久しぶりにAthletic Training関係の事を書こうと思います。
(それでもやはりバスケ関係なのですが)
Concussion(脳震盪)についてです。
脳震盪は、頭部へのインパクトによる脳に対するダメージですが、単なる打撲や出血などに留まらず、Chemical Injuryと言われることがあるように、脳内の無数の化学物質も大きく関連している、対処が非常に難しい怪我です。
特に危険なのが、second impact syndromeと言われる、最初の脳震盪が治りきる前に受けるインパクトによって起こる症候群で、死亡率はほぼ50%に、障害が残る確率はほぼ100%にもなります。
脳震盪を発見すること、そして適切なマネジメントは選手の命を大きく左右します。
昨日のHornets vs. Cavaliersの試合中、HornetsのベストプレイヤーであるChris Paulが相手選手との接触で頭を打って倒れ、spine board(日本語でもスパインボードなんですね)に固定されてコートを離れました。
(spine boardに固定されているのは、頭部へのインパクトによる頚椎骨折の可能性を考えての対処です)
さて、Chris Paulはいつ復帰するのでしょうか。
昨日の試合は復帰せず(本人は行けると言ったそうですが)、今晩の試合も出場しませんでした。
これは、Hornetsのメディカルチームの判断です。
他のメジャースポーツと違い、NBAは脳震盪に対するポリシーが確立されていません。
(恥ずかしながら)自分がそれを知ったのは、今年の初め、BucksのLuc Richard Mbah a Moute (変わった名前ですが、カメルーン出身UCLA卒の選手です)が自身の脳震盪受傷と、メディカルチームの対応に対してメディアに口を開いたことによってです。
http://sportsillustrated.cnn.com/2011/basketball/nba/02/08/concussions.ap/index.html
UCLAでプレーしていた時は、脳震盪から復帰するのにNeurocognitive test(症状、記憶、バランス、反応速度などをチェックするもの)をパスすることが義務付けられていて、それに8日間要したのに対し、今年の初めの脳震盪では、いくつかの質問をに答えただけで、”You are fine”とゴーサインが出たことに疑問と、そして不安を感じたのでしょう。
(ちなみに、今取り組んでいるプロジェクトで、このNeruocognitive testの分析をしています)
たとえばNFLでは、試合もしくは練習中に脳震盪を受傷して症状が確認された場合、その後の経過は関係なしに、その日の内に試合や練習に戻ることはできません。
リーグのポリシーがそう定めています。
以前は、意識を失った場合はその日の内にプレーできないというのが決まりでしたが、より厳しくなっています。
また来シーズンからは頭部へのインパクトが確認された場合、サイドラインでのneurocognitive testが義務付けられるとの事です。
MLB, NHLにもそれぞれのポリシーが確立されています。
4大スポーツの中でNBAだけが脳震盪に対するポリシーを持っていません。
理由に、その脳震盪の頻度が理由として挙げられています。
フットボールやホッケーと違いボディコンタクトが制限されているし、ベースボールのように160km/hの速球が飛んでくるわけでもありません。
ですが、実際に今シーズンだけでもSasha vuajcic, Carlos Delfino, Taj Gibson, Corey Maggette, Luc Richard Mbah a Moute, Mike Miller, そして今回のChris Paulと、7件もの脳震盪が起こっています。
(追記:上記の選手達はシーズン開始から2月15日まで、2月15日以降の一ヶ月弱で、Vince Carterをはじめとする4選手が脳震盪か、脳震盪の可能性があると判断されて欠場しているようです)
Delfinoは、復帰するまでに2ヶ月半を要しました。
勿論、NBAのAthletic Trainer達はこの道のプロ中のプロですし、チームドクターをはじめとするサポートも徹底されています。
が、やはりそれぞれに得意分野があり、さらにスポーツの性質上、NFLやNHLのATやドクター達に比べれば、脳震盪を扱う頻度は少ないのは当然です。
それに加え、リーグで統一されたポリシーがないというのは、非常に危険な事態を招きます。
今回のChris Paulの件は、レギュラーシーズンの一試合で起きましたが、仮にあの試合がNBA Finalのゲーム7だったらどうでしょうか?
ゲームに復帰していた可能性はゼロではありません。
脳震盪のマネジメントにおいて、主観性はできる限り排除されなければいけません。
選手の命に関わります。
そしてポリシーは、主観の入る余地を断ち切ります。
今回のリーグを代表するプレイヤーChris Paulの受傷によって、何かしらの動きがあると思います。
日本ではどう対応されているのでしょうか?
