剣道に必要な筋肉は剣道を通して身につける。

 

いわゆる、筋トレ不要論がある。

ここの議論は避けるが、自身の経験と現時点での本心を共有しておく。

ちなみに個人的にはウエイトトレーニング必要派である。

 

さて、我が剣道部と同じくらいのレベルの人たちが勝つために力を入れる順番は

 

①トレーニング(切り返し、かかり稽古など)

②リカバリー(適切な休養と栄養)

③スキル(基本打ち、技の研究)

 

だと思う。

 

試合の組み立てやセオリーを覚え、様々なタイプの選手と試合をして経験を積む。など、要素をあげたら尽きないが・・・。

 

以下、なぜこの順番なのかの説明を行う。

 

どれだけ技を覚えても試合時間戦うスタミナが無ければ足が止まって打たれてしまう。

そもそも、スキルばかりで振る力が無ければ簡単に相手に避けられてしまう。

 

野球が好きでスイング理論も実践も完璧だとしても、160kmの球を打ち返す強いフィジカルが無ければ大谷選手からヒットを打つことはできない。

 

剣道ではスキルでごまかせる範囲が他の競技に比べて広いため、多くの高校生が強くなろうと考えるとスキルに走る傾向がある。

 

しかし、どれだけ面フェイント小手における面のフェイントが上手くなっても、そもそもの面が相手にとって脅威となるレベルでなければ技は成立しない。

 

だが、負けた試合を振り返ると、「何をどのタイミングで打てば良かったのか」という反省と、「打たれたところであれをしなければ良かった」という反省が多くならないだろうか?

 

そもそも竹刀を振るスピード、体さばき、声の大きさ、手の内の冴え、踏み込みの強さ・・・

それらのトレーニングを見直さなければ埋まらない差から目を背けていないだろうか?

 

切り返しやかかり稽古は練習としてはしんどい。

しかし、強くなるためには必須。

ここを割り切って、前向きに取り組むのが選手の役目。

必要性を説きつつ、飽きさせないようにメニューを組むのが指導者の役目(この辺りのコツはまた今度)。

 

そして、毎日のトレーニングを全力で行うために大切なのがリカバリーである。

疲れ切った心身で厳しい稽古をすれば怪我のリスクもあるし、効果も下がる。

 

適切な栄養と休養を行い、日々の練習に疲れていない身体とやる気に満ちた心で取り組む。

 

トレーニングとリカバリーのバランスが取れていて、余力があればそこでスキルを磨く。

あくまでも、まずはトレーニングとリカバリー。

 

以上、県ベスト8の壁を破りたいレベルの顧問の戯言でした。