ブンケイと牛若丸(24) | ウカの小説掲示板(仮)

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マターリして行ってね⊂二二二( ^ω^)二⊃ ブーン

コンコンっとノックして俺たち三人は女の子の兄のいる病室へ入った。


兄はベッドに座って窓の外を眺めていたが、


俺たちが入ってきたのに気づいてこっちを見た。


見た瞬間兄は俺たちをキッと睨みつけ、


歓迎されてない雰囲気であることはすぐにわかった。


だが、振り向く瞬間に見せた表情はどこか寂しそうな目をしているように感じた。


「おい、ハナ!誰なんだそいつらは?」


兄が妹に向かって問う。


ハナと言うのは妹の名前だ。


兄の口調はキツく、ハナちゃんはただでさえ怯えていたのに


余計に怖がってしまった。


そんなハナちゃんを見て、年長者の俺は何とかしようと


ハナちゃんの代わりに質問に答えた。


「僕たちはね、お兄ちゃんが歩けるようになるために話をしに来たんだよ」


すると、


「お前たち何者なんだよっ?!医者でもないのに治せるわけないじゃないか!」


その通りだ。


赤の他人である俺がどうこう言って歩けるなら、


その前に医者が何とかしてくれてることだろう。

だが、俺だってこのまま引き下がるわけにはいかない。


ハナちゃんのため、そして可愛いしずかがいる手前、


「そーですか、ではどうぞご勝手に」と言うわけにはいかない。


「でもね、歩けないと思うから歩けないだけで、


 チャレンジしてみたら歩けるかもしれないよ」


俺は努めて優しく話しかけた。


だがそれも虚しく、


「歩けないって言ってんだろ!関係ない奴は帰れ!」


そう言って兄は枕を投げつけた。


枕が俺の顔にポフっと当たって落ちる。



参った、俺はどうも子供の相手をするのが苦手みたいだ。


こういう時リョーマがいればうまく気をひいてくれそうなのだが。


リョーマならこういう時何て言うだろう?


俺はリョーマの気持ちになって考えた。


そして、


「ハッハッハ。お兄ちゃんは何か勘違いしてるみたいだね。


 僕は超能力者なんだよ。


 だからお兄ちゃんの足なんて簡単に治せるんだよ。」

咄嗟につく嘘がこんなものとは我ながら情けない。


兄の突然の超能力者発言にしずかも目を丸くしている。


だがお兄ちゃんは違ったようで、彼は一瞬目を輝かせた。


やっぱり男の子、そういったものが好きなんだな。


しかし、


「超能力者だとっ?!じゃあ証拠を見せてみろよ。」

ですよね~。

超能力者と言ったために俺は証拠を見せるハメになってしまった。


証拠なんてあるわけないだろ。


でも何もしないわけにもいかないので俺は簡単な手品をすることにした。


両手を使って親指が分裂するように見える手品だ。


口で説明するのはややこしいので、


どういう手品かはわかる人だけわかってくれればいい。


俺が手品を披露すると、


パチパチ--っと三人は拍手をしてくれた。


どうやらお兄ちゃんも俺に少し心を開いてくれたみたいだ。


「どうやったんだ?これって手品だろ?」


と自分から話しかけてくれた。


俺はもちろん手品であることを否定し、


自分は超能力者だと言い張った。



それから色々と話をし、この兄妹のことが少しわかった。


まずお兄ちゃんだが名前は風太。小学5年生。


妹のハナちゃんは3年生だ。


二人のお父さんは幼いころに死んでしまい、


現在はお母さんと三人で暮らしている。


そのためお母さんは生活のために毎日仕事にでていて、


夜の少しの時間しか見舞いに来れない。


だから風太が寂しくなるといけないと思い、ハナちゃんが毎日見舞いに来てる。


風太はそんなハナちゃんに感謝していて、


さっきキツく怒ってしまったことも悪いと思っている。


不憫だが思いやりのある優しい兄妹だ。


俺は何とか歩けるようにしてやりたいと思った。


そこで話も一段落着いた時、俺は超能力を使うことにした。


もちろんエセ超能力だが。


しかし要は気持ちの持ちようだ。


手術が成功しているのだから歩けると思わせればいいだけである。


俺は超能力者のフリをして、風太のケガした足に手を近づけた。


場の空気がピーンと張り詰める。


治ってくれ、治ってくれ。


風太、お前は歩けるんだぞ。


俺は心の中で祈りながら風太の足に手を触れた。


その刹那!


俺の脳にある映像が飛び込んできた!!


風太がハナちゃんと一緒に楽しそうに走っている映像である。


何だこれは――――!!




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