自分の職業を尊敬することなく、相手からの尊敬を期待するのは間違いだと思う。
同時に、相手を尊敬することなく、相手からの尊敬を期待するのも、また間違い。だと思う。
先週末の柔道トーナメント。
今回は911をコールするような事態は起こらず、多少の流血と肉離れ、膝の怪我が一つ、という感じでした。
柔道のトーナメントをカバーしてて一番多いのは、試合中の流血の対応。
止血をして、血の付いた柔道着を消毒するために畳に上がることが頻繁にあります。
トーナメントの前半は、小学生の試合。
これがもう、とてもかわいい。彼らは本気なので微笑ましいといったら失礼なのかも知れませんが。
1人の子(小学校低学年)は、試合開始の合図と同時に勢いよく相手に向かって行ったはよいものの、その勢いのまま投げられちゃいました。
他にも、寝技に持ち込もうとするものの上手くいかず、相手の回りをクルクルまわっていたり。
面白いな、と思ったのは、強い子は試合前後の礼がピシッとできていることです。
年齢が上がるにつれ、投げ技のテクニックも力強さも増すので、見ている側としても緊張する場面が何度かあります。二試合が並行して行われるので、片方だけに注意を傾けるわけにはいきません。
同時に二試合を視野にいれるようにするので(これはバスケットで培った視野が役に立っているかも)、仕事の後はちょっと目が疲れます。
柔道の好きなところは、見事に投げられて一本をとられた瞬間の"やられた"という悔しい表情が、相手の技術を褒め称える表情に変わる瞬間。みていてとても清清しいです。
割と平和にトーナメントが終了した後、来月のトーナメントもカバーして欲しいと頼まれました。
自分にとってもいい経験になるし、大会のスタッフもいい人たちばかりだし、柔道のルールや判定も理解して以前より楽しいので引き受けました。
スタッフの一人は、EMTとして働いていた経験もある人で、彼からは、いわゆる民間療法の類に分類されるかもしれませんが、現場で使えるテクニックを教わったりもします。脊柱への刺激で喘息をコントロールする事を教わりました。理論は?マークですが、実際に目の前で喘息が和らぎましたから。面白いです。
そのあと、ディレクターと少し雑談をしたのですが、これが本題です。
柔道のトーナメントは全米各地で行われていて、必ずアスレティックトレーナーが雇われます。
ですが、行われている試合に注意を払わないアスレティックトレーナーの多さを嘆いていました。
携帯をいじっていたり、音楽を聴いていたり、本を読んでいたり、居眠りしたり。
そういう人は、審判や他のスタッフに何度も呼ばれて、ようやく気づいて畳に向かうそうです。
自分にまたカバーして欲しいと思う一番の理由は、選手や柔道に対するリスペクトを感じるからだそうです。
喜んでいいのか、分かりません。
柔道のように怪我のリスクが比較的高いスポーツに限らず、進行している試合や練習に注意を払い続けることはアスレティックトレーナーの仕事の基本中の基本。それを忘れているのか何なのか、疎かにしている人がとても多いように感じます。
Univ. of ArkansasのDaveは、この道20年以上のベテランですが、練習中に一度として腰を下ろさずにジッと練習を見ていました。練習中のATの態度としては、彼は自分のモデルです。
アスレティックトレーナーはアスレティックトレーニングを尊敬するべきだし、
同時に、そのスポーツを、アスリートまたは患者を尊敬するべき。
そして、それを態度で、行動で示さなければいけないと思う。
そうしてこそ、自分達も相手からの尊敬を得る事ができると思うし、それを期待する資格があると思う。
もうすぐ三月なのに、相変わらずの雪景色です。