以前お話をする機会があったATの方は、プロ野球で働いていた方ですが、選手が頭にボールを当てられて倒れても、ATは出て行くことが許されていなかったそうです。じゃあ誰が評価するの?という話です。
数年前の話ですので今では分かりませんが。
大学、高校レベルではどうなのでしょう。
日本でのAthletic Training普及に関して、ATを配置することによる脳震盪マネジメントの徹底というのは大きな意味をもつと思っています。(医療法とか、いろいろ課題はあるでしょうが。。。)
だらだらと書いてしまったので、この辺りで。
(それでもやはりバスケ関係なのですが)
Concussion(脳震盪)についてです。
脳震盪は、頭部へのインパクトによる脳に対するダメージですが、単なる打撲や出血などに留まらず、Chemical Injuryと言われることがあるように、脳内の無数の化学物質も大きく関連している、対処が非常に難しい怪我です。
特に危険なのが、second impact syndromeと言われる、最初の脳震盪が治りきる前に受けるインパクトによって起こる症候群で、死亡率はほぼ50%に、障害が残る確率はほぼ100%にもなります。
脳震盪を発見すること、そして適切なマネジメントは選手の命を大きく左右します。
昨日のHornets vs. Cavaliersの試合中、HornetsのベストプレイヤーであるChris Paulが相手選手との接触で頭を打って倒れ、spine board(日本語でもスパインボードなんですね)に固定されてコートを離れました。
(spine boardに固定されているのは、頭部へのインパクトによる頚椎骨折の可能性を考えての対処です)
さて、Chris Paulはいつ復帰するのでしょうか。
昨日の試合は復帰せず(本人は行けると言ったそうですが)、今晩の試合も出場しませんでした。
これは、Hornetsのメディカルチームの判断です。
他のメジャースポーツと違い、NBAは脳震盪に対するポリシーが確立されていません。
(恥ずかしながら)自分がそれを知ったのは、今年の初め、BucksのLuc Richard Mbah a Moute (変わった名前ですが、カメルーン出身UCLA卒の選手です)が自身の脳震盪受傷と、メディカルチームの対応に対してメディアに口を開いたことによってです。
http://sportsillustrated.cnn.com/2011/basketball/nba/02/08/concussions.ap/index.html
UCLAでプレーしていた時は、脳震盪から復帰するのにNeurocognitive test(症状、記憶、バランス、反応速度などをチェックするもの)をパスすることが義務付けられていて、それに8日間要したのに対し、今年の初めの脳震盪では、いくつかの質問をに答えただけで、”You are fine”とゴーサインが出たことに疑問と、そして不安を感じたのでしょう。
(ちなみに、今取り組んでいるプロジェクトで、このNeruocognitive testの分析をしています)
たとえばNFLでは、試合もしくは練習中に脳震盪を受傷して症状が確認された場合、その後の経過は関係なしに、その日の内に試合や練習に戻ることはできません。
リーグのポリシーがそう定めています。
以前は、意識を失った場合はその日の内にプレーできないというのが決まりでしたが、より厳しくなっています。
また来シーズンからは頭部へのインパクトが確認された場合、サイドラインでのneurocognitive testが義務付けられるとの事です。
MLB, NHLにもそれぞれのポリシーが確立されています。
4大スポーツの中でNBAだけが脳震盪に対するポリシーを持っていません。
理由に、その脳震盪の頻度が理由として挙げられています。
フットボールやホッケーと違いボディコンタクトが制限されているし、ベースボールのように160km/hの速球が飛んでくるわけでもありません。
ですが、実際に今シーズンだけでもSasha vuajcic, Carlos Delfino, Taj Gibson, Corey Maggette, Luc Richard Mbah a Moute, Mike Miller, そして今回のChris Paulと、7件もの脳震盪が起こっています。
(追記:上記の選手達はシーズン開始から2月15日まで、2月15日以降の一ヶ月弱で、Vince Carterをはじめとする4選手が脳震盪か、脳震盪の可能性があると判断されて欠場しているようです)
Delfinoは、復帰するまでに2ヶ月半を要しました。
勿論、NBAのAthletic Trainer達はこの道のプロ中のプロですし、チームドクターをはじめとするサポートも徹底されています。
が、やはりそれぞれに得意分野があり、さらにスポーツの性質上、NFLやNHLのATやドクター達に比べれば、脳震盪を扱う頻度は少ないのは当然です。
それに加え、リーグで統一されたポリシーがないというのは、非常に危険な事態を招きます。
今回のChris Paulの件は、レギュラーシーズンの一試合で起きましたが、仮にあの試合がNBA Finalのゲーム7だったらどうでしょうか?
ゲームに復帰していた可能性はゼロではありません。
脳震盪のマネジメントにおいて、主観性はできる限り排除されなければいけません。
選手の命に関わります。
そしてポリシーは、主観の入る余地を断ち切ります。
今回のリーグを代表するプレイヤーChris Paulの受傷によって、何かしらの動きがあると思います。
日本ではどう対応されているのでしょうか?
以前お話をする機会があったATの方は、プロ野球で働いていた方ですが、選手が頭にボールを当てられて倒れても、ATは出て行くことが許されていなかったそうです。じゃあ誰が評価するの?という話です。
数年前の話ですので今では分かりませんが。
大学、高校レベルではどうなのでしょう。
日本でのAthletic Training普及に関して、ATを配置することによる脳震盪マネジメントの徹底というのは大きな意味をもつと思っています。(医療法とか、いろいろ課題はあるでしょうが。。。)
だらだらと書いてしまったので、この辺りで。