昨日は、
毎週火曜日、夜7時からやっている学習会
『バチスタ』
の日でした。
名前の由来は、
心臓手術のバチスタではなく、
ちょーダサイんすけど、
正式名称を
『バッチリスタディ教室』
と言いまして、
(僕が命名したんじゃないですからね!ちなみに!)
略して『バチスタ』です。
まぁ、相変わらずヤンチャな小僧達と一緒に、
バカ話も交えながら、
ちょっとずつ勉強したりして、
遊んだりして、
とにかく落ち着いていられる空間作りを目指しています。
さぁ、昨日は嬉しいお客というか、
受講生というか、
8年前から面倒を見てきたユウヤが遊びに来てくれました。
遊びに来たというか、
勉強しに来たというか、
本人はそれなりに必死な顔で、
開口一番こう言いました。
『栄チャン!!
ちょっと勉強教えてくれへん!?
俺、数学ヤバいねん!!』
ノリが中学の頃と変わらないですねぇ…
もう20歳なんすけど???
コイツらの世代は、
ものすごくヤンチャでした。
10年間の学習会活動の中で、
至上最高に悪かったんじゃないかな。
夜中に警察からr連絡が来て、
何かと思って聞いてみると、
『身柄を取りに来て欲しい』
という事で、
何をしたかと聞くと、
『大型物販店で、
液晶テレビを盗もうとして、
捕まえました』
…
……
………
『お気になさらずに、
留置所なり少年院なり鑑別所なり、
好きなところに送致してください』
と言っては、
翌朝迎えに行ったものです。
暴走行為もあれば、
暴力事件も散々ありましたし、
その仲介に何度足を運んだことでしょう。
授業妨害など毎日。。。
学校から助けてくれと言われ、
授業に参加した事もあります。
しかしながら、
冗談で小突き合う事はしましたが、
僕は絶対に彼、彼女らを叱ったり、
怒鳴ったり、
殴ったりはしませんでした。
彼、彼女らは、
とうの昔から、
現在に至るまで、
あらゆる大人と社会に叱られ、
なじられ、
殴られています。
学習会のモットー、
『絶対に叱らない』
は、日常生活からスタートするものです。
僕は彼、彼女らに対して、
そのモットーを突き通しました。
一番手を焼いた世代ですが、
一番めちゃくちゃで楽しかったのかもしれません。
色んなところに出かけました。
合宿ではホエールウォッチングをしたり、
漁師体験をさせてもらったり、
農業体験をさせてもらったり、
野球を見に行ったり、
本当に色んなところに。
ヤンチャだけど、
素直でカワイイ連中です。
その中でもユウヤは、
かなり純粋で、
中学の先生から、
『普通科の高校は無理』
と言われ、
夜間高校か、
単位制の専門学校か、
どちらにするか迫られていました。
『散々悪い事してきたし、
その報いやわな…』
ある日ユウヤがそう言いました。
『へぇ、あれだけ教師に反発してたお前が、
その教師の言う事を、
こういう時は間に受けるんや?』
『べ、別にそんなんちゃうし!!』
『でも、教師に言われて諦めてるんやろ?』
『だってアイツらプロやろ?
俺にいけるとことかわかってるわけやん?
そいつらの言う事やから、
嘘はないやろ!?』
『あほやなぁ。
こう考えろや。
現時点では無理ってこと言われたんや』
『え?』
『今から2ヶ月間で、
足りひん内申点分取り返すぞ』
『は??
そんなん無理やって!!』
『やってみてから無理って言え。
何も無理な事はないねんで』
『…わ、わかったよ…』
ユウヤは本当に2ヶ月間で、
提出物をしっかり出し、
学校にも遅刻しないようになり、
早朝の勉強会にも参加するようになりました。
そして受験の日を迎え、
ユウヤは周りにあてつけるように、
見事合格してみせました。
本当に喜んでいました。
僕らも2ヶ月間、
完全バックアップ状態で、
マンツーマン指導をし、
足し算引き算からスタートしましたが、
2ヵ月後には因数分解は完璧にマスターしていました。
ヤンチャな連中というのは、
エネルギーが有り余っています。
そのエネルギーを、
良い方向へ傾けてくれたらなぁなんてよく聞きますが、
じゃぁ、そうさせるために周りの大人はどうすべきか。
僕らはそれを体現しました。
信頼し、
愛し、
褒めて育てる。
学力をあげるために重要なのは、
勉強させる『環境』です。
信頼してくれる人がいるから学習会に行く。
愛してくれる人がいるから、
挫けそうでもがんばれる。
褒められるからこそ、
伸びる。
簡単な事です。
そして2ヶ月間、
数人の仲間達と毎日、
土日も含め、
完全バックアップしてみせる。
僕らはそこまでやります。
本当に夢を持って生きていける連中の、
真剣な努力には真剣な努力で返します。
そしてユウヤは見事応えてくれた。
合格を知らされた時は、
本当に涙が溢れたものです。
手のかかる小僧達でした。
全員が高校進学を勝ち取りました。
一人の子どもが言いました。
『栄チャンらはさぁ、
おかしいよね。
なんで俺らみたいなクズを、
そこまでしてかまってくれるん?
俺は正直、
大人がわからんくなったわ…』
僕はこう答えました。
『おまえらが自分で自分をクズと思ってるからや。
全くそんな事はないって証明するのには、
これぐらいせなアカンやろ?』
彼は照れながら言いました。
『ありがとうな…』
ユウヤが急に勉強したいとバチスタに来た理由は、
『俺、将来の夢、
消防士になることやってん。
もう一回がんばろうと思うねん!』
20歳のユウヤが、
あの頃の情熱を取り戻したかのように、
また筆を持ち直しました。
『俺らがどんな事をする奴かは知ってるよな?
中途半端はなしや。
何年かかっても消防士になるぞ』
『当たり前やん!
ハンパはなしやで』
最強タッグ復活です。
地方公務員試験はかなり難しいけど、
何年かかっても必ず合格するでしょう。
僕らが教えてきたのは、
勉強ばかりじゃない。
僕らは諦めない。
その諦めの悪さこそ、
子ども達に伝承していきたい、
最高の力なんだと教えてきたつもりです。
きっとユウヤが証明してくれることでしょう。
そして今いる子ども達もまた、
諦めの悪いナイスな奴に育ってくれています(^-^)
