よくよく考えると、
夜関係の仕事をしている相談者の数は、
800人を超えていました。
キャバクラ、
ヘルス、
ソープ、
クラブ、
ありとあらゆる夜の仕事の女の子達です。
しかも、
彼女らが中高生の頃から相談に乗っており、
私生活の事から、
彼氏の事、
夢の事など、
様々言葉を交わしてきました。
大まかにまとめてしまうのは難しいですが、
ほとんどの子は
『自分に自信がない』
ところから始まり、
『自分にできて、
高収入な仕事』
というルートを選んで、
その道を歩む人も多いです。
ですが、
仕事をし出して、
少しずつ人に褒められる事が増え、
自信を持つ子もいます。
それがたとえ、
下心ある褒め言葉であっても、
褒められるという事が、
人にとって自信を持てるキーになっているのは、
どうやら間違いないようです。
もちろん、
自尊心を奪われ、
夜の世界に行く子も少なくありません。
性的な被害にあった子や、
親から暴力を受けた子、
その他にも、
イジメられていた子もいます。
その子達は、
自分を愛するとか、
自分を大切にするという、
抽象的ではあるけど大切な事ができません。
他者によってそうする事を奪われたからです。
性的な被害を受けた子は、
自分を汚れた存在だと思い込んだり、
自分に価値が見出せずに、
SEXをする事で、
相手が喜んでくれるなどの反応が、
自分の価値だと思い込んでしまう事があります。
性被害者の人達は、
男性恐怖症になったりするイメージがありますが、
逆に自分の性に対しての防衛反応が低くなり、
複数の男性とベッドをともにする人も少なくないんですね。
それを繰り返しているうちに、
自分は喜べないが、
相手が喜んでいる事が自分の価値だと思い、
夜の世界へ行くという事があったりします。
少なくとも、
800人を超える相談者のうち、
10%近くが性被害者で、
男性の性欲に嫌悪しながらも、
そこに価値を見出してしまった子がほとんどです。
親から傷害としての暴行を受けた、
いわゆる虐待を受けた子達は、
夜の世界に行くと、
彼女らの性を商売道具に思っている連中にすれば、
良い働き手です。
彼女らは暴力的な言葉一つで、
完全に萎縮してしまい、
殻に閉じこもります。
コントロールしやすいと、
ホストをしている相談者が言っていました。
しかも、
それで終わらせずに、
彼女らを言葉巧みにベッドに連れて行き、
SEXをした後に、
これぞとばかりに甘い言葉をかけ続ければ、
もう完璧にこっちのものだとも言っています。
確かに、
そういう傾向が強い。
これはイジメ被害者にも同じ事が言えます。
ホストにハマった子や、
借金返済のためという子も結構います。
まず、
お金を出してあげる事はできませんし、
ホストにハマっている子を、
言葉だけで抜け出させる事などできません。
僕にできる事は、
彼女らの苦しみに寄り添い、
言葉を聞き、
万が一の時に助けれるように準備しておく事や、
精神的に危うくなったり、
ドラッグなどの問題に関わる子達の救済のため、
セーフティーネットを張っておく事です。
自分の判断で働いている事を非難する事など、
ありえません。
夜の仕事をしている子の多くは、
こちらが何も言っていないうちから
『私は今の仕事にプライドを持っている』
と主張する場合があります。
これは、
自分が一番気にしている『人目』に対する、
防御的な攻撃なんですね。
それは理解できるので、
仕事の非難などしませんし、
それで個人の人格が問われるなどと、
僕は一切思っていません。
大切なのは、
何を思い、
何を大切にして
『生きているか』
です。
それで人の価値が決まる。
生きている事、
それすなはち
『人間の価値』
なんですね。
夜の世界の相談者と話している内容は、
確かにディープな内容が多いのは多いですが、
昼の世界で苦しんでいる子達に比べ、
自分を出しやすいというか、
自分の過去を話すのに、
必要以上のブレーキが利いていないことが多いです。
それこそ下ネタもたくさん飛び交いますが、
ピュアな部分も恥ずかしげなく話せます。
そういう意味では、
少しずつではありますが、
自分に自信を持つという事が、
以前よりはできてきているというのがわかります。
その子達と話していて思ったのですが、
なぜ夜の世界の子達というのは、
あんなに
『EXILE』
と
『Janne Da Arc』
もしくは
『Acid Black Cherry』
が好きなんでしょうか。
確かに、
男前だとは思いますが、
なぜそんな多くの子が…?
