方の商店街の励みになると思います。


・青砥・立石 (①③④に合致)

規模の大小はあるものの以前は全国各地にあった商店街が残っているのには驚きました。

残念ながら、今、地方のこのような商店街は、大手商業施設に押されてほぼ絶滅しました。


さて、青砥・立石で好ましく思ったところは、散歩に適した公園が多いことでした。

これは、人口規模の多寡にかかわらず必須の条件と思います。


さて、高知市、砂町銀座、青砥・立石に共通するのは、まず地元の方の継続的な努力があることだと思います。

加えて、やはりそれを支える人口規模があることだと思います。


以下、まちづくりにおける挑戦と悟り(3/3)に続きます。