悦びのない人生は油のないランプである。

ウォルター・スコット 「海賊」

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彼女はホテルにいない、

ホテルの部屋が広く、暗く、静かに感じる

彼女にメールした

「明後日、日曜日は暇?

 俺は暇

 遊んであげてもいいけど?」

すぐ、返信が来た

「素直じゃない、言い方じゃわかんない~」

「映画いこ」

と一言、言うと

「うん。いいよ楽しみ」

彼女の日曜日の予定を押さえた。

約束した後で気づいたが、ホワイトデーである。

俺でいいのかな?と思ったが

まぁ、断らなかったからOKとするか・・・

結局この日も店に飲みに行き

土曜日も店に飲みに行き

土曜日の夜、飲み過ぎて吐いたら血が出た。

ゲロにまみれた血と、鼻血が同時多発テロだった。

日曜日、13時頃、彼女にメールしたら

そろそろ、迎えに行きますとメールが返ってきた。

彼女の車に乗り込むと

「花の慶次~愛~が出たらしいけど、名取のマルハンにないかな~」

と言われ、俺の中の漢(おとこ)がざわめいた。

携帯にて、P-WORLDで検索、名取のマルハンに80台入っているらしい。

まぁ、その事はおいといて

名取のダイアモンドシティに行く事となった。

日曜日と言う事もあって、凄い人だ。

腹が減ったので

フードコートに行く事になった。

彼女と出会った最初の頃、

「男の人がいっぱい食べてる所を見るのが好き」

と言っていたのは、覚えていたが

おいおい、

・丸亀製麺の釜揚げうどん

・丸亀製麺のかけうどん

・丸亀製麺のかしわの天ぷら

・吉牛の牛丼

・吉牛のそば

・ピザ

は頼みすぎだろ。

パーティーか

案の定、彼女はほとんど食べない。

俺は、苦しくなりながら、全部食べた。

彼女は満足そうだ。

食事を終えて、彼女とプラプラ店内を見て回る。

ゲームセンターに入り

色々見て回ると

そっと、彼女の手が俺の手を握った。

俺は、

この時、

彼女の心の声を聞いた。

今まで、客とスタッフと言う越えてはいけない壁があった。

それは、何度、体を重ねようとも消えない壁。

ミスチルの「しるし」より

半信半疑、傷つかない為の予防線を

今、微妙なニュアンスで君は越えようとしている。

その歌詞通りの気持ちが俺の心を埋め尽くした。

手を繋ぐと言う行為には、俺と彼女の場合深い意味がある。

客とデートする場合、手を繋ぐ必要はない。

むしろ、興味のない客とデートする時に手なんて握って廻りに誤解されたら、たまらない

客が客ではなくなって、相手ともっと繋がりたいと思った瞬間。

彼女の手を繋ぐと言う行為になる。

俺は、手を繋ごうとしていたが、その気持ちを知る為に

わざと、手を繋がなかった。

俺はご機嫌だった。

特におもしろそうな映画もなかったので、

マルハンへ行く事となった。

二人は意気込んで車を降り、慶次へ向かったが、やはり満席。

もの凄くでていた。

彼女が戦国乱舞が好きだというので、

二人で並んで座ると。

長谷川の鬼引き発動

500円でかかり、二箱出た。

悔しそうに彼女はみている。

二箱を換金して、二人は別々に台を捜し始めた。

俺は、スロットに行こうと思い彼女にその事を伝えようと

彼女を捜していた。

慶次のあたりを探しているとき

急に足下がぐらついた。

地震だ。

天井の蛍光灯が大きく揺れる。

そのまま、パチンコしている人、店外へ逃げる人。

雑踏の中、振り返ると怯えた顔の彼女が、俺の服の袖をぎゅっとつまんだ

その瞬間、揺れも収まり、彼女は

「あ~楽しかった」

強がりである。

だが、それがいい

二人は、スロットのエヴァに向かった。

彼女に座らせ、俺の金で打たせる。

千円で引いた彼女はびっくりしていた。

400枚くらいやで、8000円くらいになるよ。

と言うと、換金する!となり

彼女ちょい負け、俺ちょい勝ちとなった。

その後に、ドンキホーテのエロコーナーで

エロアイテムの長谷川講座を開催したあと

帰り道で、客からひっきりなしに電話、メールが来る

彼女は一応、ディーバのNO.1である。

俺は、ホテルに着き、日々の疲れからか、眠ってしまった。

が、

夢に彼女が出てきて、

「助けて」

と言った。

びっくりして起きたら、10時過ぎ、

そうだ

ディーバへ行こう。

彼女は笑顔で迎えてくれた。

「お帰り」

「ただいま」