800人の子達に、
それぞれ聞いてみましたが、
回答率94%で、
どちらかが好きだという子は、
何と
『81%』
もいたんですね。
僕がボランティアでやっている、
ヤンチャな中高生の学力支援の学習会で、
子ども達に聞いてみましたが、
ほとんどは
『カッコイイとは思うけど、
別に惚れるほどではない』
という感じでした。
一体何がそうさせるのかなぁと思います。
しかし、
先日放送された、
FNS歌謡祭に出演されてる『EXILE』を見て、
なるほどと思いました。
ありゃ、
とんでもなく歌上手いし、
声良いし、
歌詞が何と切ないものでしょうか。
全てがあいまって、
総合的に
『カッコイイ』
わけですね。
一言では表現できませんが、
全てが図抜けている感じがしました。
ありゃカッコイイわ。
しかも、
それは夜の世界で言う
『カッコイイ』
なんです。
特に、歌を専門にしているアツシ君は、
男気もあり、
優しく、
真面目な青年ですよね。
筋を通すタイプと言いましょうか。
男惚れされる男というのは、
夜の世界で言えば
『シブイ』
『カッコイイ』
わけです。
僕も夜の世界にいましたから、
昼の人間の『本音と建前』が象徴する『嘘』が、
子ども達を夜に向かわせ、
夜は夜で『欲望』の渦。
でも、
欲望はわかりやすい。
お金や性欲、
名誉や権力が支配していますから、
どれに属す人かわかりやすい。
一方昼の人間は、
笑顔で怒り、
怒っている内容は、
『お前はどうなんや?』
と言いたくなるほど裏と表の差が激しく、
また曖昧で、
わかりにくい。
昼の人間ほど、
扱いにくい人間はいないわけです。
どれが本音かわからないし、
本音はあっても、
行動が伴わないのがまた嘘臭い。
そして夜に沈んでいくと、
わかりやすい人間相手ですから、
どうすれば良いかわかるし、
どうすれば悪いかもわかる。
それでも、
本質が『善良』と『悪』の入り混じるグレーゾーンがゆえに、
傷つく人達もたくさんいる。
でも、
そんな世界にあっても、
男気だったり、
人を裏切らない心だったり、
自分のルールを曲げない事だったり、
痛みを知る者の優しさが、
何より温かい世界でもあります。
EXILEの皆さんからは、
そういった臭いがするわけです。
本当の優しさは、
自分に厳しい人が持ち得る、
弱さの中にあると思います。
アツシ君からはその臭いがしますね。
とにもかくにも、
夜の世界の女の子達と関わり、
たくさんの相談に乗ってきましたが、
一つ学んだ事があります。
『嘘』
はある程度容認されるが、
『裏切り』
は許されない。
という気質の人が多いんですね。
僕が相談者に、
どうしても治療が必要で、
本音だけで崩せない場合につく、
『医療を頼ろう。
今よりは前進するよ』
という、
説得の嘘。
それは時に許されますけど、
僕が相談者の個人情報を漏洩したり、
傷つける言葉を投げかけるなどの行為をした場合、
持ってくれていた信頼を裏切る事になります。
僕はもう2度と相談されないでしょうね。
僕はもちろんそんな事をする人間じゃありません。
ですが、
昼も夜も関係なく、
人を裏切るような行為はしてはいけない。
それを、
今の麻生内閣を見ていて痛感します。
800人の子達が言います。
『あいつら政治家が、
一番キタナイ。
人を平気で裏切るし、
裏切っても先生なんて呼ばれて、
人を人とも思っていない』
欲望渦巻く夜の世界では、
理性的な事はあまりできません。
人間の本性が出ます。
そこでたくさんの人達の内面を見てきた彼女らが言います。
きっとそれは本当の事でしょう。