昔、天使の格好をしてタクシーに乗ったことがある。何かのパーティでそれが条件だった! (仮装しなきゃ参加できないからね! と彼女は言った)
電車に乗るのはちょっとと考えてタクシーを選んだ。
「ちょっとお客さん」 と運転手、「なんもタクシーに乗るまえからそんな格好しなくても!」 と不機嫌。
「・・・・ごめんなさい!」
「・・・・」 運転手はそれ以上不機嫌なことは言えなくなって、「・・・そんなンじゃ座りにくいでしょ?」 と自分を正当化するように呟いて指定の場所へ発進させる。
・・・・ボクは考える。
確かに会場に着いてからでもよかった。そのほうが天使だと気づかれにくい!
仮装が〝条件〟としても宙を飛ぶわけにもいかない。飛んでしまえばあっさり辿り着けるとしても、そうはいかない。
『ベルリン・天使の詩』 という映画があった。
これ(シティ オブ エンジェル)でもいい。 要するに〝天使〟がタクシーに乗ってもおかしくない! ってことが理解できれば。
・・・・ということで、会場に着くと本物の〝天使〟は居ない。ボク以外みんな〝仮装〟してる。
「・・・・」 と見るなり彼女、背中に付いた羽を本物の〝翼〟みたいに、「すご~ィ!」 と喜んで迎え入れてくれた。(そのまま触ろうとするのでその手を掴むボク)
「触らないで!」 と首を振る。「ダ~メ!」
すると、彼女の眼が〝なぜ?〟と見つめ返すので、「触ると、鳥インフルエンザが移るから!」
と返すしかない!
「あっ鳥なんだ!」 と彼女に笑顔が戻り、「てっきり天使かと思っちゃった!」
(・・・・キズ付いた!) 〝翼が折れたエンジェル〟という歌があった。たぶん〝の〟だと思うけど、どうでもいいやね。
会場には、神さまも来ていた。
「本物ですか?」
「こんな場所でしか羽を伸ばせない!」 と彼はボクの羽に触れ体温を感じ取る。と、「・・・のと、いっしょだ!」 と答え、傍らに座るようすすめる。
(こっそり楽しもうじゃないか!)
(この女優、才能があってもモひとつメジャーになれないのがわかる気がする!)
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