自分の今を見て、「感動した」とストレートに言ってくれた旧友の存在は、とても温かかった。

バスケ部以外の友達は少なく、勉強もろくにせず成績も底辺が指定席、体育館と汗臭い部室とにだけ自分の居場所を見いだしていたという狭い世界に住んでいた高校時代。そんな自分にとって、部活と掛け持ちで応援団を堂々と張り、交友関係が広く、学業も優秀で誰からも一目置かれる存在だった彼は、自分とは、まるで正反対であり、純粋に「すごい奴だなあ」と思っていたものだ。ひょろひょろだった自分は、強靭な身体を誇っていた彼のようになるべくと、彼が好物だと言っていたチョコレートをやたらと食べた時期があり、今思うと、他にも理由が深層にあった気がする。

そんな高校時代の同級生/チームメイト黒田が、途中の大雪に計画を阻まれそうになりながらも、家族を連れてはるばるテネシー州から来てくれた。自分の事で手一杯だった高校時代。見えぬ将来を考えた時に、異国の地は想像すらしなかった。そんな人生の若かりし一幕に共に汗を流した友人と、お互いの家庭を交えてアメリカで会うというのは、想像していた以上に感慨深いものがあった。

リードをとりたがるという年上の博之君と、付いていく方が好きな謙信は馬があったようで、すぐに仲良くなり、また友達が泊まりで遊びに来てくれたのが初めてだったこともあり、その興奮っぷりは、今までに見た事がないレベル。彼らが帰った後に、博之君が座っていた席でご飯を食べたがる姿は微笑ましかった。お互いの次男坊は、あまり展開が分かっていなかったようだけれども、次に会うときが楽しみである。互いの伴侶も、会う前から「きっと気が合うだろうな」と勝手に思っていた通り。

アメリカに来てから、常に「前に、前に」と生きてきた。その原動力の大きな一つである懐かしい顔達と思い出達。実際に会う機会は中々なく、いつも会うのは頭の中。一緒にビールを飲んで語らっていた時間は、なんとも幸せでした。


さて、留学してから続けてきたブログ。大きな転機がある度に移行してきました。
このぬるいタイトルのブログも、ここで一旦終了します。大切な友人の事が最後のエントリーとは、なんとも嬉しい終わり方です。

今後も細々とどっかで続けてこうかとも思っていますが、今のところ未定です。
不定期に更新される拙い文章を読んでくださった方々、どうもありがとうございました。