
渋滞に嵌まったトラックのおねーさんが退屈のあまり歩道をテクテク歩くボクに声を掛ける。何度もボクに追い抜かれたトラックだ。
「どこまで行くの?」
ボクはまだ遠いこの先の海をつたえる。
「だいぶあるね~!」とながい渋滞のもっと先をみて細いからだのおねーさん、「どっちが早く着くかな~?」
「乗せて!」
とボク、トラックに乗るのはキライじゃない。小学校のころよくセリ市場のトラックに乗せてもらった。荷台に跳び乗るコツはそのとき身についたと思う。
「いいよ!」
と、むかしを思い出すような気持ちイイ返事が返ってくる。そして、胡坐を組んでいた脚をおねーさんは座席から下ろして、助手席に放ってあった〝スケベ本〟を片付ける。
「男じゃないンだから!」(スケベ本じゃないよ!) とおねーさん、女子の〝オシャレ〟情報誌だと言い張る。
海の、涼しい風が吹いてた。
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