今日は久しぶりに遊びました。

遊ばれたというか…



ホストの晴明と、

ホステスの美佐、

元ホステスの真琴の3人と一緒に、

服を買いに行きました。



この3人は、

僕のしているメール相談の相談者でした。

今は相談関係というよりも、

友達として一緒に遊んだりする仲なんですね。



晴明はもうすぐホストを辞め、

車屋さんになるそうです。


美佐ももうすぐキャバを辞め、

長年の夢だったダンサーになるそうです。


真琴は既に結婚しており、

保育士として働いています。



晴明の家は、

父親がアル中で、

母親は父親の暴力に耐えかねて、

彼が小学生の頃に蒸発してしまいました。


それからというもの、

攻撃対象は晴明になってしまい、

今でも背中に大きな火傷の痕があります。


中学2年の頃、

父親とケンカになり、

父親を病院送りにしてしまった事で、

家にいられなくなってしまい、

それから夜の世界で生きてきました。


ホストになったのは2年前。

そして僕に相談してきたのは、

ホストになって2ヶ月経った時でした。



美佐の家は…

彼女は養護施設で育ちました。


付き合う人はいつも20歳以上年の離れた人ばかり。

彼女が見た事はない父親の影を追っている姿は、

痛々しいばかりでした。


その養護施設で講演をした時に、

彼女から相談されました。


相談に乗り初めて1年が経ち、

彼女が突然


『明日からアタシ、キャバクラで働くから』


と笑顔で言った時は、

複雑な思いがありました。


職業差別をするつもりはありません。


ただ、お店に来る客は、

彼女が惚れてしまいそうな年齢層の人が多いから。



真琴は北新地の高級クラブのホステスでした。

ある大物企業家の愛人をしており、

彼がのし上がるためという理由で、

政治家と寝た事も何度もあったといいます。


泥沼にハマってしまいそうな時に、

お店のママさんが偶然僕の知り合いで、

相談を持ちかけてきてくれました。


何事も


『もう遅いねん…

 落ちるとこまで落ちるしかないわ…』


と諦めていました。


支援しようにも、

もちろん簡単にはいきません。

あれぐらいの大企業になると、

裏の世界ともつながりあるのは最初からわかっていましたし。




相談をくれた頃の彼、彼女らは、

目を見て話す事ができませんでした。


それはなぜか。


自分に降りかかる不幸を、

自分の責任だと思っていたからです。

全て自分が悪いと思い込んでいたからです。



僕は彼、彼女らにまず、

自分の責任ではない事を理解してもらう事から始めました。




晴明には、

父親と話をさせる事にしました。

もちろんその前に、

僕が父親としっかり、しつこく、入念に話し合っておきました。

もちろん、晴明にもしっかり、しつこく、入念に話し合いしましたけど。


父親が


『お前が悪いんじゃない。

 酒に逃げてた俺が悪いんや…』


と涙を見せた時、

いつもは虚勢を張って偉そうにしている彼が、

まるで子どものように声をあげて泣いていました。




美佐には、

両親を探す手伝いをする事にしました。


彼女は諦めていたんですね。

探す事さえも諦めていた。


もちろん、

探し当てたとして、

両親がどのような扱いをしてくるか、

不安だったのもあるし、

どう話していいかわからなかったんでしょう。


しかし、一緒になって探しました。


努力の甲斐あって見事両親を見つけ出し…

と言いたいのですが、

世の中そんなに甘くないです。


一つだけわかった事は、

彼女の両親は借金取りに追われており、

夜逃げした先でも追い回され、

幼かった彼女を施設の前に置いていきました、

という事情だけでした。


遠い親戚のおじさんが言っていました。


『君はとても愛されていた。

 会えば君の話ばかりだった。

 自分達の着る服などいつも一緒だったけど、

 君の服だけはいつも違うものだった。

 両親は君を決して嫌いで捨てたんじゃない』


それからというもの、

つき物が降りたかのように彼女は笑うようになりました。



真琴は、

まず第3者が仲介する方法に頼るしかありませんでした。

第3者とは、

司法機関のことです。


僕の友人で、

女性への暴力に関して、

絶対に法廷でも譲らない事で有名な弁護士です。


真琴のプライバシーを守りつつ、

真琴が望んだ結果を持ち帰ってきました。


しかし、それで終わらないのがねちっこい男の気味の悪さです。l


しばらくの間、

真琴はその弁護士の家に寝泊りしていました。

その間に、

警察機関とも連携を取り、

彼女の家に度々訪れる脅迫を撃退する事に成功しました。


僕が彼女の家に一人で寝泊りしてましたんでね。

現行犯逮捕が可能になったわけです。


