路傍の石・野に咲く花@ビエンチャン・ラオス | Over the Bridge on the River

路傍の石・野に咲く花@ビエンチャン・ラオス

 ラオスの首都、ビエンチャンのバスターミナル。七、八才の女の子が、バス待ちの人々にガムを売っている。なかなか売れない。二十代半ばの白人男性が、最初の客になってくれる。それを見ていた、日本人、女の子を手招きする。女の子の顔には、警戒、戸惑い、期待の色。


「それいくら?」


ラオス語を耳にした途端、安堵の表情。


「2000キップです」

「どれにしようかな?」


近くにいた、あと二人の女の子(一人は幼児)がやってくる。


「私のも買って!!」

「私のも!」


なんとか、自分のガムを買ってもらおうとするあまり、内輪で喧嘩まで。


「まあ、落ちつけよ。一人一個ずつ売ってくれ。それから、喧嘩せず、仲良くしなよ」


「あの子は、すぐ、カッ、となるのよ!」

「どの色のガムがいいかな?あの子があのガムだから、私はこのガムにしようかな?」

「たいへん!おつりがない!・・・ちゃん、両替してくれる?」


女の子たちと、日本人、暫くおしゃべり。

女の子たちは、他の旅人のところへ。

日本人は、ノーンカーイ行国際バスへ乗り込む。


ラオスの空の下、日本の空とつながっている、日本の空と同じ、あの空の下、あの女の子たちが、今日も元気でガムを売っていますように。そして、時々けんかして、時々泣いて、時々笑顔を浮かべていますように。


By Crying Freeman
Over the Bridge on the River-Fountain at Vientian