家路を急いで駅に向かうあなたに、「これ、落としましたよ」と声をかける男性。そんな彼の手には……懐かしいあの“コアラのマーチ”が! こんなナンパはどうですか? ときめきましたか?
これは瀧波ユカリさんの4コマ漫画『臨死!!江古田ちゃん』のなかで、主人公の江古田ちゃんが遭遇したナンパの手口です。江古田ちゃんには「そんなんじゃダメ」と一蹴されてしまいましたが、世の男性がナンパに知恵をふりしぼっていることはわかります。
しかし、それもそのはず。進化心理学では、ナンパは“短期的配偶行動”、つまり“深い感情的結びつきや、長期間のつきあいを伴わない性的関係を求めること”とされています。ナンパはそもそも子孫を残すための本能的な戦略だったのです。
このように、実は学問的に研究されているナンパですが、東京大学教養教育高度化機構の特任講師である坂口菊恵氏は、ナンパを
「道を歩いていて、自分が好意をもって注目していたわけではない見知らぬ男性から、明らかに性的な誘いを目的として声をかけられたり、後をついてこられたりすること」
と定義し、様々な角度から分析しています。これから、坂口氏の著作『ナンパを科学する』をもとに、ナンパにまつわる“常識”を5つ、科学的に検証することにしましょう。
今回は【前編】として、“ナンパされると女性はうれしい”などの3つをご紹介します。
■1:ナンパされると女性は嬉しいなんて嘘!
男性は、“魅力のある女性に声をかけているのだから、相手も悪い気はしないはず”と考えています。
そこで、坂口氏は関東の共学の大学および女子大の大学生420人を対象に、ナンパについての意識調査を実施しました。
その結果、“ナンパされると女性は嬉しい”は嘘! なんと対象となった女性の 85%は“不快であった”と回答したのです。
とはいえこの結果、男性をイケメンに限った場合はどのように変化するのでしょうか? とにかく、多くの女性にとってナンパは不快ということでよろしいかと思われます。
■2:ナンパされやすい人は痴漢もされやすいのは本当!
これは本当! 同じ調査で、ナンパされやすい人ほど痴漢されやすい人ことがわかりました。
ちなみに、痴漢を“不快であった”と回答したのは対象となった女性の97%です。痴漢もナンパも、女性にとってはそんなに違わないということを、男性は覚えておく必要がありそうです。
■3:“ナンパされるのは大人になったから”なんて嘘!
嘘です。
ナンパされる頻度は、高校入学以前と高校入学以降で変わらないことがわかりました。つまり、ナンパされやすい人は中学生でも大学生でもナンパされやすい、ということです。
それにしても、中学生をナンパするって……? 同世代のやりとりであったことを願うばかりです。
いかがでしたか? はいよいよ“ナンパされる女性には隙がある”という、ナンパの超常識を含めたふたつを検証します。はたしてこの“常識”、嘘? それとも本当?
お楽しみに!
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