彼は主犯として、

刑罰を受ける事になりました。


真琴がある日、

面会に行くと言い出したので、

着いて行きました。


面会室にて


『私、もうアナタに負けないから。

 出所して手出ししてきても、

 絶対に負けないから』


そう言って、

中指を立てて踵を返しました。

思わず笑ってしまい、

僕もついでに中指立てときました。


『いつでも来いよ。

 また放り込んだるからな』


そうは言ったものの、

その後も何かあってはいけないので、

刑罰を食らった元彼のところに個人的に面会に行きました。


彼の相談にも乗るハメになってしまいましたが、

彼のような人間は、

自分の力のなさを、

他人の力を借りるのではなく、

使って補おうとする。

つまり、一人では何もできないからこそ、

そういう卑劣な手を使うのです。


出所してすぐに僕のところに挨拶に来ました。


『これ、彼女に読んでもらえないかもしれないけど、

 渡しておいてもらえませんか』


田舎に帰り、

農業に精を出している彼から、

毎年、なかなか美味しいリンゴが送られてきます。


真琴は手紙を読みませんでした。

ただ、反省しているのは伝わったようです。

取り返しがつかない事をされた憤りもありますが、

少しだけいつもの悲しそうな笑顔が、

肩の力が抜けた笑顔になっていました。




3人を引き合わせたのは、

偶然に僕の誕生日を祝ってあげたいと3人から申し入れがあったからです。

せっかくなら同時に引き合わせようと思いつきました。


気が付けば、

本当の兄弟姉妹のように仲の良い関係になっていました。





晴明が


『えーちゃんはさぁ、

 言う事カッコイイんだけど、

 格好がダサ過ぎるよね』


美佐が


『アンタねぇ、

 ウチが一度は惚れた男なんよ?

 パリッとしてもらわな恥かくやんか』


真琴が


『最悪を通り越して、

 かけてあげる言葉が見つからないほどダサい』



と、僕のファッションに難癖をつけたのが、

3週間前の飲み会の席でした。



基本的に、

そこにあった服は何でも着る僕ですが、

それを彼、彼女らは許せないと言います。



『いい年こいて半ズボンて!!』

と美佐。。。


『長袖なん?半袖なん?何その中途半端な七分袖!

 見てるだけで神経逆なでられるわ!』

と真琴。。。


『お前ら言い過ぎだよ。

 でも、言われて仕方ないんだよ?

 今時、プリントTシャツの文字に【NEW YORK】は無いんだよ?』

と晴明。。。



さすがの僕もキレて言い返しました。



『ファッションファッションてうるさいのぉ!

 俺がどんな衣装着て歩こうが勝手やないか!

 何しに他人にそこまで言われなアカンのじゃぃ!!』



すると3人同時に



『他人じゃない!!!』



黙るしかありませんでした。



晴明が言いました。



『俺らはさぁ、

 えーちゃんに会わなかったら、

 今頃どうしてたかわかんないんだよ?

 いつだって感謝してるし、

 かっこよくいてほしいだけなんだよ』



思わず目頭が熱くなった僕に、

真琴が言います。



『ウチら兄弟姉妹みたいなモンっしょ。

 長男がビシッとしてないとね』



そして総括するように美佐が言います。



『じゃぁ、えーちゃんの服をみんなでコーディネートしようよ!』






今日、僕は3人と服を買いに行きました。

まったく、オシャレってヤツは、

選ぶだけで『時間』と『金』と『労力』がいるもんなんですね。。。


夏のボーナスがぶっ飛ぶほど買い物をしたわけですが、

どの服も俺の巨大な体に合っているとは思えません。。。


これを着てどこへ行けと?

しかもAパターンの服を着る時は、

髪型はどんな感じで、

アイテムとしてどういうものを身につけておくべきか、

指南書のようなものまで書かれました。



3人とも満足そうにしていましたが、

僕は至って不安です。



次回の滋賀県、野洲での講演は、

今回買った服の中から、

Bパターンを着て行かないといけないそうです。


しゃがんだらケツが出るほどのローライズ…

ケバケバしい貴金属の数々…

そして逆立った髪の毛…



むむむ…

これは非常に問題ですぞぉ…



でもね、

僕は少し嬉しいんです。



3人が夢を持って生きれるようになり、

人に感謝したり、

感謝されたりする人生を歩めている事が、

とても嬉しいんです。



帰り際に3人が言いました。



『えーちゃん、忘れたらアカンよ?

 ウチら兄弟姉妹、

 入る墓は違えど、

 永遠に兄弟姉妹なんやからね!?

 いっつも話聞いてくれてありがとうね。

 愛してるよ!』



今家で服を眺めています。

晴明、美佐、真琴。

諦めんで生きれるようになって、

ホンマよかったなぁ。