3回目は、Muscle EnergyとPNFについてです。
MEは文字通り、患者本人の筋肉の力を使ってのトリートメントです。
PelvisのAnterior/Posterior tiltを矯正するのによく使われるので見た事がある人は多いと思います。
PNFと聞いてストレッチがまず頭に浮かぶ人が多いのでは。
Michigan StateはPNFが有名で、少なくともフットボールチームでのストレッチやトリートメントはPNFを多用します。
選手が"PNFやってもらっていいか?"って聞いてくるのには、最初は違和感がありました。
今回は、このMEとPNFについて、テキストと講義で習った事を少しだけまとめてみようと思います。
まずはMuscle Energyから。
A manual medicine treatment procedure that involves the voluntary contraction of patient muscle in a precisely controlled direction, at varying levels of intensity, against a distinctly executed counterforce applied by the operator
とテキストでは定義されています。
リストにすると、こんな感じになります。
1. Patient-active muscle contraction (患者による筋収縮)
2. Controlled joint position (正しい関節の位置)
3. Muscle contraction in a specific direction (的確な方向への筋収縮)
4. Operator-applied distinct counterforce (施術者による抵抗力)
5. Controlled contraction intensity (的確な筋収縮の強度)
1.のPatient-active muscle contractionとあるように、どれだけの力を使うかは、患者次第。
前回か前前回に書いたSomatic Dysfunctionを矯正するという目的は同じであれ、Manupulative treatment(カイロプラクターがバキッとやるアレです)と違うのは、患者が不快ならば止める事ができるのが一点。
その点、安全です。
Manupulative treatmentでは、不快だろうとなんだろうと、患者は治療家からのハイスピードのエネルギーを止める術はありません。
2.のControlled joint positionと、3.のMuscle contraction in a specific directionは解剖学がとても重要。
同時に、おそらく次回に書くであろうMotion Barrierを手で感じる事がキーのように思います。ここでもまた、手の感覚です。
Piriformisを例にとってみます。
この筋肉はSacrumのdysfunctionにアプローチをする上で重要なのですが、Piriformisを"Sacrumが起始でGreater trochanterが停止"と覚えているだけでは不十分です。
下の写真にあるように、Piriformisの起始はSacrumのanterior surfaceです。
これを理解していないと、Muscle Enegerを使ってトリートメントをする際の患者のとるポジションと動作のつじつまが合わなくなってしまい、"暗記型"の治療になってしまいます。

また、アプローチをする関節のOpen Packed Positionを理解することも大切です。
各関節のOpen Packed Positionについても、いつかまとめれたらな、と思います。
4.のcounterforce applied by the operatorと、5. Controlled contraction intensityは、Muscle Energyを使う上で自分達が気をつけなければいけない点。
Muscle Energyトリートメントにおいて、患者は大きな力を使う必要は全くありません。
ただ、トリートメントをする側が大きな力を加えてしまうと、それに対抗すべく患者は大きな力を出してしまいます。
クラスではIsolytic contraction(concentric effort result in isometric contraction due to external force applied by the operator in the opposite direction)"を使うテクニックを習ったのですが、患者が力を出しすぎてIsotonic contractionになってしまわないようにしないといけません。
クラス中、なんどもtoo much forceと注意を受けました。
また、対象が自分よりも力の強いアスリートだったら、自分の身を守る意味でも。
彼らが全力で力を出したら、吹っ飛ばされてしまいます。
また、力を加える際に、どのように患者に手を当てるかも考えるべき点です。
手のひらを、ベタッとつけてしまうと、患者はどの方向に力を加えればいいのかが曖昧になってしまいます。
トリートメントをする部位にもよりますが、例えばC-Spineに対してMuscle Energyを使う場合は、指一本でcounterforceを加えます。
これで十分な力だし、患者としても、力が加えられている方角がはっきりします。
Muscle Energyはとても広義で、自分がクラスでならった他にもIsometric、 Concentric、 Eccentricを使うものもあります。
pelvic anterior/posterior rotationを矯正する時によく使われる、起始と停止を逆にするアプローチもMuscle Energy。
Spineに対するMuscle Energyトリートメントは、Localized PNFと表現する事もできそうです。
(この辺は、次のBarrier Conceptでまとめられたら、と思います)
PNFについても書こうと思いましたが、ここら辺で一度、筆というかキーボードを置こうと思います。